業務上の規制(全77問中22問目)

No.22

次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
  1. 宅地建物取引業者が、買主として、造成工事完了前の宅地の売買契約を締結しようとする場合、売主が当該造成工事に関し必要な都市計画法第29条第1項の許可を申請中であっても、当該売買契約を締結することができる。
  2. 宅地建物取引業者が、売主として、宅地建物取引業者との間で宅地の売買契約を締結した場合、法第37条の規定により交付すべき書面を交付しなくてよい。
  3. 営業保証金を供託している宅地建物取引業者が、売主として、宅地建物取引業者との間で宅地の売買契約を締結しようとする場合、営業保証金を供託した供託所及びその所在地について、買主に対し説明をしなければならない。
  4. 宅地建物取引業者が、宅地の売却の依頼者と媒介契約を締結した場合、当該宅地の購入の申込みがあったときは、売却の依頼者が宅地建物取引業者であっても、遅滞なく、その旨を当該依頼者に報告しなければならない。
平成30年試験 問28
  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. なし

正解 1

問題難易度
肢164.1%
肢227.9%
肢35.4%
肢42.6%

解説

  1. 誤り。建築基準法の許可や都市計画法の許可を受ける前は売買・交換の契約を締結することができません(貸借は可)。これは、相手方が宅地建物取引業者であっても同様です(宅建業法36条)。
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    宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、当該工事に関し必要とされる都市計画法第二十九条第一項又は第二項の許可、建築基準法第六条第一項の確認その他法令に基づく許可等の処分で政令で定めるものがあつた後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物につき、自ら当事者として、若しくは当事者を代理してその売買若しくは交換の契約を締結し、又はその売買若しくは交換の媒介をしてはならない。
  2. 誤り。取引の相手方が宅地建物取引業者であっても、37条書面の交付は必要です(宅建業法37条)。
    宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買又は交換に関し、自ら当事者として契約を締結したときはその相手方に、当事者を代理して契約を締結したときはその相手方及び代理を依頼した者に、その媒介により契約が成立したときは当該契約の各当事者に、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。
  3. 誤り。宅地建物取引業者は、売買・交換・貸借の契約が成立するまでに、営業保証金を供託しているときは供託所の名称と所在地、保証協会の社員であるときはその旨と保証協会及び供託所の名称・所在地について相手方(宅建業者を除く)に説明しなくてはなりません。本肢のように相手方が宅地建物取引業者である場合、供託所等についての説明は不要です(宅建業法35条の2)。
    なお供託所等の説明は重要事項説明とは別なので、宅地建物取引士が説明しなくても、書面の交付がなくても(口頭でも)OKです。
    宅地建物取引業者は、宅地建物取引業者の相手方等(宅地建物取引業者に該当する者を除く。)に対して、当該売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、当該宅地建物取引業者が第六十四条の二第一項の規定により指定を受けた一般社団法人の社員でないときは第一号に掲げる事項について、当該宅地建物取引業者が同項の規定により指定を受けた一般社団法人の社員であるときは、第六十四条の八第一項の規定により国土交通大臣の指定する弁済業務開始日前においては第一号及び第二号に掲げる事項について、当該弁済業務開始日以後においては第二号に掲げる事項について説明をするようにしなければならない。
  4. 正しい。宅地建物取引業者が媒介契約を締結し、当該物件の購入の申込みがあったときには、遅滞なく、その旨を依頼者に報告しなければいけません(宅建業法34条の2第8項)。これは、相手方が宅地建物取引業者である場合でも同様です。
    媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、当該媒介契約の目的物である宅地又は建物の売買又は交換の申込みがあつたときは、遅滞なく、その旨を依頼者に報告しなければならない。
したがって正しいものは「一つ」です。