宅建試験過去問題 平成20年試験 問33(改題)

問33

次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
  1. 禁錮以上の刑に処せられた宅地建物取引士は、登録を受けている都道府県知事から登録の消除の処分を受け、その処分の日から5年を経過するまで、宅地建物取引士の登録をすることはできない。
  2. 宅地建物取引士資格試験に合格した者で、宅地建物の取引に関し2年以上の実務経験を有するもの、又は都道府県知事がその実務経験を有するものと同等以上の能力を有すると認めたものは、法第18条第1項の登録を受けることができる。
  3. 甲県知事から宅地建物取引士証(以下この問において「取引士証」という。)の交付を受けている宅地建物取引士は、その住所を変更したときは、遅滞なく、変更の登録の申請をするとともに、取引士証の書換え交付の申請を甲県知事に対してしなければならない。
  4. 宅地建物取引士が、心身の故障により宅地建物取引士の事務を適正に行うことができない者として国土交通省令で定めるものに該当することになったときは、その日から30日以内にその旨を登録している都道府県知事に本人が届け出なければならない。

正解 3

問題難易度
肢122.3%
肢222.6%
肢346.5%
肢48.6%

解説

  1. 誤り。登録消除処分の日から5年ではありません。宅地建物取引士として登録するには、刑の執行を終わり、若しくは執行を受けることがなくなった日から5年を経過することが必要です(宅建業法18条1項6号)。
    禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者
    宅地建物取引士は、禁錮以上の刑に処せられた場合、刑に処せられた日から30日以内に、その旨を宅地建物取引士の登録を受けた都道府県知事に届け出なければならない。R4-29-1
  2. 誤り。宅建士試験に合格した者であり、かつ、宅地建物の取引に関し2年以上の実務の経験を有するもの又は国土交通大臣がその実務経験を有するものと同等以上の能力を有すると認めたものは、登録を受けることができます(宅建業法18条1項)。都道府県知事が認めた者ではありません。
    試験に合格した者で、宅地若しくは建物の取引に関し国土交通省令で定める期間以上の実務の経験を有するもの又は国土交通大臣がその実務の経験を有するものと同等以上の能力を有すると認めたものは、国土交通省令の定めるところにより、当該試験を行つた都道府県知事の登録を受けることができる。ただし、次の各号のいずれかに該当する者については、この限りでない。
    甲県で宅地建物取引士資格試験を受け、合格したFは、乙県に転勤することとなったとしても、登録は甲県知事に申請しなければならない。R3⑩-28-4
    甲県で宅地建物取引士資格試験に合格した後1年以上登録の申請をしていなかった者が宅地建物取引業者(乙県知事免許)に勤務することとなったときは、乙県知事あてに登録の申請をしなければならない。R2⑩-34-1
    宅地建物取引士資格試験に合格した者は、宅地建物取引に関する実務の経験を有しない場合でも、合格した日から1年以内に登録を受けようとするときは、登録実務講習を受講する必要はない。R1-44-4
    宅地建物取引士の登録を受けるには、宅地建物取引士資格試験に合格した者で、2年以上の実務の経験を有するもの又は国土交通大臣がその実務の経験を有するものと同等以上の能力を有すると認めたものであり、法で定める事由に該当しないことが必要である。H29-37-3
    Xは、甲県で行われた宅地建物取引士資格試験に合格した後、乙県に転居した。その後、登録実務講習を修了したので、乙県知事に対し法第18条第1項の登録を申請した。H20-30-1
    宅地建物取引士資格試験に合格した者でも、3年間以上の実務経験を有しなければ、法第18条第1項の登録を受けることができない。H13-31-2
  3. [正しい]。取引士証の交付を受けている者が住所を変更した場合、変更登録申請及び取引士証の書換えを申請する必要があります(宅建業法規則14条の13第1項)。
    ※住所のみの変更の場合、現取引士証への裏書でOKという規定がありますが、これは書換え交付をする者が、交付の代わりに現取引士証への裏書で済ますことができるという主旨です。運転免許証と同様に自分で裏書きするのはNGなので書換え申請は必須です。
    宅地建物取引士は、その氏名又は住所を変更したときは、法第二十条の規定による変更の登録の申請とあわせて、宅地建物取引士証の書換え交付を申請しなければならない。
  4. 誤り。届出者は本人に限られないので誤りです。宅地建物取引士が、心身の故障により宅地建物取引士の事務を適正に行うことができない者となった場合、その本人・法定代理人同居親族は、その日から30日以内にその旨を都道府県知事に届け出ることになっています(宅建業法21条3号)。
    第十八条第一項の登録を受けている者が次の各号のいずれかに該当することとなつた場合においては、当該各号に定める者は、その日(第一号の場合にあつては、その事実を知つた日)から三十日以内に、その旨を当該登録をしている都道府県知事に届け出なければならない。

    三 第十八条第一項第十二号に該当するに至つた場合 本人又はその法定代理人若しくは同居の親族
    登録を受けている者が精神の機能の障害により宅地建物取引士の事務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者となった場合、本人がその旨を登録をしている都道府県知事に届け出ることはできない。R2⑫-43-1
    宅地建物取引士が死亡した場合、その相続人は、死亡した日から30日以内に、その旨を当該宅地建物取引士の登録をしている都道府県知事に届け出なければならない。H30-42-1
    宅地建物取引士が、心身の故障により宅地建物取引士の事務を適正に行うことができない者として国土交通省令で定めるものに該当することになったときは、本人又はその法定代理人若しくは同居の親族は、3月以内に、その旨を登録をしている都道府県知事に届け出なければならない。H28-38-ウ
    登録を受けている者は、登録事項に変更があった場合は変更の登録申請を、また、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者となった場合はその旨の届出を、遅滞なく、登録している都道府県知事に行われなければならない。H25-44-ア
    宅地建物取引士の登録を受けている者が死亡した場合、その相続人は、死亡した日から30日以内に登録をしている都道府県知事に届出をしなければならない。H21-29-3
    Aが破産手続開始の決定を受けて復権を得ないものに該当することとなったときは、破産手続開始の決定を受けた日から30日以内にAの破産管財人が甲県知事にその旨を届け出なければならない。H15-33-1
したがって正しい記述は[3]です。