37条書面(全40問中3問目)
No.3
宅地建物取引業者Aが宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものはどれか。令和6年試験 問44
- Aは、建築工事完了前の建物の売買契約を媒介したときに、37条書面に記載する当該建物を特定するために必要な表示について、宅地建物取引業法第35条の規定に基づく重要事頭の説明において使用した図書を交付することによって行った。
- Aは、貸主と借主Cとの間で締結された建物の賃貸借契約を媒介したときに、借賃の額、支払時期及び支払方法について定められていたが、BとCの承諾を得たので、37条書面に記載しなかった。
- Aは、宅地建物取引業者Dと宅地建物取引業者Eとの間で締結された宅地の売買契約を媒介したときに、37条書面に当該宅地の引渡しの時期を記載しなかった。
- Aが建物の売買契約を買主として締結した場合に、売主Fに承諾を得たので、37条書面をFに交付しなかった。
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正解 1
問題難易度
肢179.7%
肢24.8%
肢37.2%
肢48.3%
肢24.8%
肢37.2%
肢48.3%
分野
科目:5 - 宅地建物取引業法等細目:8 - 37条書面
解説
- [違反しない]。37条書面には、取引対象となる建物の所在、種類、構造その他当該建物を特定するために必要な表示を記載する必要があります(宅建業法37条1項2号)。この記載は、35条書面で使用したものと同じ図書を交付して行うこととされているので問題ありません(解釈運用-第37条第1項第2号関係)。
当該宅地の所在、地番その他当該宅地を特定するために必要な表示又は当該建物の所在、種類、構造その他当該建物を特定するために必要な表示
宅地建物を特定するために必要な表示について書面で交付する際、工事完了前の建物については、重要事項の説明の時に使用した図書を交付することにより行うものとする。
- 違反する。売買代金や借賃については、①金額、②支払時期、③支払方法が37条書面の必要的記載事項です(宅建業法37条2項2号)。したがって、記載しなければ宅建業法に違反します。敷金や共益費など借賃以外の金銭の授受に関する定めがあるときは、その額並びに当該金銭の授受の時期及び目的(R6-40-イ)損害賠償額の予定又は違約金に関する定めがあるときは、その内容(R6-40-ウ)既存住宅の貸借の媒介を行う宅地建物取引業者は、宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面に建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項を記載しなければならない。(R5-27-4)宅地建物取引業者は、その媒介により建物の貸借の契約を成立させた場合において、借賃以外の金銭の授受に関する定めがあるときは、その額や当該金銭の授受の時期だけでなく、当該金銭の授受の目的についても37条書面に記載し、当該契約の各当事者に交付しなければならない。(R3⑫-26-3)Aは、自ら貸主として、Gと事業用建物の定期賃貸借契約を締結した。この場合において、借賃の支払方法についての定めがあるときは、Aはその内容を37条書面に記載しなければならず、Gに対して当該書面を交付しなければならない。(R3⑫-40-4)借賃以外の金銭の授受に関する定めがあるときは、その額並びに当該金銭の授受の時期及び目的(R3⑫-42-ア)契約の解除に関する定めがあるときは、その内容(R3⑫-42-ウ)天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、その内容(R3⑫-42-エ)Aが媒介により建物の貸借の契約を成立させたときは、37条書面に借賃の額並びにその支払の時期及び方法を記載しなければならず、また、当該書面を契約の各当事者に交付しなければならない。(R2⑩-33-1)Aが媒介により宅地の貸借の契約を成立させた場合において、当該宅地の引渡しの時期について重要事項説明書に記載して説明を行ったときは、その内容を37条書面に記載する必要はない。(R2⑩-33-2)借賃の支払方法が定められていても、貸主及び借主の承諾を得たときは、37条書面に記載しなくてよい。(H28-39-3)宅地建物取引業者でない買主Bが、法第37条の2の規定に基づくクーリング・オフについてAより書面で告げられた日から7日目にクーリング・オフによる契約の解除の書面を発送し、9日目にAに到着した場合は、クーリング・オフによる契約の解除をすることができない。(H27-39-1)借賃の額並びにその支払の時期及び方法(H25-35-ウ)借賃以外の金銭の授受の方法(H25-35-e)宅地建物取引業者は、その媒介により建物の貸借の契約が成立した場合、天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときには、その内容を37条書面に記載しなければならない。(H23-34-3)当該建物が種類若しくは品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任についての定めがあるときは、その内容(H18-37-ア)居住用建物の賃貸借契約において、貸主には代理の宅地建物取引業者Aが、借主には媒介の依頼を受けた宅地建物取引業者Bがおり、Bが契約書面を作成したときは、借主及びAに契約書面を交付すればよい。(H17-40-3)貸主である宅地建物取引業者Cが、宅地建物取引業者Dの媒介により借主と事業用建物の賃貸借契約を締結するに当たって、Dが作成・交付した契約書面に法第37条違反があった。この場合、Dのみが監督処分及び罰則の対象となる。(H17-40-4)建物の賃貸借契約において、宅地建物取引業者(管理業務受託)が貸主代理として借主と契約締結した場合、法第37条に規定する契約が成立したときに交付すべき書面は、借主にのみ交付すれば足りる。(H15-37-2)
- 違反する。物件の引渡し時期は、37条書面の必要的記載事項です(宅建業法37条1項4号)。買主が宅地建物取引業者であっても、37条書面への記載を省略することはできません。宅地の売買における当該宅地の引渡しの時期について、重要事項説明において説明しなければならない。(R5-33-2)Aは、その媒介により借主Dと建物の貸借の契約を成立させた。この際、借賃以外の金銭の授受に関する定めがあるので、その額や当該金銭の授受の時期だけでなく、当該金銭の授受の目的についても37条書面に記載し、Dに交付した。(R4-44-3)宅地建物取引業者は、その媒介により建物の売買の契約を成立させた場合において、当該建物の引渡しの時期又は移転登記の申請の時期のいずれかを37条書面に記載し、当該契約の各当事者に交付しなければならない。(R3⑫-26-1)Aが建物の賃貸借契約を成立させた場合においては、契約の当事者が宅地建物取引業者であっても、37条書面には、引渡しの時期及び賃借権設定登記の申請の時期を記載しなければならない。(R2⑫-35-イ)Aは、買主が宅地建物取引業者であるときは、当該宅地の引渡しの時期及び移転登記の申請の時期を37条書面に記載しなくてもよい。(R2⑩-37-エ)建物の引渡しの時期(H30-34-ウ)Aは、宅地建物取引業者Bと宅地建物取引業者Cの間で締結される宅地の売買契約の媒介においては、37条書面に引渡しの時期を記載しなくてもよい。(H28-42-1)Aが媒介により中古戸建住宅の売買契約を締結させた場合、Aは、引渡しの時期又は移転登記の申請の時期のいずれかを37条書面に記載しなければならず、売主及び買主が宅地建物取引業者であっても、当該書面を交付しなければならない。(H27-38-イ)宅地建物取引業者は、自ら売主として宅地の売買契約を締結した場合は、買主が宅地建物取引業者であっても、37条書面に当該宅地の引渡しの時期を記載しなければならない。(H26-40-ウ)建物の引渡しの時期(H25-35-イ)B及びCが宅地建物取引業者である場合には、37条書面において、引渡しの時期の記載を省略することができる。(H22-37-3)Aは、自ら売主として工事完了前の土地付建物の売買契約を締結するとき、契約書の記載事項のうち、当該物件の引渡時期が確定しないので、その記載を省略した。(H18-41-4)宅地及び建物の引渡しの時期については、特に定めをしなかったため、重要事項説明書にはその旨記載し内容を説明したが、契約書面には記載しなかった。(H13-39-3)
- 違反する。37条書面は、取引の各当事者に交付しなければなりません(宅建業法37条1項)。例外はないので、相手方から承諾を得た場合でも交付を省略することはできません。Aは、37条書面を売買契約成立前に、各当事者に交付しなければならない。(R5-43-2)宅地建物取引業者である売主Aは、宅地建物取引業者であるBの媒介により、宅地建物取引業者ではないCと宅地の売買契約を令和6年4月1日に締結した。AとBが共同で作成した37条書面にBの宅地建物取引士の記名がなされていれば、Aは37条書面にAの宅地建物取引士をして記名をさせる必要はない。(R4-32-1)宅地建物取引業者Fが所有する丙宅地を法人Gに売却する契約を締結したとき、Gが宅地建物取引業者であるか否かにかかわらず、FはGに対し、法第37条の規定に基づく書面を交付しなければならない。(R4-35-4)Aは、自ら売主として宅地建物取引業者ではないBとの間で宅地の売買契約を締結した。この際、当該買主の代理として宅地建物取引業者Cが関与していたことから、37条書面をBに加え、Cにも交付した。(R4-44-1)Aが自ら売主として建物を売却する場合、宅地建物取引業者Bに当該売却の媒介を依頼したときは、Bは宅地建物取引士をして37条書面に記名させなければならず、Aも宅地建物取引士をして37条書面に記名させなければならない。(R3⑩-41-ア)Aが自ら売主として宅地建物取引業者である買主と建物の売買契約を締結した場合、37条書面に宅地建物取引士をして記名させる必要はない。(R2⑩-33-3)宅地建物取引業者が、売主として、宅地建物取引業者との間で宅地の売買契約を締結した場合、法第37条の規定により交付すべき書面を交付しなくてよい。(H30-28-イ)Aは、売主を代理して宅地の売買契約を締結した際、買主にのみ37条書面を交付した。(H29-38-1)宅地建物取引業者Hは、宅地建物取引業者ではない売主Iから中古住宅を購入する契約を締結したが、Iが売主であるためIに37条書面を交付しなかった。(H29-40-4)Aは、自ら売主として、宅地建物取引業者Dの媒介により、宅地建物取引業者Eと宅地の売買契約を締結した。Dが宅地建物取引士をして37条書面に記名させている場合、Aは宅地建物取引士をして当該書面に記名させる必要はない。(H28-42-3)Aは、貸主Fと借主Gの間で締結される建物賃貸借契約について、Fの代理として契約を成立させたときは、FとGに対して37条書面を交付しなければならない。(H28-42-4)Aが自ら貸主として宅地の定期賃貸借契約を締結した場合において、借賃の支払方法についての定めがあるときは、Aは、その内容を37条書面に記載しなければならず、借主が宅地建物取引業者であっても、当該書面を交付しなければならない。(H27-38-ウ)宅地建物取引業者は、37条書面を交付するに当たり、宅地建物取引士をして、その書面に記名の上、その内容を説明させなければならない。(H26-40-イ)A社は、建物の売買に関し、その媒介により契約が成立した場合に、当該売買契約の各当事者のいずれに対しても、37条書面を交付しなければならない。(H25-31-イ)A社は、建物の売買に関し、自ら売主として契約を締結した場合に、その相手方が宅地建物取引業者であれば、37条書面を交付する必要はない。(H25-31-エ)A社は、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主との間で宅地の売買契約を締結した。この際、当該買主の代理として宅地建物取引業者B社が関与していたことから、37条書面を買主に加えてB社へも交付した。(H24-31-1)Aが、宅地建物取引士をして、37条書面に記名させた場合には、37条書面の交付を、宅地建物取引士でないAの代表者や従業員が行ってもよい。(H22-37-1)建物の売買契約において、宅地建物取引業者が売主を代理して買主と契約を締結した場合、当該宅地建物取引業者は、買主にのみ37条書面を交付すれば足りる。(H21-35-2)Aは、宅地建物取引士をして、37条書面を作成させ、かつ当該書面に記名させたが、買主への37条書面の交付は、宅地建物取引士ではないAの従業者に行わせた。(H21-36-1)
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