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宅地建物取引士とは?
宅地建物取引士(たくちたてものとりひきし)は、住宅やビルなどの建物を建てるための土地または建物そのものを売買したり交換したり、持ち主の代わりに賃貸物件をあっせんする業務を営む際に必要な国家資格です。 不動産取引は一般に1回の取引が高額であり、1つの間違いが人の人生設計を乱してしまう可能性すらあります。しかし、不動産取引の当事者は不動産に関する知識や経験の少ないお客様がほとんどですから、人の財産の適切な保護のために、専門知識を持つ宅地建物取引士が契約に関わり、また一般消費者に対して詳しい説明をしてあげることが必要なのです。
このように宅地建物取引士は不動産取引において重要な役割を担うため、宅地建物取引業法には宅地建物取引士の【独占業務】及び事務所等への【必置義務】が規定されています。
宅地建物取引士は、平成27年3月までは「宅地建物取引主任者」という名称の資格でしたが、平成27年4月の宅地建物取引業法の改正により「宅地建物取引士」に名称変更されています。名称が士業に格上げされましたが実質的には同じ資格です。また「宅建士」とは宅地建物取引士の略称です。
宅建士でなければできない仕事
- 重要事項説明書の記名と説明
宅地や建物などの不動産を売買したり交換したり、不動産の取引の媒介や代理などを行う場合、宅建士の資格を持った者が、その宅地や建物の現状や所有者など不動産の情報が記されている書類に記名して、買主や借主に対してその内容を説明しなければなりません。 重要事項の説明義務があるのは宅地建物取引業者ですが、その説明は専門知識を持った宅建士にしか行うことができないのです。
- 37条書面(契約書面)への記名
宅地建物取引業者が取引に関わった売買契約や貸借契約が成立した場合、宅地建物取引業者は宅地建物取引業法に定める事項を含めた契約書を作り、契約の当事者に交付しなければなりません。契約書は37条書面と呼ばれ、代金や物件など契約に必要な事項が記載されている重要な書類です。この37条書面にも宅建士の記名が必要となります。 ただし、37条書面については重要事項説明書と異なり宅建士による説明の必要はありません。
宅建士の資格が役立つ業種
宅建士は不動産業界はもちろんのこと様々な業種でも役立つ資格です。
- 不動産業
不動産業は不動産の売買、賃貸、仲介、管理などを行っています。宅地建物取引業者の事務所では従業員5人に1人以上の割合で、契約・申込みを行う案内所では1人以上の、成年者である専任の宅建士を設置しなければならないという決まりがあります。賃貸管理業を主とする企業においても貸主から依頼を受けて借主を募集する業務は宅地建物取引業に該当するため、宅建士は重宝されます。宅建士は不動産業においてなくてはならない存在なのです。
- 金融業
銀行などの金融機関では不動産を担保に融資を行うことが多いです。そのため不動産の専門知識のある宅建士の資格を持っていると活用できます。
- 建築業
建築会社では建築士の資格が必要ですが、自社で建築した物件を販売しようとする際には宅地建物取引業の免許が必要となります。建築業界でも宅建士の資格を取得する人が増えてきています。
- 公務員
国や都道府県で働く公務員が行うまちづくりや都市計画などの場面でも宅建士の資格が役に立ちます。知識があれば仕事を円滑に進めることができます。
宅建士の資格を取得するメリット
宅建士の資格を持っていると様々なメリットがあります。
- 就職に有利になる
宅地建物取引業を営む企業で働くためには宅建士の資格は必須です。就職してから試験を強制的に受けさせられるところがほとんどです。あらかじめ資格を保有していれば即戦力として高く評価されます。 また、金融業界や建築業界においても不動産取引に関する知識を身に着けていれば有効活用できますので就職に有利になります。
- 独立起業できる
宅建士は個人での独立開業を目指しやすい資格の1つです。宅地建物取引業は取引1件当たりの報酬単価が比較的高く、媒介や代理であれば製造業や商店のような仕入れもないため経営リスクが低いからです(もちろん営業力は必要です)。もし自分で起業したいと思っている人は検討してみるのもいいかもしれません。