宅建試験過去問題 令和元年試験 問44

問44

宅地建物取引業法に規定する宅地建物取引士資格登録(以下この問において「登録」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 業務停止の処分に違反したとして宅地建物取引業の免許の取消しを受けた法人の政令で定める使用人であった者は、当該免許取消しの日から5年を経過しなければ、登録を受けることができない。
  2. 宅地建物取引業者A(甲県知事免許)に勤務する宅地建物取引士(甲県知事登録)が、宅地建物取引業者B(乙県知事免許)に勤務先を変更した場合は、乙県知事に対して、遅滞なく勤務先の変更の登録を申請しなければならない。
  3. 甲県知事登録を受けている者が、甲県から乙県に住所を変更した場合は、宅地建物取引士証の交付を受けていなくても、甲県知事に対して、遅滞なく住所の変更の登録を申請しなければならない。
  4. 宅地建物取引士資格試験に合格した者は、宅地建物取引に関する実務の経験を有しない場合でも、合格した日から1年以内に登録を受けようとするときは、登録実務講習を受講する必要はない。

正解 3

問題難易度
肢120.5%
肢218.2%
肢346.5%
肢414.8%

解説

  1. 誤り。業務停止処分に違反したとして宅地建物取引業の免許の取消しを受けた法人の役員であった者は、当該免許取消しの日から5年を経過しなければ登録を受けることができません(宅建業法18条1項3号
    しかし、本肢のように政令で定める使用人だった場合には欠格事由に該当しないため、宅建士の登録を受けることが可能です。
    第六十六条第一項第八号又は第九号に該当することにより第三条第一項の免許を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者(当該免許を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しに係る聴聞の期日及び場所の公示の日前六十日以内にその法人の役員であつた者で当該取消しの日から五年を経過しないもの)
  2. 誤り。宅地建物取引士である者は、宅建士名簿の記載事項(氏名や住所等)に変更があった場合、遅滞なく変更の登録を申請する必要があります。宅建士名簿には、業務に従事している宅建業者の名称・免許諸番号が記載されることとなっており、住所の変更がなくても勤務先が変更になった場合には変更申請が必要です。この場合、申請先は現在の免許権者となりますが、本肢では新たな勤務先が所在する「乙県知事に対して」としているので誤りです(宅建業法20条宅建業法規則14条の2の2第1項5号)。
    第十八条第一項の登録を受けている者は、登録を受けている事項に変更があつたときは、遅滞なく、変更の登録を申請しなければならない。
    法第十八条第二項に規定する国土交通省令で定める事項は、次に掲げるものとする。

    五 宅地建物取引業者の業務に従事する者にあつては、当該宅地建物取引業者の商号又は名称及び免許証番号
  3. [正しい]。宅地建物取引士である者は、宅建士名簿の記載事項(氏名や住所等)に変更があった場合、登録を受けている都道府県の知事に対して、遅滞なく変更の登録を申請する必要があります(宅建業法18条2項宅建業法20条)。
    前項の登録は、都道府県知事が、宅地建物取引士資格登録簿に氏名、生年月日、住所その他国土交通省令で定める事項並びに登録番号及び登録年月日を登載してするものとする。
  4. 誤り。宅地建物取引士に登録するには、2年以上の実務経験又は国土交通大臣指定の講習受講が必要となります(宅建業法18条1項)。試験合格後1年以内に免除されるのは、登録後や更新時の取引士証の交付に際して行われる「都道府県知事指定の講習」であり、登録時の登録講習は免除されません(宅建業法22条の2第2項)。
    試験に合格した者で、宅地若しくは建物の取引に関し国土交通省令で定める期間以上の実務の経験を有するもの又は国土交通大臣がその実務の経験を有するものと同等以上の能力を有すると認めたものは、国土交通省令の定めるところにより、当該試験を行つた都道府県知事の登録を受けることができる。ただし、次の各号のいずれかに該当する者については、この限りでない。
    宅地建物取引士証の交付を受けようとする者は、登録をしている都道府県知事が国土交通省令の定めるところにより指定する講習で交付の申請前六月以内に行われるものを受講しなければならない。ただし、試験に合格した日から一年以内に宅地建物取引士証の交付を受けようとする者又は第五項に規定する宅地建物取引士証の交付を受けようとする者については、この限りでない。
したがって正しい記述は[3]です。