宅建試験過去問題 令和3年10月試験 問40

問40

次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
  1. 宅地建物取引業者は、その業務に関する帳簿を備え、取引のあったつど、その年月日、その取引に係る宅地又は建物の所在及び面積その他国土交通省令で定める事項を記載しなければならないが、支店及び案内所には備え付ける必要はない。
  2. 成年である宅地建物取引業者は、宅地建物取引業の業務に関し行った行為について、行為能力の制限を理由に取り消すことができる。
  3. 宅地建物取引業者は、一団の宅地建物の分譲をする場合における当該宅地又は建物の所在する場所に国土交通省令で定める標識を掲示しなければならない。
  4. 宅地建物取引業者は、業務上取り扱ったことについて知り得た秘密に関し、税務署の職員から質問検査権の規定に基づき質問を受けたときであっても、回答してはならない。

正解 3

問題難易度
肢14.5%
肢24.8%
肢386.6%
肢44.1%

解説

  1. 誤り。帳簿は事務所ごとに備付けなければなりません(案内所は不要)。よって、本店には本店の、支店には支店の帳簿を備え付ける必要があります(宅建業法49条)。
    宅地建物取引業者は、国土交通省令の定めるところにより、その事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え、宅地建物取引業に関し取引のあつたつど、その年月日、その取引に係る宅地又は建物の所在及び面積その他国土交通省令で定める事項を記載しなければならない。
  2. 誤り。宅地建物取引業者(未成年者を除く)が宅地建物取引業に関して行った行為は、行為能力の制限によって取り消すことはできません(宅建業法47条の3)。
    令和元年に行為能力制限者に関する欠格事由が見直され、成年被後見人や被保佐人であっても免許や登録を受ける道が開かれました。この改正に伴い、行為能力制限者が宅地建物取引業を行うときに、取引の安全を保護する必要性から新設された規定です。
    宅地建物取引業者(個人に限り、未成年者を除く。)が宅地建物取引業の業務に関し行つた行為は、行為能力の制限によつては取り消すことができない。
  3. [正しい]。一団の宅地建物を分譲する場合、その物件の場所にも標識を掲示する必要があります(宅建業法規則19条1項2号)。
  4. 誤り。宅地建物取引業者が業務上知り得た秘密について、正当な理由なく他に漏らした場合は守秘義務違反となります(宅建業法45条)。ただし、本人の同意がある場合、法令の定めにより提供する場合等、正当事由がある場合はその秘密を提供することが可能です。
    宅建業法・解釈運用の考え方では、正当な事由に該当する例として、裁判の証人として証言を求められたとき、税務署等の職員から質問検査権の規定に基づき質問を受けたとき等を挙げているため、本件では回答しても宅建業法違反とはなりません(解釈運用の考え方-第45条関係)。
    宅地建物取引業者は、正当な理由がある場合でなければ、その業務上取り扱つたことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。宅地建物取引業を営まなくなつた後であつても、また同様とする。
    法律上秘密事項を告げる義務がある場合
    裁判の証人として証言を求められたとき、税務署等の職員から質問検査権の規定に基づき質問を受けたとき等が挙げられる。
したがって正しい記述は[3]です。