宅建試験過去問題 令和2年10月試験 問38(改題)
問38
宅地建物取引業者Aが、BからB所有の甲住宅の売却に係る媒介の依頼を受けて締結する一般媒介契約に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。なお、書面の交付には、依頼者の承諾を得て行う電磁的方法による提供を含むものとする。- Aは、法第34条の2第1項の規定に基づき交付すべき書面に、宅地建物取引士をして記名押印させなければならない。
- Aは、甲住宅の価額について意見を述べる場合、Bに対してその根拠を口頭ではなく書面で明示しなければならない。
- Aは、当該媒介契約を締結した場合、指定流通機構に甲住宅の所在等を登録しなければならない。
- Aは、媒介契約の有効期間及び解除に関する事項を、法第34条の2第1項の規定に基づき交付すべき書面に記載しなければならない。
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正解 4
問題難易度
肢18.5%
肢210.2%
肢314.4%
肢466.9%
肢210.2%
肢314.4%
肢466.9%
分野
科目:E - 宅地建物取引業法等細目:6 - 媒介契約
解説
- 誤り。売買・交換の媒介において交付する媒介契約書への記名押印は、宅地建物取引士ではなく、宅地建物取引業者が行うべき事務となっています(宅建業法34条の2第1項)。宅地建物取引士に記名させる必要があるのは、35条書面(重要事項説明書)と37条書面(契約書)に限られます。よって、宅地建物取引士の記名押印でなくても問題ありません。
宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買又は交換の媒介の契約(以下この条において「媒介契約」という。)を締結したときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を作成して記名押印し、依頼者にこれを交付しなければならない。
- 誤り。宅地建物取引業者が、媒介する物件の売買価格・評価額について意見を述べるときは、依頼者に対して根拠を明らかにしなければなりません(宅建業法34条の2第2項)。この根拠の明示方法は口頭でも書面でも良いとされています(解釈運用-第34条の2関係)。よって、書面でしなければならないとする本肢は誤りです。
宅地建物取引業者は、前項第二号の価額又は評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない。
根拠の明示は、口頭でも書面を用いてもよいが、書面を用いるときは、不動産の鑑定評価に関する法律に基づく鑑定評価書でないことを明記するとともに、みだりに他の目的に利用することのないよう依頼者に要請すること。
- 誤り。指定流通機構へ登録しなければならないのは(専属)専任媒介契約の場合です(宅建業法34条の2第5項)。本肢は一般媒介契約に関して問われていますので、指定流通機構への登録は必須ではありません。
宅地建物取引業者は、専任媒介契約を締結したときは、契約の相手方を探索するため、国土交通省令で定める期間内に、当該専任媒介契約の目的物である宅地又は建物につき、所在、規模、形質、売買すべき価額その他国土交通省令で定める事項を、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣が指定する者(以下「指定流通機構」という。)に登録しなければならない。
- [正しい]。媒介契約の有効期間及び解除に関する事項は、媒介契約書への必須記載事項です(宅建業法34条の2第1項5号)。一般媒介契約は有効期間について法律上の定めがありません(3カ月超でもOK)が、だからと言って記載を省略することはできません。国土交通省告示の標準一般媒介契約約款でも以下の条項が含まれています。
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