宅建試験過去問題 平成14年試験 問34(改題)

問34

宅地建物取引業者Aが行う宅地又は建物の売買又は交換の媒介の契約(以下この問において「媒介契約」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。なお、書面の交付には、依頼者の承諾を得て行う電磁的方法による提供を含むものとする。
  1. 法第34条の2に規定する依頼者(以下この問において「依頼者」という。)とは、宅地建物取引業者でない者をいい、同条の規定は、宅地建物取引業者相互間の媒介契約については適用されない。
  2. Aが依頼者と専任媒介契約を締結したときは、Aは法第34条の2に規定する契約内容を記載した書面を依頼者に交付しなければならないが、一般媒介契約を締結したときは、当該書面の交付をしなくてもよい。
  3. 専任媒介契約の有効期間は3月を超えることができず、3月より長い期間を定めたときは、その期間は3月とされるが、当該有効期間は、依頼者の申出があれば、更新の時から3月を超えない範囲で更新してもよい。
  4. Aが依頼者に対して業務の処理状況を20日に1回以上報告することを定めた専任媒介契約が締結された場合であっても、依頼者の同意が得られているのであるから、当該特約は無効とはならない。

正解 3

問題難易度
肢18.9%
肢25.6%
肢381.6%
肢43.9%

解説

  1. 誤り。法第34条の2(売買・交換の媒介契約)の規定は、依頼者が宅地建物取引業者である媒介契約についても適用されます。
  2. 誤り。売買・交換に関する媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、依頼者に対し、媒介契約書を交付しなければなりません。これは、一般・専任・専属専任の別を問いません(宅建業法34条の2第1項)。なお、貸借の媒介の場合は書面の作成と交付の義務がないので注意しましょう。
    宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買又は交換の媒介の契約(以下この条において「媒介契約」という。)を締結したときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を作成して記名押印し、依頼者にこれを交付しなければならない。
    Aが、当該土地付建物の購入の媒介をCから依頼され、Cとの間で一般媒介契約を締結した場合、Aは、買主であるCに対しては、必ずしも法第34条の2第1項の規定に基づく書面を交付しなくともよい。R4-31-4
    AがBとの間で一般媒介契約を締結した場合、AはBに対して、遅滞なく、宅地建物取引業法第34条の2第1項の規定に基づく書面を交付しなければならない。R3⑫-33-ウ
    Aは、法第34条の2第1項の規定に基づき交付すべき書面に、宅地建物取引士をして記名押印させなければならない。R2⑩-38-1
    AがBと一般媒介契約を締結した場合、当該宅地の売買の媒介を担当するAの宅地建物取引士は、法第34条の2第1項に規定する書面に記名押印する必要はない。H28-27-3
    Aは、Bが所有する甲宅地の売却に係る媒介の依頼を受け、Bと専任媒介契約を締結した。このとき、Aは、法第34条の2第1項に規定する書面に記名押印し、Bに交付のうえ、宅地建物取引士をしてその内容を説明させなければならない。H27-28-ア
    Aは、Dが所有する丙宅地の賃借に係る媒介の依頼を受け、Dと専任媒介契約を締結した。このとき、Aは、Dに法第34条の2第1項に規定する書面を交付しなければならない。H27-28-ウ
    AはBが宅地建物取引業者であったので、宅地建物取引業法第34条の2第1項に規定する書面を作成しなかった。H27-30-ア
    AがBとの間で媒介契約を締結した場合、Aは、Bに対して遅滞なく法第34条の2第1項の規定に基づく書面を交付しなければならないが、Bが宅地建物取引業者であるときは、当該書面の交付を省略することができる。H26-32-イ
    A社が宅地建物取引業者C社から当該土地付建物の購入の媒介を依頼され、C社との間で一般媒介契約(専任媒介契約でない媒介契約)を締結した場合、A社は、C社に法第34条の2の規定に基づく書面を交付しなければならない。H24-29-3
    Aは、Bとの間で専任媒介契約を締結したときは、宅地建物取引士に法第34条の2第1項の規定に基づき交付すべき書面の記載内容を確認させた上で、当該宅地建物取引士をして記名押印させなければならない。H22-33-1
    Aは、オフィスビルの所有者Cから賃貸借の媒介を依頼されたが、過去数次にわたってCの物件について賃貸借の媒介をしていたことから、当該依頼に係る媒介契約を締結したとき、Cに対し、書面の作成及び交付を行わなかった。H15-45-3
    AB間で媒介契約が締結されたときは、Aは遅滞なく宅地建物取引業法第34条の2の規定に基づく媒介契約の内容を記載した書面を作成し、記名押印して、Bに交付しなければならない。H13-38-1
    Aは、遅滞なく、宅地建物取引業法第34条の2の規定により依頼者に交付すべき書面を作成し、宅地建物取引士をして記名押印させ、Bに交付しなければならない。H12-36-1
  3. [正しい]。専任媒介契約の有効期間は最長3月です。3月より長い期間を定めたときは3月となります。この有効期間は、依頼者の申出があれば更新の時から3月を超えない範囲で更新することができます(宅建業法34条の2第3項・4項)。
    3 依頼者が他の宅地建物取引業者に重ねて売買又は交換の媒介又は代理を依頼することを禁ずる媒介契約(以下「専任媒介契約」という。)の有効期間は、三月を超えることができない。これより長い期間を定めたときは、その期間は、三月とする。
    4 前項の有効期間は、依頼者の申出により、更新することができる。ただし、更新の時から三月を超えることができない。
  4. 誤り。専任媒介契約の場合は2週間に1回以上、専属専任媒介契約の場合は1週間に1回以上の業務処理状況の報告義務があります(宅建業法34条の2第9項)。専任媒介契約で20日に1回以上報告するという特約は、宅建業法の規定より報告頻度が低いので、依頼者の同意を得たとしても無効となります(宅建業法34条の2第10項)。
    専任媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、前項に定めるもののほか、依頼者に対し、当該専任媒介契約に係る業務の処理状況を二週間に一回以上(依頼者が当該宅地建物取引業者が探索した相手方以外の者と売買又は交換の契約を締結することができない旨の特約を含む専任媒介契約にあつては、一週間に一回以上)報告しなければならない。
    第三項から第六項まで及び前二項の規定に反する特約は、無効とする。
    AはBに対して、契約の相手方を探索するために行った措置など本件媒介契約に係る業務の処理状況を2週間に1回以上報告しなければならない。R4-42-1
    AがBとの間で専任媒介契約を締結した場合、AはBに対して、当該専任媒介契約に係る業務の処理状況を1週間に1回以上報告しなければならない。R3⑫-33-ア
    当該物件に係る買受けの申込みはなかったが、AはBに対し本件契約に係る業務の処理状況の報告を口頭により14日に1回以上の頻度で行った。R3⑩-38-イ
    AがBとの間で専任媒介契約を締結した場合、AはBに対して、当該契約に係る業務の処理状況を1週間に1回以上報告しなければならない。R2⑫-28-イ
    Aは、Bとの間で専属専任媒介契約を締結したときは、Bに対し、当該契約に係る業務の処理状況を1週間に1回以上報告しなければならない。R2⑩-29-エ
    Bが宅地建物取引業者である場合、Aは、当該専任媒介契約に係る業務の処理状況の報告をする必要はない。R1-31-ウ
    Aは、当該契約に係る業務の処理状況の報告日を毎週金曜日とする旨の特約をした。H27-30-エ
    A社がBと専属専任媒介契約を締結した場合、A社は、Bに当該媒介業務の処理状況の報告を電子メールで行うことはできない。H24-29-2
    AがBに対して、当該専任媒介契約に係る業務の処理状況を14日(ただし、Aの休業日は含まない。)に1回報告するという特約は有効である。H21-32-3
    AB間で専属専任媒介契約を締結した場合、AはBに対し、当該契約の業務の処理状況を2週間に1回以上報告しなければならない。H17-36-イ
    媒介契約の締結にあたって、業務処理状況を5日に1回報告するという特約は無効である。H16-39-4
    Aは、Bに対し、当該契約に係る業務の処理状況を2週間に1回以上(専属専任媒介契約にあっては、1週間に1回以上)報告しなければならない。H12-37-4
したがって正しい記述は[3]です。