宅建試験過去問題 令和2年12月試験 問26
問26
次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。- 宅地建物取引業者は、建物の売買に際し、買主に対して売買代金の貸借のあっせんをすることにより、契約の締結を誘引してはならない。
- 宅地建物取引士は、自ら役員を務める宅地建物取引業者が宅地建物取引業に関し不正な行為をし、情状が特に重いことにより免許を取り消された場合、宅地建物取引士の登録を消除されることとなる。
- 宅地建物取引業者は、建築工事完了前の賃貸住宅について、借主として貸借の契約を締結してはならない。
- 宅地建物取引業者は、10区画以上の一団の宅地の分譲を行う案内所を設置し、当該案内所において売買の契約の締結をし、又は契約の申込みを受ける場合は、当該案内所にその業務に関する帳簿を備え付けなければならない。
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正解 2
問題難易度
肢127.8%
肢253.6%
肢35.7%
肢412.9%
肢253.6%
肢35.7%
肢412.9%
分野
科目:E - 宅地建物取引業法等細目:5 - 業務上の規制
解説
- 誤り。宅地建物取引業者が、手付の貸付け・立替え・猶予・分割払いなどの手段を用いて、契約締結を誘引する行為は禁止されています(宅建業法47条3号)。しかし、金融機関との間の金銭の貸借をあっせんする行為は、禁止されていません。重要事項説明の必須記載事項として「金銭の貸借のあっせんの内容」が含まれている事実からも、禁止されていないことが間接的にわかります(宅建業法35条1項12号)。
手付について貸付けその他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する行為
代金又は交換差金に関する金銭の貸借のあつせんの内容及び当該あつせんに係る金銭の貸借が成立しないときの措置
- [正しい]。次の3つの事由(三大悪事)で宅地建物取引業者が免許取消処分になった場合は、当時その宅地建物取引業者の役員であった者は取消しの日から5年を経過するまで、宅地建物取引士として登録を受けることができません(宅建業法18条1項3号)。
- 不正の手段により免許を受けたとき
- 業務停止処分の事由に該当し、情状が特に重いとき
- 業務停止処分に違反したとき
第六十六条第一項第八号又は第九号に該当することにより第三条第一項の免許を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者(当該免許を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しに係る聴聞の期日及び場所の公示の日前六十日以内にその法人の役員であつた者で当該取消しの日から五年を経過しないもの)
都道府県知事は、その登録を受けている宅地建物取引士が次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該登録を消除しなければならない。
一 第十八条第一項第一号から第八号まで又は第十二号のいずれかに該当するに至つたとき。 - 誤り。宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、建築確認や開発許可があった後でなければその宅地建物の売買・交換の契約や媒介若しくは代理をしてはいけません(宅建業法36条)。
必要な許可等を受ければ建築工事完了前の物件に係る契約も可能ですし、貸借については元から必要な許可等を受ける前でも契約や媒介が禁止されていません。よって、建築工事完了前の賃貸住宅について、宅地建物取引業者自らが借主として貸借契約をすることは可能です。宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、当該工事に関し必要とされる都市計画法第二十九条第一項又は第二項の許可、建築基準法第六条第一項の確認その他法令に基づく許可等の処分で政令で定めるものがあつた後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物につき、自ら当事者として、若しくは当事者を代理してその売買若しくは交換の契約を締結し、又はその売買若しくは交換の媒介をしてはならない。
- 誤り。帳簿を備え付けなければならないのは事務所だけです(宅建業法49条)。宅地建物取引業法上の「事務所」とは次の2つです(宅建業法令1条の2)。
- 本店、支店
- 継続的に業務を行なうことができる施設を有する場所で、宅地建物取引業に係る契約を締結する権限を有する使用人(施設の代表者等)を置くもの
宅地建物取引業者は、国土交通省令の定めるところにより、その事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え、宅地建物取引業に関し取引のあつたつど、その年月日、その取引に係る宅地又は建物の所在及び面積その他国土交通省令で定める事項を記載しなければならない。
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