宅建試験過去問題 平成28年試験 問38(改題)
問38
宅地建物取引士資格登録(以下この問において「登録」という。)又は宅地建物取引士に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
- 宅地建物取引士(甲県知事登録)が、乙県で宅地建物取引業に従事することとなったため乙県知事に登録の移転の申請をしたときは、移転後新たに5年を有効期間とする宅地建物取引士証の交付を受けることができる。
- 宅地建物取引士は、取引の関係者から宅地建物取引士証の提示を求められたときは、宅地建物取引士証を提示しなければならないが、従業者証明書の提示を求められたときは、宅地建物取引業者の代表取締役である宅地建物取引士は、当該証明書がないので提示をしなくてよい。
- 宅地建物取引士が、心身の故障により宅地建物取引士の事務を適正に行うことができない者として国土交通省令で定めるものに該当することになったときは、本人又はその法定代理人若しくは同居の親族は、3月以内に、その旨を登録をしている都道府県知事に届け出なければならない。
- 宅地建物取引士の氏名等が登載されている宅地建物取引士資格登録簿は一般の閲覧に供されることはなく、宅地建物取引業者名簿は一般の閲覧に供されるが専任の宅地建物取引士の氏名は登載されない。
- 一つ
- 二つ
- 三つ
- 四つ
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正解 1
問題難易度
肢177.7%
肢216.8%
肢32.5%
肢43.0%
肢216.8%
肢32.5%
肢43.0%
分野
科目:5 - 宅地建物取引業法等細目:2 - 宅地建物取引士
解説
- 誤り。新たに5年間とはなりません。登録の移転の際に交付される取引士証の有効期間は、従前の取引士証の有効期間と同じになります(宅建業法22条の2第5項)。取引士証には「●年●月●日まで有効」という形で有効期間が記載されていますが、登録の移転をしたときに新たに発行される取引士証の有効期間の日付は、従前の取引士証と同じ日になるということです。
前項に規定する場合において、登録の移転の申請とともに宅地建物取引士証の交付の申請があつたときは、移転後の都道府県知事は、前項の宅地建物取引士証の有効期間が経過するまでの期間を有効期間とする宅地建物取引士証を交付しなければならない。
戊県知事登録の宅地建物取引士が、己県へ登録の移転の申請とともに宅地建物取引士証の交付を申請した場合、己県知事が宅地建物取引士証を交付するときは、戊県で交付された宅地建物取引士証の有効期間が経過するまでの期間を有効期間とする宅地建物取引士証を交付しなければならない。(R4-33-エ)宅地建物取引士(甲県知事登録)が、乙県に所在する宅地建物取引業者の事務所の業務に従事することとなったため、乙県知事に登録の移転の申請とともに宅地建物取引士証の交付の申請をしたときは、乙県知事から、有効期間を5年とする宅地建物取引士証の交付を受けることとなる。(R2⑫-29-2)丙県知事の登録を受けている宅地建物取引士が、丁県知事への登録の移転の申請とともに宅地建物取引士証の交付の申請をした場合は、丁県知事から、移転前の宅地建物取引士証の有効期間が経過するまでの期間を有効期間とする新たな宅地建物取引士証が交付される。(R2⑩-34-4)宅地建物取引業者(甲県知事免許)に勤務する宅地建物取引士(甲県知事登録)が、乙県知事に登録の移転の申請をするとともに宅地建物取引士証の交付の申請をした場合は、乙県知事は、登録後、移転申請前の宅地建物取引士証の有効期間が経過するまでの期間を有効期間とする宅地建物取引士証を交付しなければならない。(H23-29-4) - 誤り。宅地建物取引業者の代表取締役も従業者証明書を携帯すべき従業者に含みます(解釈運用-48条1項関係)。代表取締役も従業者証明書を携帯する必要があり、取引の関係者から従業者証明書の提示を求められた場合は、当該証明書を提示する必要があります(宅建業法48条2項)。
従業者であることを表示する方法は証明書による方法に統一することとする。この従業者証明書を携帯させるべき者の範囲は、代表者(いわゆる社長)を含み、かつ、「法第31条の3第1項で定める従事者の範囲」の定めるところに、非常勤の役員、単に一時的に事務の補助をする者を加えるものとする。
従業者は、取引の関係者の請求があつたときは、前項の証明書を提示しなければならない。
宅地建物取引業者の従業者は、宅地の買受けの申込みをした者から請求があった場合には、その者が宅地建物取引業者であっても、その者に従業者であることを証する証明書を提示する必要がある。(R5-37-3)宅地建物取引業者の従業者である宅地建物取引士は、取引の関係者から事務所で従業者証明書の提示を求められたときは、この証明書に代えて従業者名簿又は宅地建物取引士証を提示することで足りる。(R4-35-1)宅地建物取引業者の従業者は、取引の関係者の請求があったときは、従業者証明書を提示しなければならないが、宅地建物取引士は、重要事項の説明をするときは、請求がなくても説明の相手方に対し、宅地建物取引士証を提示しなければならない。(R1-40-1)宅地建物取引士は、取引の関係者から請求があったときは、従業者証明書を提示しなければならないが、法第35条に規定する重要事項の説明をする際は、宅地建物取引士証の提示が義務付けられているため、宅地建物取引士証の提示をもって、従業者証明書の提示に代えることができる。(H29-37-4)宅地建物取引業者の従業者である宅地建物取引士は、取引の関係者から事務所で従業者証明書の提示を求められたときは、この証明書に代えて従業者名簿又は宅地建物取引士証を提示することで足りる。(H21-43-1)宅地建物取引業者の従業者は、宅地建物取引業者が発行する従業者証明書をその業務に従事する間、常に携帯し、取引の関係者から請求があったときは、従業者証明書を提示しなければならないが、従業者が宅地建物取引士である場合は、取引士証の提示をもってこれに代えることができる。(H19-45-1)宅地建物取引業者の従業者である宅地建物取引士は、取引の関係者から従業者証明書の提示を求められたときは、この証明書に代えて宅地建物取引士証を提示すればよい。(H15-40-2) - 誤り。3月以内ではありません。宅地建物取引士である者が心身の故障により宅地建物取引士の事務を適正に行うことができない者となった場合、その本人又は法定代理人・同居親族は、その日から30日以内にその旨を都道府県知事に届け出ることになっています(宅建業法21条3号)。
【補足】
省令では「精神の機能の障害により宅地建物取引業を適正に営むに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者」を欠格の基準としています(以前はこの部分は成年被後見人若しくは被保佐人とされていました)。法改正により、成年被後見人若しくは被保佐人であっても、契約の締結及びその履行にあたり必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができる能力を有する旨を記載した医師の診断書があれば免許や登録を受けられるようになりました(2019年9月~)。第十八条第一項の登録を受けている者が次の各号のいずれかに該当することとなつた場合においては、当該各号に定める者は、その日(第一号の場合にあつては、その事実を知つた日)から三十日以内に、その旨を当該登録をしている都道府県知事に届け出なければならない。
…
三 第十八条第一項第十二号に該当するに至つた場合 本人又はその法定代理人若しくは同居の親族登録を受けている者が精神の機能の障害により宅地建物取引士の事務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者となった場合、本人がその旨を登録をしている都道府県知事に届け出ることはできない。(R2⑫-43-1)宅地建物取引士が死亡した場合、その相続人は、死亡した日から30日以内に、その旨を当該宅地建物取引士の登録をしている都道府県知事に届け出なければならない。(H30-42-1)登録を受けている者は、登録事項に変更があった場合は変更の登録申請を、また、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者となった場合はその旨の届出を、遅滞なく、登録している都道府県知事に行われなければならない。(H25-44-ア)宅地建物取引士の登録を受けている者が死亡した場合、その相続人は、死亡した日から30日以内に登録をしている都道府県知事に届出をしなければならない。(H21-29-3)宅地建物取引士が、心身の故障により宅地建物取引士の事務を適正に行うことができない者として国土交通省令で定めるものに該当することになったときは、その日から30日以内にその旨を登録している都道府県知事に本人が届け出なければならない。(H20-33-4)Aが破産手続開始の決定を受けて復権を得ないものに該当することとなったときは、破産手続開始の決定を受けた日から30日以内にAの破産管財人が甲県知事にその旨を届け出なければならない。(H15-33-1) - 正しい。宅建士登録簿には、宅建士登録を受けた者の氏名・住所・勤務先等が記載されていますが一般に公開されません。宅建業者名簿は一般に公開されますが、専任の宅地建物取引士の氏名は登載事項にはなっていません(宅建業法8条2項2号)。宅地建物取引士のプライバシーへの配慮から、標識と宅建業者名簿への氏名の記載が不要となりました(2025年4月~)。
国土交通大臣又は都道府県知事は、宅地建物取引業者名簿に、国土交通大臣にあつてはその免許を受けた宅地建物取引業者に関する次に掲げる事項を、都道府県知事にあつてはその免許を受けた宅地建物取引業者及び国土交通大臣の免許を受けた宅地建物取引業者で当該都道府県の区域内に主たる事務所を有するものに関する次に掲げる事項を登載しなければならない。
…
二 第四条第一項各号(第五号を除く。)に掲げる事項宅地建物取引業者A(甲県知事免許)が、新たに宅地建物取引業を営む支店を甲県内に設置した場合、Aはその日から30日以内にその旨を甲県知事に届け出なければならない。(R5-32-1)宅地建物取引業者D(丙県知事免許)が、本店における専任の宅地建物取引士Eの退職に伴い、新たに専任の宅地建物取引士Fを本店に置いた場合、Dはその日から30日以内にその旨を丙県知事に届け出なければならない。(R5-32-3)宅地建物取引士の氏名等が登載されている宅地建物取引士資格登録簿は一般の閲覧に供されることとはされておらず、宅地建物取引業者名簿は一般の閲覧に供されるが、当該名簿に専任の宅地建物取引士の氏名は登載されない。(R3⑫-37-2)宅地建物取引業者の役員の住所に変更があったときは、30日以内に免許権者に変更を届け出なければならない。(R2⑫-31-4)いずれも宅地建物取引士ではないDとEが宅地建物取引業者F社の取締役に就任した。Dが常勤、Eが非常勤である場合、F社はDについてのみ役員の変更を免許権者に届け出る必要がある。(H30-36-4)宅地建物取引業者C社(甲県知事免許)の主たる事務所の専任の宅地建物取引士Dが死亡した場合、当該事務所に従事する者17名に対し、専任の宅地建物取引士4名が設置されていれば、C社が甲県知事に届出をする事項はない。(H24-36-3)宅地建物取引業者A(甲県知事免許)が、乙県の区域内における業務に関し乙県知事から指示処分を受けたときは、甲県に備えられる宅地建物取引業者名簿には、当該指示の年月日及び内容が記載される。(H22-44-3)法人である宅地建物取引業者A(甲県知事免許)は、役員の住所について変更があった場合、その日から30日以内に、その旨を甲県知事に届け出なければならない。(H21-28-1)宅地建物取引業者B(甲県知事免許)は、その事務所において、成年者である宅地建物取引士Cを新たに専任の宅地建物取引士として置いた。この場合、Bは、30日以内に、その旨を甲県知事に届け出なければならない。(H19-30-2)宅地建物取引士ではないCがA社の非常勤の取締役に就任したとき、A社はその旨を甲県知事に届け出る必要はない。(H18-31-2)宅地建物取引業者B社(乙県知事免許)の政令で定める使用人Cが本籍地を変更した場合、B社は、その旨を乙県知事に届け出る必要はない。(H16-32-2)宅地建物取引業者D社(丙県知事免許)の監査役の氏名について変更があった場合、D社は、30日以内にその旨を丙県知事に届け出なければならない。(H16-32-4)A社の専任の宅地建物取引士がBからCに交代した場合、A社は2週間以内に甲県知事に対して、宅地建物取引業者名簿の変更の届出を行わなければならない。(H16-33-3)a支店に専任の宅地建物取引士Cを置き、宅地建物取引業を行う場合、Aは、Cを置いた日から2週間以内に専任の宅地建物取引士の変更の届出を行う必要がある。(H15-32-2)
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