宅建試験過去問題 平成29年試験 問35
問35
次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。- 宅地建物取引業者は、自ら貸主として締結した建物の賃貸借契約について、法第49条に規定されている業務に関する帳簿に、法及び国土交通省令で定められた事項を記載しなければならない。
- 宅地建物取引業者は、その業務に関する帳簿を、一括して主たる事務所に備えれば、従たる事務所に備えておく必要はない。
- 宅地建物取引業者は、その業務に関する帳簿に報酬の額を記載することが義務付けられており、違反した場合は指示処分の対象となる。
- 宅地建物取引業者は、その業務に従事する者であっても、一時的に事務の補助のために雇用した者については、従業者名簿に記載する必要がない。
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正解 3
問題難易度
肢114.4%
肢26.2%
肢374.6%
肢44.8%
肢26.2%
肢374.6%
肢44.8%
分野
科目:5 - 宅地建物取引業法等細目:5 - 業務上の規制
解説
- 誤り。自ら貸主として行う貸借の取引は、そもそも宅地建物取引業に該当せず、宅建業法の規定は適用外となります(宅建業法2条2号)。したがって、自ら貸主として行った建物賃貸借契約については、帳簿への記載義務もありません。
宅地建物取引業 宅地若しくは建物(建物の一部を含む。以下同じ。)の売買若しくは交換又は宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の代理若しくは媒介をする行為で業として行うものをいう。
宅地建物取引業者Aが、自ら所有する複数の建物について、複数人に対し、反復継続して賃貸する行為は、宅地建物取引業に該当しない。(R5-38-ア)建設業者Bが、建築請負工事の受注を目的として、業として宅地の売買の媒介を行う行為は、宅地建物取引業に該当しない。(R5-38-ウ)宅地建物取引業とは、宅地又は建物の売買等をする行為で業として行うものをいうが、建物の一部の売買の代理を業として行う行為は、宅地建物取引業に当たらない。(R1-26-2)Aは、自ら所有している物件について、直接賃借人Bと賃貸借契約を締結するに当たり、法第35条に規定する重要事項の説明を行わなかった。この場合、Aは、甲県知事から業務停止を命じられることがある。(H28-26-4)社会福祉法人が、高齢者の居住の安定確保に関する法律に規定するサービス付き高齢者向け住宅の賃借の媒介を反復継続して営む場合は、宅地建物取引業の免許を必要としない。(H27-26-イ)A社は、建物の貸借に関し、自ら貸主として契約を締結した場合に、その相手方に37条書面を交付しなければならない。(H25-31-ア)Cが自己の所有する宅地を駐車場として整備し、賃貸を業として行う場合、当該賃貸の媒介を、免許を受けているD社に依頼するとしても、Cは免許を受けなければならない。(H24-27-2)Eが所有するビルを賃借しているFが、不特定多数の者に反復継続して転貸する場合、Eは免許を受ける必要はないが、Fは免許を受けなければならない。(H24-27-3)Aが、B社が甲県に所有する1棟のマンション(20戸)を、貸主として不特定多数の者に反復継続して転貸する場合、Aは甲県知事の免許を受けなければならない。(H23-26-2)他人の所有する複数の建物を借り上げ、その建物を自ら貸主として不特定多数の者に反復継続して転貸する場合は、免許が必要になるが、自ら所有する建物を貸借する場合は、免許を必要としない。(H22-26-2) - 誤り。帳簿は事務所ごとに備える必要があります。したがって、主たる事務所に一括することはできず、従たる事務所にも備えておかなければなりません(宅建業法49条)。
宅地建物取引業者は、国土交通省令の定めるところにより、その事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え、宅地建物取引業に関し取引のあつたつど、その年月日、その取引に係る宅地又は建物の所在及び面積その他国土交通省令で定める事項を記載しなければならない。
宅地建物取引業者は、その業務に関する帳簿を備え、取引のあったつど、その年月日、その取引に係る宅地又は建物の所在及び面積その他国土交通省令で定める事項を記載しなければならないが、支店及び案内所には備え付ける必要はない。(R3⑩-40-1)宅地建物取引業者は、10区画以上の一団の宅地の分譲を行う案内所を設置し、当該案内所において売買の契約の締結をし、又は契約の申込みを受ける場合は、当該案内所にその業務に関する帳簿を備え付けなければならない。(R2⑫-26-4)宅地建物取引業者は、本店と複数の支店がある場合、支店には帳簿を備え付けず、本店に支店の分もまとめて備え付けておけばよい。(R2⑫-41-1)宅地建物取引業者は、宅地建物取引業に関し取引のあったつど、その年月日、その取引に係る宅地又は建物の所在及び面積その他国土交通省令で定める事項を帳簿に記載しなければならない。(R2⑫-41-2)Aは、法第49条の規定によりその事務所ごとに備えるべきこととされている業務に関する帳簿について、取引関係者から閲覧の請求を受けたが、閲覧に供さなかった。(H28-29-ウ)宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え、宅地建物取引業に関し取引のあった月の翌月1日までに、一定の事項を記載しなければならない。(H25-41-3)宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備えなければならず、帳簿の閉鎖後5年間(当該宅地建物取引業者が自ら売主となる新築住宅に係るものにあっては10年間)当該帳簿を保存しなければならない。(H24-40-エ)宅地建物取引業者は、各事務所の業務に関する帳簿を主たる事務所に備え、取引のあったつど、その年月日、その取引に係る宅地又は建物の所在及び面積等の事項を記載しなければならない。(H22-29-3)宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え、宅地建物取引業に関し取引のあった月の翌月10日までに、一定の事項を記載しなければならない。(H21-43-4)宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え、取引の関係者から請求があったときは、閲覧に供しなければならない。(H20-42-2)宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え、宅地建物取引業に関し取引のあったつどその年月日、その取引に係る宅地又は建物の所在及び面積その他の事項を記載しなければならない。(H18-42-3)A社がその事務所ごとに備えることとされている帳簿の記載は、一定の期間ごとではなく、宅地建物取引業に関し取引のあったつど一定の事項を記載しなければならないこととされている。(H16-45-4)宅地建物取引業者は、その業務に関して、国土交通省令に定める事項を記載した帳簿を一括して主たる事務所に備え付ければよい。(H15-40-1) - [正しい]。帳簿に記載すべき事項は、①取引年月日、②物件の所在・面積、③取引態様の別、④取引当事者の氏名・住所、⑤物件の概況、⑥売買金額等、⑦報酬の額、⑦自ら売主となる新築住宅に関する情報、とされています。報酬の額は帳簿の記載事項の一つなので、記載しない場合は指示処分の対象になります(宅建業法規則18条1項7号)。
法第四十九条に規定する国土交通省令で定める事項は、次のとおりとする。
…
七 報酬の額 - 誤り。従業者の範囲には、非常勤の役員、単に一時的に事務の補助をする者が含まれます。たとえ一時的に雇用した者であっても、宅地建物取引業に従事するのであれば所定の情報を従業者名簿に記載しなければなりません(解釈運用-第48条第1項関係)。
従業者証明書を携帯させるべき者の範囲は、代表者(いわゆる社長)を含み、かつ、「法第31条の3第1項で定める従事者の範囲」の定めるところに、非常勤の役員、単に一時的に事務の補助をする者を加えるものとする。
宅地建物取引業者は、その事務所ごとに従業者名簿を備えなければならないが、退職した従業者に関する事項は従業者名簿への記載の対象ではない。(H26-41-4)宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、従業者名簿を備えなければならず、当該名簿については最終の記載をした日から10年間保存しなければならない。(H24-40-ウ)宅地建物取引業者は、その事務所ごとに従業者名簿を備える業務を怠った場合、監督処分を受けることはあっても罰則の適用を受けることはない。(H22-29-2)宅地建物取引業者は、主たる事務所には、設置しているすべての事務所の従業者名簿を、従たる事務所には、その事務所の従業者名簿を備えなければならない。(H20-42-3)宅地建物取引業者は、その事務所に備える従業者名簿に、従業者が宅地建物取引士であるか否かの別を記載しなかった場合、業務停止の処分を受けることがあるが、罰金の刑に処せられることはない。(H12-31-4)宅地建物取引業者は、その業務に関する各事務所の帳簿を一括して主たる事務所に、従業者名簿を各事務所ごとに備えなければならない。(H12-42-1)
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