宅建試験過去問題 平成20年試験 問42

問42

次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
  1. 宅地建物取引業者は、販売予定の戸建住宅の展示会を実施する際、会場で売買契約の締結や売買契約の申込みの受付を行わない場合であっても、当該会場内の公衆の見やすい場所に国土交通省令で定める標識を掲示しなければならない。
  2. 宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え、取引の関係者から請求があったときは、閲覧に供しなければならない。
  3. 宅地建物取引業者は、主たる事務所には、設置しているすべての事務所の従業者名簿を、従たる事務所には、その事務所の従業者名簿を備えなければならない。
  4. 宅地建物取引業者は、その業務に従事させる者に、従業者証明書を携帯させなければならないが、その者が非常勤の役員や単に一時的に事務の補助をする者である場合には携帯をさせなくてもよい。

正解 1

問題難易度
肢165.5%
肢217.0%
肢312.1%
肢45.4%

解説

  1. [正しい]。契約行為等を行わない案内所や展示会場にも、所定の標識を掲示する必要があります(宅建業法規則19条1項5号)。
    宅地建物取引業者は、一団の宅地建物の分譲をする場合における当該宅地又は建物の所在する場所に国土交通省令で定める標識を掲示しなければならない。R3⑩-40-3
    Aは、法第50条第2項に定める届出を甲県知事及び乙県知事へ届け出る必要はないが、当該マンションの所在する場所に法第50条第1項で定める標識を掲示しなければならない。H26-28-2
    A社は、マンションの所在する場所に法第50条第1項の規定に基づく標識を掲げなければならないが、B社は、その必要がない。H24-42-ア
    A社は、当該案内所に法第50条第1項の規定に基づく標識を掲げなければならないが、当該標識へは、B社の商号又は名称及び免許証番号も記載しなければならない。H24-42-エ
    宅地建物取引業者は、売主として一団の宅地建物の分譲を当該物件から約500m離れた駅前に案内所を設置して行う場合、当該物件の所在する場所及び案内所のそれぞれに、免許証番号、主たる事務所の所在地等の所定の事項を記載した標識を掲示しなければならない。H19-45-4
    A及びBは当該マンションの所在する場所について、法第50条第1項に規定する標識をそれぞれ掲示しなければならない。H16-43-1
    Aは、マンションの所在する場所に自己の標識を掲示する必要があるが、Bは、その必要はない。H14-42-2
  2. 誤り。宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備えなければいけません。ただし、従業者名簿とは異なり、帳簿は取引の関係者から請求があった場合でも閲覧させる必要はありません(宅建業法49条)。
    宅地建物取引業者は、国土交通省令の定めるところにより、その事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え、宅地建物取引業に関し取引のあつたつど、その年月日、その取引に係る宅地又は建物の所在及び面積その他国土交通省令で定める事項を記載しなければならない。
    宅地建物取引業者は、その業務に関する帳簿を備え、取引のあったつど、その年月日、その取引に係る宅地又は建物の所在及び面積その他国土交通省令で定める事項を記載しなければならないが、支店及び案内所には備え付ける必要はない。R3⑩-40-1
    宅地建物取引業者は、10区画以上の一団の宅地の分譲を行う案内所を設置し、当該案内所において売買の契約の締結をし、又は契約の申込みを受ける場合は、当該案内所にその業務に関する帳簿を備え付けなければならない。R2⑫-26-4
    宅地建物取引業者は、本店と複数の支店がある場合、支店には帳簿を備え付けず、本店に支店の分もまとめて備え付けておけばよい。R2⑫-41-1
    宅地建物取引業者は、宅地建物取引業に関し取引のあったつど、その年月日、その取引に係る宅地又は建物の所在及び面積その他国土交通省令で定める事項を帳簿に記載しなければならない。R2⑫-41-2
    宅地建物取引業者は、その業務に関する帳簿を、一括して主たる事務所に備えれば、従たる事務所に備えておく必要はない。H29-35-2
    Aは、法第49条の規定によりその事務所ごとに備えるべきこととされている業務に関する帳簿について、取引関係者から閲覧の請求を受けたが、閲覧に供さなかった。H28-29-ウ
    宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え、宅地建物取引業に関し取引のあった月の翌月1日までに、一定の事項を記載しなければならない。H25-41-3
    宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備えなければならず、帳簿の閉鎖後5年間(当該宅地建物取引業者が自ら売主となる新築住宅に係るものにあっては10年間)当該帳簿を保存しなければならない。H24-40-エ
    宅地建物取引業者は、各事務所の業務に関する帳簿を主たる事務所に備え、取引のあったつど、その年月日、その取引に係る宅地又は建物の所在及び面積等の事項を記載しなければならない。H22-29-3
    宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え、宅地建物取引業に関し取引のあった月の翌月10日までに、一定の事項を記載しなければならない。H21-43-4
    宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え、宅地建物取引業に関し取引のあったつどその年月日、その取引に係る宅地又は建物の所在及び面積その他の事項を記載しなければならない。H18-42-3
    A社がその事務所ごとに備えることとされている帳簿の記載は、一定の期間ごとではなく、宅地建物取引業に関し取引のあったつど一定の事項を記載しなければならないこととされている。H16-45-4
    宅地建物取引業者は、その業務に関して、国土交通省令に定める事項を記載した帳簿を一括して主たる事務所に備え付ければよい。H15-40-1
  3. 誤り。従業者名簿は事務所ごとに備え、その事務所に従事する従業者の氏名等を記載します。主たる事務所の従業者名簿には、主たる事務所の従業者のみ記載すれば足ります(宅建業法48条3項)。
    宅地建物取引業者は、国土交通省令で定めるところにより、その事務所ごとに、従業者名簿を備え、従業者の氏名、第一項の証明書の番号その他国土交通省令で定める事項を記載しなければならない。
    宅地建物取引業者は、その業務に従事する者であっても、一時的に事務の補助のために雇用した者については、従業者名簿に記載する必要がない。H29-35-4
    宅地建物取引業者は、その事務所ごとに従業者名簿を備えなければならないが、退職した従業者に関する事項は従業者名簿への記載の対象ではない。H26-41-4
    宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、従業者名簿を備えなければならず、当該名簿については最終の記載をした日から10年間保存しなければならない。H24-40-ウ
    宅地建物取引業者は、その事務所ごとに従業者名簿を備える業務を怠った場合、監督処分を受けることはあっても罰則の適用を受けることはない。H22-29-2
    宅地建物取引業者は、その事務所に備える従業者名簿に、従業者が宅地建物取引士であるか否かの別を記載しなかった場合、業務停止の処分を受けることがあるが、罰金の刑に処せられることはない。H12-31-4
    宅地建物取引業者は、その業務に関する各事務所の帳簿を一括して主たる事務所に、従業者名簿を各事務所ごとに備えなければならない。H12-42-1
  4. 誤り。宅地建物取引業者は、その業務に従事させる者に、従業者証明書を携帯させなければなりません(宅建業法48条1項)。一時的に事務の補助をする者についても従業者証明書の携帯義務があります(解釈運用-第48条第1項関係)。
    宅地建物取引業者は、国土交通省令の定めるところにより、従業者に、その従業者であることを証する証明書を携帯させなければ、その者をその業務に従事させてはならない。
    従業者証明書を携帯させるべき者の範囲は、代表者(いわゆる社長)を含み、かつ、「法第31条の3第1項で定める従事者の範囲」の定めるところに、非常勤の役員、単に一時的に事務の補助をする者を加えるものとする。
    宅地建物取引業者は、非常勤役員には従業者であることを証する証明書を携帯させる必要はない。R5-37-1
    宅地建物取引業者は、その業務に従事させる者に従業者証明書を携帯させなければならず、その者が宅地建物取引士であり、宅地建物取引士証を携帯していても、従業者証明書を携帯させなければならない。R2⑩-39-2
    宅地建物取引業者は、その業務に従事させる者に従業者証明書を携帯させなければならないが、その者が非常勤の役員や単に一時的に事務の補助をする者である場合には携帯させなくてもよい。R2⑩-39-4
    宅地建物取引業者は、その業務に従事させる者に、従業者証明書を携帯させなければならないが、その者が宅地建物取引士で宅地建物取引士証を携帯していれば、従業者証明書は携帯させなくてもよい。H25-41-4
    宅地建物取引業者は、従業者を業務に従事させる際に、その従業者であることを証する証明書を携帯させなければならないが、当該証明書を携帯させなかった場合でも、業務停止処分を受けることはない。H18-42-2
したがって正しい記述は[1]です。