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宅建試験後におすすめの資格

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宅建試験に挑戦された皆さま。ここから先は宅建で学習した内容を「不動産×隣接領域」に広げて、機会と専門性を一段引き上げてみませんか。不動産業界で最も知名度の高い国家資格である宅建の受験後、学習の面白さに気付き「次はどんな資格を取ればよいか」と考える方も多いのではないでしょうか。次の4つの資格は、実務の幅・信頼性・キャリアの可能性を拡げ、引いては人生を切り拓く手段となってくれるでしょう。

No.1 賃貸不動産経営管理士

賃貸不動産経営管理士は、賃貸物件の管理・運営を専門とする国家資格です。

令和3年に新しく施行された「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(賃貸住宅管理業法)」において、賃貸住宅管理業者の各事務所には1人以上の「業務管理者」を置くことが義務付けられており、その要件を満たす資格として位置づけられています。不動産系国家資格の中では宅建に次ぐ受験者数を誇ります(年間受験者数3万人超)。
  1. 目指すメリット
    • 入居者対応、原状回復、賃貸借契約、建物維持管理といった実務的寄りの内容を「体系的な知識」として身につけられます。身に付けた知識は不動産関係の仕事はもちろん、自身が賃貸住宅を借りる場面にも役立ちます。
    • 宅建士と併せ持つことで「売買・賃貸・管理」を横断的にカバーでき、『不動産業のスペシャリスト』として顧客から信頼性が向上し、将来的な独立・開業などにも役立ちます。
    • 近年、賃貸住宅へのニーズが増していることもあり、賃貸住宅管理業界において確かな知識を有する資格者のニーズの高まりが予想されます。また、賃貸住宅は全国どこでもありますから、不動産業界の変化に強いキャリアを築くことができます。
    • 全国38地域(令和7年度)で実施されているため地方在住でも受験しやすいです。
  2. 宅建との関連性
    • 試験範囲には、民法や借地借家法など宅建試験と重複する分野が多く含まれています。宅建で学習した知識を活かせば、重なる分野は復習感覚で効率よく学習を進めることができます。
    • 宅建士保有者は本試験の合格率が相対的に高い傾向(令和6年度:全体24.1%に対し宅建保有者31.6%)があり、学習資産の再活用がしやすい資格です。
    • 建物の建築・設備関係の知識は、管理業務主任者やマンション管理士への挑戦時にも役立ちます。
  3. 挑戦するときのコツ・留意点
    • 条文理解中心の宅建と比べると実務寄りのテーマが多いため、最初に全体像(管理業務の流れ・関係法令)をざっと押さえてから過去問に触れると理解がスムーズです。
    • 受験者数の増加に伴い徐々に難化傾向にあります(早めの受験がおすすめです)。
    • 試験開始から10年と実施回数が少ないため、出題範囲が広いことと相まって出題内容が読めません。
    • 5問免除講習は誰でも申込み可能で、受講すれば2年間は5問免除が受けられます。
  4. 関連サイト紹介

No.2 FP(ファイナンシャル・プランナー)

FP技能検定は、職業能力開発促進法に基づく国家資格で、家計・資産・税・相続などを横断的に学ぶ技能検定です。

出題分野はライフプランニング/リスクマネジメント/金融資産運用/タックスプランニング/不動産/相続・事業承継の6領域。年間受験者は1〜3級合計で約15万人です。
  1. 目指すメリット
    • 社会保険・年金・税金・金融資産・相続などを広く浅く体系化でき、「お金の基礎体力」が身につきます
    • 難易度は宅建より低めの傾向で、独学でも早期に合格体験を得やすく、学習モチベーションの回復にも有効です。
    • 不動産提案の際に不可欠な税・相続の素養が備わり、顧客との長期的な関係構築に活きます。
  2. 宅建との関連性
    • 宅建学習者であれば不動産分野(税を除く)は無勉強でも対応可能なレベルです。すでに学んだ知識を活かして効率的に学べます。
    • FPで学習するタックスプランニング/相続・事業承継の内容は、不動産取引の資金計画・税務説明・承継提案に直結します。
    • 「物件×資金×税×相続」を一体で語れるようになり、総合提案力が高まります。
  3. 挑戦するときのコツ・留意点
    • 3級→2級の順で段階的に進めましょう。CBT方式での実施なので、柔軟な受験日程を活かして短期サイクルで合格体験を積み上げましょう。
    • 独占業務や必置資格ではありませんが、相談業務やWebライティングなどの副業での活用価値は高いです。ただ、これ1本で本業とすることは難しいかも。資格取得後の活用シーンを先に設計しておくと学びが業務に直結します。
    • 出題は広範囲ですが、受験者数が多い資格なので無料・有料含めて教材が豊富です。宅建と同様に勉強しやすい環境が整備されています。
  4. 関連サイト紹介

No.3 管理業務主任者

管理業務主任者は、分譲マンションの管理組合から業務委託を受けるマンション管理業を専門とする国家資格です。

マンション管理適正化法により、マンション管理業者の事務所ごとに、管理棟数に応じた人数の管理業務主任者を設置することが義務付けられています。受験者数は年間1万5,000人程度、合格率は約20%です。
  1. 目指すメリット
    • 管理組合運営、会計、標準管理規約、長期修繕計画、建物・設備、滞納対策、関連法規といった分譲マンションの管理に特化した内容を学びます。管理の中核人材としての信頼性が高まり、管理会社・管理組合・居住者との調整局面で発言力が増します。
    • 学習内容は、マンション管理業の従事者だけではなく、分譲マンションに住んでいる人やこれから住もうとする人にとっても有用です。
    • マンション管理士とほぼ出題範囲が同じなので、1年での同時合格も十分に狙えます。
  2. 宅建との関連性
    • 民法と区分所有法、関連法規として出題される宅建業法、借地借家法、不動産登記法が共通する出題範囲です。宅建で培った法令知識を発展的に活かせます。
    • 区分所有法は宅建よりも深い内容が問われますが、その他の共通範囲は復習する感じで効率的に学習することができるでしょう。
    • 試験形式が同じです。出題形式が四肢択一50問、試験時間も2時間で同じです。紙媒体で実施されていることや個数問題や組合せ問題があることも共通しています。
  3. 挑戦するときのコツ・留意点
    • マンション立地は都市圏に集中してることから、業務ニーズも都市周辺に偏っています。キャリアに活かしたい場合、居住地域にニーズがあるか確認しましょう。
    • 試験地が北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、広島県、福岡県、沖縄県、これらの周辺地域に限られます。
    • Web申込みを行えば、試験会場を選択することが可能です。ただし、Web申込みだと合格証書がデータ提供(自分で印刷)となり悲しいです。
  4. 関連サイト紹介

No.4 行政書士

行政書士は、官公署に提出する書類の作成・提出手続の代理・相談を業とする国家資格です。

許認可(例:建設業、産業廃棄物、飲食、風営、古物、車両・運送、入管手続)や、権利義務・事実証明に関する契約書・内容証明・示談書・遺言・相続関係書類の作成支援を扱います。受験者数は年間4~5万人、合格率は10~13%です。
  1. 目指すメリット
    • 独立開業の印象が強い一方で、不動産・建設・管理会社などの企業内でも、社内の手続設計や法に則った文書作成、行政対応の実務で価値を発揮できます。
    • 宅建と同じ法律系の試験で、宅建の次に目指す試験として適正な難易度です。試験は毎年11月なので1年間の学習期間が確保できます。
    • 令和7年6月成立・令和8年1月1日施行の改正行政書士法で業務の制限規定が明確化されました。補助金申請に必要な書類の作成・提出代行は行政書士の独占業務に該当する立て付けが明文化・強化されたことにより、今後の資格に対するニーズの高まりが予想されます。
  2. 宅建との関連性
    • 行政書士でも民法が出題範囲です。宅建で培った民法の基礎知識が導入段階でそのまま活き、学習の立ち上がりが早くなります。
    • 行政書士は宅建と同様に法律知識を問う試験です。宅建学習で身についた条文読解力・論点整理力・法的思考の型は、行政書士でも有効です。
    • 不動産の売買に伴う開発・転用等の各種許認可を、社内でワンストップに要件整理→書類作成→提出へと橋渡しでき、フロント(営業)とバック(手続)の連携を強化します。
  3. 挑戦するときのコツ・留意点
    • 学習範囲は行政法を中心に民法・憲法へ広がります。決して楽な試験ではないためある程度の覚悟が必要です。
  4. 関連サイト紹介

次の一歩で宅建の学びを"キャリア資産"にしよう

合否を問わず、いまの学習熱量を次の資格へつなげることが、最短でスキルと信頼を引き上げる道です。日本では、多忙な社会人が学習を継続するのは少数派と言われます。だからこそ、いまの熱量を保ちながら一歩先の学習に進むこと自体が、将来に向けた大きなレバレッジになります。『知識は力』です!!

賃貸不動産の知識や対応力を磨くなら賃貸不動産経営管理士、分譲マンションの管理・規約まで射程を広げるなら管理業務主任者、資金計画と税・相続で提案の幅を広げるならFP、企業内の許認可・補助金申請(独占業務化の追い風)まで担うなら行政書士。どれも宅建学習との親和性が高く、重ねるほど「売買×賃貸×管理×手続×お金」をワンストップに語れる人材へ近づきます。試験後の一歩が、次の合格とあなたのキャリアの選択肢を確実に広げてくれるはずです。