- Home
- 法令・制度改正情報
法令・制度改正情報
宅建の試験範囲に関連する法令及び制度の改正情報をまとめたページです。宅建試験は、その年の4月1日が法令基準日となります。
宅建試験は法改正部分の出題確率が非常に高いので、注目しておいて損はありません。
2022年(令和4年)
- 住宅ローン控除の変更
- 適用を受けるための原則的な合計所得要件が3,000万円以下から2,000万円以下に緩和され、借入金残高(上限あり)に乗じる控除率が1%から0.7%に縮小されました。また、控除期間は新築住宅の取得で最長13年、中古住宅の取得で最長10年となりました。
- 中古住宅の要件の変更
- 住宅ローン控除、直系尊属からの住宅資金の一括贈与の特例、住宅資金贈与に係る相続時精算課税の選択の特例、登録免許税の移転登記の軽減税率措置における中古住宅は、これまで建築後20年(マンション等の耐火建築物は25年)以内のものであることが要件となっていましたが、築年数要件が廃止された代わりに、①新耐震基準に適合していること又は②昭和57年(1982年)1月1日以降に建築されたものであることが要件となりました。
- 履行確保法の改正①
- 特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律が改正され、これまで年2回(3月31日・9月30日)あった基準日が年1回(毎年3月31日)になりました。また、各基準日から3週間を経過する日までの間において住宅瑕疵担保保証金を供託すればよいことになりました(以前は基準日時点で供託しており、基準日から3週間以内に供託と契約締結状況の届出が必要だった)。
- 履行確保法の改正②
- 住宅販売瑕疵担保保証金を供託した宅地建物取引業者は、契約前に供託所の所在地等を記載した書面を交付して説明することになっていましたが、発注者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができるようになりました。
- 成年年齢の引下げ
- 令和4年4月1日より成年年齢が18歳となったことに伴い、様々な変更点があります。
- 18歳・19歳の方が保護者の同意なく法律行為をできるようになった。
- 相続時精算課税における受贈者の年齢が1日1日時点で18歳以上になった(住宅資金等贈与の相続時精算課税の特例も同様)。
- 婚姻可能年齢=成人年齢となるので、未成年者の婚姻に係る親の同意の規定が削除された。
- 女性の婚姻可能年齢が16歳から18歳に変わる。ただし、令和4年4月1日時点で16歳以上の女性は、引き続き18歳未満でも結婚できる。
- 婚姻による成年擬制(成年と同じく扱う制度)の規定が削除された。
- 区分所有法の改正
- 集会の議事録を書面で作成した場合には、議長および集会に出席した区分所有者の2人以上がこれに署名押印することとされていましたが、"脱ハンコ"が盛り込まれたデジタル社会形成関係整備法案の施行により、令和3年9月1日より押印が不要になりました。
- 宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン
- 宅地建物取引業法上負うべき義務の解釈として令和3年10月に新たに制定されました。「宅地建物取引業者は、人の死に関する事案が、取引の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合には、これを告げなければならない。」とされています。出題可能性がないとは言えないので一応リンクを記載しておきます。
https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo16_hh_000001_00029.html
2021年(令和3年)
- 売買・交換の契約にもIT重説が適用開始
- これまで貸借でのみ認められていたIT重説(重要事項の説明にテレビ会議等を利用する方法)が売買・交換でも認められるようになりました。有効な重説とするための要件は貸借と同じ以下の4点です。
- 宅地建物取引士及び重要事項の説明を受けようとする者が、図面等の書類及び説明の内容について十分に理解できる程度に映像を視認でき、かつ、双方が発する音声を十分に聞き取ることができるとともに、双方向でやりとりできる環境において実施していること。
- 宅地建物取引士により記名押印された重要事項説明書及び添付書類を、重要事項の説明を受けようとする者にあらかじめ送付していること。
- 重要事項の説明を受けようとする者が、重要事項説明書及び添付書類を確認しながら説明を受けることができる状態にあること並びに映像及び音声の状況について、宅地建物取引士が重要事項の説明を開始する前に確認していること。
- 宅地建物取引士が、宅地建物取引士証を提示し、重要事項の説明を受けようとする者が、当該宅地建物取引士証を画面上で視認できたことを確認していること。
- 水害ハザードマップに関する重説
- 昨今の大規模水害が発生している状況に鑑み、消費者に水害リスク情報を伝えるため、重説の内容として以下の内容が追加されました。
施行規則16条の4の3第3号の2
いわゆる水害ハザードマップに関する重説で、本説明は、宅地・建物、売買・交換・貸借を問わず必要です。
水防法施行規則第十一条第一号の規定により当該宅地又は建物が所在する市町村の長が提供する図面に当該宅地又は建物の位置が表示されているときは、当該図面における当該宅地又は建物の所在地
本説明義務は、取引の対象となる宅地又は建物の位置を含む水害ハザードマップを、洪水・内水・高潮のそれぞれについて提示し、当該宅地又は建物の概ねの位置を示すことにより行います。水害ハザードマップが存在しない場合には、提示すべき水害ハザードマップが存しない旨の説明を行う必要があります。 - 住宅資金の一括贈与特例の改正(贈与税)
- 令和3年4月1日~12月31日までの契約分に係る非課税限度額が、省エネ住宅で1,500万円、それ以外の住宅で1,000万円となりました(令和2年度から据置)。さらに、これまで適用対象となるのは床面積が50㎡以上の住宅とされていましたが、受贈者の合計所得金額が1,000万円以下である場合には40㎡以上50㎡未満の住宅についても適用を受けられるようになりました。
- 住宅資金贈与に係る相続時精算課税の特例(贈与税)
- 本特例は住宅取得資金の贈与を受けたときに、一定の要件のもと、贈与者が60歳未満であっても相続時精算課税を選択できる制度ですが、特例の適用対象となる住宅の床面積が40㎡以上に緩和されました(従前は50㎡以上)。
- 住宅ローン控除の延長と床面積要件(所得税)
- 消費増税に伴う経済対策として控除期間が13年となるのは、2020年(令和2年)12月31日までに住宅取得契約をした場合に限られていましたが、コロナ関連の経済対策として、注文住宅であれば2021年(令和3年)9月末、分譲住宅であれば2021年(令和3年)11月末までに契約をし、2022年(令和4年)12月31日までに入居すれば、最長13年間の控除が受けられるように延長されました。この延長部分に該当する取得に限り、適用を受ける年の合計所得金額が1,000万円以下であれば、これまでよりやや狭い床面積40㎡以上50㎡未満の住宅についても適用対象となります。
- 町村の都市計画の決定に係る都道府県知事の同意が廃止
- これまで市町村が都市計画を決定する際には都道府県知事との協議をしなければならず、町村にあっては都道府県知事の同意を得ることが必要とされていましたが、町村の同意ルールが廃止されました。
- 地域地区に居住環境向上用途誘導地区が追加
- 居住環境向上施設に限定して用途制限や容積率の緩和を行う一方、それ以外の建築物については従前通りの規制を適用することにより、居住環境向上施設を有する建築物の建築を誘導することを目的とする地域地区です。コワーキング施設、医療施設、小規模なスーパーマーケットやドラッグストア、習い事教室、保育所等からなる複合施設などの立地を誘導するための活用が想定されているようです。