宅建六法(仮称) - 宅地建物取引業法

1
宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買又は交換の媒介の契約(以下この条において「媒介契約」という。)を締結したときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を作成して記名押印し、依頼者にこれを交付しなければならない。
  1. 一 当該宅地の所在、地番その他当該宅地を特定するために必要な表示又は当該建物の所在、種類、構造その他当該建物を特定するために必要な表示
  2. 二 当該宅地又は建物を売買すべき価額又はその評価額
  3. 三 当該宅地又は建物について、依頼者が他の宅地建物取引業者に重ねて売買又は交換の媒介又は代理を依頼することの許否及びこれを許す場合の他の宅地建物取引業者を明示する義務の存否に関する事項
  4. 四 当該建物が既存の建物であるときは、依頼者に対する建物状況調査(建物の構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分として国土交通省令で定めるもの第37条第1項第2号の二において「建物の構造耐力上主要な部分等」という。)の状況の調査であつて、経年変化その他の建物に生じる事象に関する知識及び能力を有する者として国土交通省令で定める者が実施するものをいう。第35条第1項第6号の二イにおいて同じ。)を実施する者のあつせんに関する事項
  5. 五 媒介契約の有効期間及び解除に関する事項
  6. 六 当該宅地又は建物の第5項に規定する指定流通機構への登録に関する事項
  7. 七 報酬に関する事項
  8. 八 その他国土交通省令・内閣府令で定める事項
2
宅地建物取引業者は、前項第2号の価額又は評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない。
3
依頼者が他の宅地建物取引業者に重ねて売買又は交換の媒介又は代理を依頼することを禁ずる媒介契約(以下「専任媒介契約」という。)の有効期間は、3月を超えることができない。これより長い期間を定めたときは、その期間は、3月とする。
4
前項の有効期間は、依頼者の申出により、更新することができる。ただし、更新の時から3月を超えることができない。
5
宅地建物取引業者は、専任媒介契約を締結したときは、契約の相手方を探索するため、国土交通省令で定める期間内に、当該専任媒介契約の目的物である宅地又は建物につき、所在、規模、形質、売買すべき価額その他国土交通省令で定める事項を、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣が指定する者(以下「指定流通機構」という。)に登録しなければならない。
6
前項の規定による登録をした宅地建物取引業者は、第50条の6に規定する登録を証する書面を遅滞なく依頼者に引き渡さなければならない。
7
前項の宅地建物取引業者は、第5項の規定による登録に係る宅地又は建物の売買又は交換の契約が成立したときは、国土交通省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を当該登録に係る指定流通機構に通知しなければならない。
8
媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、当該媒介契約の目的物である宅地又は建物の売買又は交換の申込みがあつたときは、遅滞なく、その旨を依頼者に報告しなければならない。
9
専任媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、前項に定めるもののほか、依頼者に対し、当該専任媒介契約に係る業務の処理状況を2週間に1回以上(依頼者が当該宅地建物取引業者が探索した相手方以外の者と売買又は交換の契約を締結することができない旨の特約を含む専任媒介契約にあつては、1週間に1回以上)報告しなければならない。
10
第3項から第6項まで及び前2項の規定に反する特約は、無効とする。
11
宅地建物取引業者は、第1項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、依頼者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法をいう。以下同じ。)であつて同項の規定による記名押印に代わる措置を講ずるものとして国土交通省令で定めるものにより提供することができる。この場合において、当該宅地建物取引業者は、当該書面に記名押印し、これを交付したものとみなす。
12
宅地建物取引業者は、第6項の規定による書面の引渡しに代えて、政令で定めるところにより、依頼者の承諾を得て、当該書面において証されるべき事項を電磁的方法であつて国土交通省令で定めるものにより提供することができる。この場合において、当該宅地建物取引業者は、当該書面を引き渡したものとみなす。
施行令
施行規則
解釈運用
第2条の6(法第34条の2第11項の規定による承諾等に関する手続等)
1
法第34条の2第11項の規定による承諾は、宅地建物取引業者が、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、当該承諾に係る依頼者に対し同項の規定による電磁的方法による提供に用いる電磁的方法の種類及び内容を示した上で、当該依頼者から書面又は電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて国土交通省令で定めるもの次項において「書面等」という。)によつて得るものとする。
2
宅地建物取引業者は、前項の承諾を得た場合であつても、当該承諾に係る依頼者から書面等により法第34条の2第11項の規定による電磁的方法による提供を受けない旨の申出があつたときは、当該電磁的方法による提供をしてはならない。ただし、当該申出の後に当該依頼者から再び前項の承諾を得た場合は、この限りでない。
3
前2項の規定は、法第34条の2第12項の規定による承諾について準用する。
第15条の7(建物の構造耐力上主要な部分等)
1
法第34条の2第1項第4号の建物の構造耐力上主要な部分として国土交通省令で定めるものは、住宅の基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材(筋かい、方づえ、火打材その他これらに類するものをいう。)、床版、屋根版又は横架材(はり、けたその他これらに類するものをいう。)で、当該住宅の自重若しくは積載荷重、積雪、風圧、土圧若しくは水圧又は地震その他の震動若しくは衝撃を支えるものとする。
2
法第34条の2第1項第4号の建物の雨水の浸入を防止する部分として国土交通省令で定めるものは、次に掲げるものとする。
  1. 一 住宅の屋根若しくは外壁又はこれらの開口部に設ける戸、わくその他の建具
  2. 二 雨水を排除するため住宅に設ける排水管のうち、当該住宅の屋根若しくは外壁の内部又は屋内にある部分

第15条の8(法第34条の2第1項第4号の国土交通省令で定める者等)
1
法第34条の2第1項第4号の国土交通省令で定める者は、次の各号のいずれにも該当する者とする。
  1. 一 建築士法第2条第1項に規定する建築士(以下「建築士」という。)
  2. 二 国土交通大臣が定める講習を修了した者

第15条の9(媒介契約の書面の記載事項)
1
法第34条の2第1項第8号の国土交通省令・内閣府令で定める事項は、次に掲げるものとする。
  1. 一 専任媒介契約にあつては、依頼者が他の宅地建物取引業者の媒介又は代理によつて売買又は交換の契約を成立させたときの措置
  2. 二 依頼者が売買又は交換の媒介を依頼した宅地建物取引業者が探索した相手方以外の者と売買又は交換の契約を締結することができない旨の特約を含む専任媒介契約次条及び第15条の11において「専属専任媒介契約」という。)にあつては、依頼者が当該相手方以外の者と売買又は交換の契約を締結したときの措置
  3. 三 依頼者が他の宅地建物取引業者に重ねて売買又は交換の媒介又は代理を依頼することを許し、かつ、他の宅地建物取引業者を明示する義務がある媒介契約にあつては、依頼者が明示していない他の宅地建物取引業者の媒介又は代理によつて売買又は交換の契約を成立させたときの措置
  4. 四 当該媒介契約が国土交通大臣が定める標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別

第15条の10(指定流通機構への登録期間)
1
法第34条の2第5項の国土交通省令で定める期間は、専任媒介契約の締結の日から7日(専属専任媒介契約にあつては、5日)とする。

第15条の11(指定流通機構への登録事項)
1
法第34条の2第5項の国土交通省令で定める事項は、次に掲げるものとする。
  1. 一 当該宅地又は建物に係る都市計画法その他の法令に基づく制限で主要なもの
  2. 二 当該宅地又は建物の取引の申込みの受付に関する状況
  3. 三 当該専任媒介契約が宅地又は建物の交換の契約に係るものである場合にあつては、当該宅地又は建物の評価額
  4. 四 当該専任媒介契約が専属専任媒介契約である場合にあつては、その旨

第15条の12(指定流通機構への登録方法)
1
法第34条の2第5項の規定による登録第19条の2の7において「登録」という。)は、当該宅地又は建物の所在地を含む第19条の2の7の規定により国土交通大臣が定める地域を対象として法第50条の3第1項第1号及び第2号に掲げる業務第19条の5第19条の8及び第19条の9において「登録業務」という。)を現に行つている指定流通機構に対して行うものとする。

第15条の13(指定流通機構への通知)
1
法第34条の2第7項の規定による通知は、次に掲げる事項について行うものとする。
  1. 一 登録番号
  2. 二 宅地又は建物の取引価格
  3. 三 売買又は交換の契約の成立した年月日

第15条の14(媒介契約の書面の交付に係る情報通信の技術を利用する方法)
1
法第34条の2第11項の国土交通省令で定める方法は、次に掲げるものとする。
  1. 一 電子情報処理組織を使用する方法のうちイ又はロに掲げるもの
    1. 宅地建物取引業者等(宅地建物取引業者又は法第34条の2第11項に規定する事項の提供を行う宅地建物取引業者との契約によりファイルを自己の管理する電子計算機に備え置き、これを依頼者若しくは当該宅地建物取引業者の用に供する者をいう。以下この条及び次条において同じ。)の使用に係る電子計算機と依頼者等(依頼者又は依頼者との契約により依頼者ファイル(専ら依頼者の用に供されるファイルをいう。以下この条において同じ。)を自己の管理する電子計算機に備え置く者をいう。以下この項において同じ。)の使用に係る電子計算機とを接続する電気通信回線を通じて書面に記載すべき事項(以下この条において「記載事項」という。)を送信し、依頼者等の使用に係る電子計算機に備えられた依頼者ファイルに記録する方法
    2. 宅地建物取引業者等の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された記載事項を電気通信回線を通じて依頼者の閲覧に供し、依頼者等の使用に係る電子計算機に備えられた当該依頼者の依頼者ファイルに当該記載事項を記録する方法
  2. 二 電磁的記録媒体をもつて調製するファイルに記載事項を記録したものを交付する方法

第15条の17(法第34条の2第6項の規定により交付しなければならない書面の交付に係る情報通信の技術を利用する方法)
1
法第34条の2第12項の国土交通省令で定める方法は、次に掲げるものとする。
  1. 一 電子情報処理組織を使用する方法のうちイ又はロに掲げるもの
    1. 宅地建物取引業者等(宅地建物取引業者又は法第34条の2第12項に規定する事項の提供を行う宅地建物取引業者との契約によりファイルを自己の管理する電子計算機に備え置き、これを依頼者若しくは当該宅地建物取引業者の用に供する者をいう。以下この条において同じ。)の使用に係る電子計算機と依頼者等(依頼者又は依頼者との契約により依頼者ファイル(専ら依頼者の用に供されるファイルをいう。以下この条において同じ。)を自己の管理する電子計算機に備え置く者をいう。以下この号において同じ。)の使用に係る電子計算機とを接続する電気通信回線を通じて書面において証されるべき事項(以下この条において「記載事項」という。)を送信し、依頼者等の使用に係る電子計算機に備えられた依頼者ファイルに記録する方法
    2. 宅地建物取引業者等の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された記載事項を電気通信回線を通じて依頼者の閲覧に供し、依頼者等の使用に係る電子計算機に備えられた当該依頼者の依頼者ファイルに当該記載事項を記録する方法
  2. 二 電磁的記録媒体をもつて調製するファイルに記載事項を記録したものを交付する方法

第16条の2の3(法第35条第1項第6号の二ロの国土交通省令で定める書類)
1
法第35条第1項第6号の二ロの国土交通省令で定める書類は、売買又は交換の契約に係る住宅に関する書類で次の各号に掲げるものとする。
  1. 一 建築基準法第6条第1項(同法第87条第1項又は同法第87条の4において準用する場合を含む。)の規定による確認の申請書並びに同法第18条第2項及び第4項(これらの規定を同法第87条第1項又は同法第87条の4において準用する場合を含む。)の規定による計画通知書並びに同法第6条第1項並びに同法第18条第3項及び第4項(これらの規定を同法第87条第1項又は同法第87条の4において準用する場合を含む。)の確認済証
  2. 二 建築基準法第7条第5項並びに同法第18条第22項及び第26項(これらの規定を同法第87条の4において準用する場合を含む。)の検査済証
  3. 三 法第34条の2第1項第4号に規定する建物状況調査の結果についての報告書
  4. 四 既存住宅に係る住宅の品質確保の促進等に関する法律第6条第3項に規定する建設住宅性能評価書
  5. 五 建築基準法施行規則第5条第3項及び同規則第6条第3項に規定する書類
  6. 六 当該住宅が昭和56年5月31日以前に新築の工事に着手したものであるときは、地震に対する安全性に係る建築基準法並びにこれに基づく命令及び条例の規定に適合するもの又はこれに準ずるものであることを確認できる書類で次に掲げるもの
    1. 建築物の耐震改修の促進に関する法律第4条第1項に規定する基本方針のうち同条第2項第3号の技術上の指針となるべき事項に基づいて建築士が行った耐震診断の結果についての報告書
    2. 既存住宅に係る住宅の品質確保の促進等に関する法律第6条第3項の建設住宅性能評価書
    3. 既存住宅の売買に係る特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律第19条第2号の保険契約が締結されていることを証する書類
    4. イからハまでに掲げるもののほか、住宅の耐震性に関する書類

第19条の6(登録を証する書面の発行)
1
法第50条の6の規定による登録を証する書面の発行は、少なくとも次に掲げる事項について行うものとする。
  1. 一 登録番号
  2. 二 登録年月日
  3. 三 法第34条の2第5項の規定により登録された事項
第34条の2関係
1
宅地建物取引業者は、媒介契約の締結に先立ち、媒介業務を依頼しようとする者に対して、不動産取引の全体像や受託しようとする媒介業務の範囲について書面を交付等して説明することが望ましい。この場合、交付する書面等は、別添1を参考とすることが望ましい。宅地建物取引業者は、媒介契約を締結する際には、依頼者に専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の相違点を10分に説明し、依頼者の意思を10分確認した上で、媒介契約を締結するものとする。また、宅地建物取引業者は、媒介契約を締結する際に、売買等の契約当事者の一方からのみ媒介の委託を受けることを依頼者に約した場合には、その旨を媒介契約書に明記すること。
1依頼者への周知について
依頼者への周知については、特に次の点について注意を喚起することとする。
  1. 通常の取引の場合は、国土交通省が作成した「標準媒介契約約款」を活用するのが、適当であること。
  2. 標準媒介契約約款には、専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の三種類の類型があり、その選択は依頼者に委ねられていること。
  3. 媒介業務に対する報酬の額は、告示(昭和45年建設省告示1,552号)で定める限度額の範囲内でなければならないが、この場合、報酬の限度額を当然に請求できるものではなく、具体的な報酬額については、宅地建物取引業者が行おうとする媒介業務の内容等を考慮して、依頼者と協議して決める事項であること。
  4. 宅地建物取引業者が依頼物件を指定流通機構に登録した場合は、当該宅地建物取引業者から指定流通機構が発行する登録済証(以下「登録証明書」という。)の交付を受けることにより登録されたことを確認するとともに、レインズ(指定流通機構が運営する宅地建物取引業者間の物件情報交換システムをいう。以下同じ。)のステータス管理機能を通じて当該依頼物件に係る取引の申込みの受付に関する状況等の最新の登録内容を確認すること。
  5. 依頼者が契約に違反したときは、違約金又は費用の償還の請求を受ける場合もあるので、契約書を良く読み理解しておくべきこと。
2媒介契約の書面化について
  1. 書面化の方法について本条第1項の書面としては、必要事項を記載した契約書を作成して取り交わすこととする。なお、媒介契約の締結に当たっては、依頼者の依頼意思を10分確認することとする。
  2. 書面に記載すべき事項について
    1. 物件を特定するために必要な表示(本条第1項第1号関係)物件の購入又は交換に係る媒介契約において、依頼者が取得を希望する物件が具体的に決まっていない場合には、物件の種類、価額、広さ、間取り、所在地、その他の希望条件を記載することとして差し支えない。
    2. 標準媒介契約約款に基づく契約であるか否かの別(規則第15条の9第4号関係)標準媒介契約約款については、平成2年建設省告示第115号により示されているところであるが、依頼者が1目で標準媒介契約約款であるか否か確認できるよう、契約書の右上すみに次のように表示をすることとする。「この媒介契約は、国土交通省が定めた標準媒介契約約款に基づく契約です。」「この媒介契約は、国土交通省が定めた標準媒介契約約款に基づく契約ではありません。」なお、標準媒介契約約款に基づく契約とは、次のものをいう。イ 標準媒介契約約款として定められた契約書及び契約約款をそのまま使用する契約(特約の欄で依頼者に不利とならない特約をすることは差し支えない。)ロ 標準媒介契約約款として定められた契約書に次の範囲内の条項の追加又は変更を行い、契約書のその他の部分及び契約約款はそのままとして締結する契約(特約の欄で依頼者に不利とならない特約をすることは差し支えない。)(イ) 宅地建物取引業者が契約の相手方を探索するために行う具体的措置(指定流通機構への情報登録、広告等)に関する条項の追加(ロ) 宅地建物取引業者の業務処理状況の依頼者への報告、連絡等に関する条項の追加(ハ)売買等の契約当事者の一方からのみ媒介の委託を受けることを依頼者に約した旨の条項の追加(ニ) 契約書の別表(物件の表示)の軽易な変更なお、(イ)から(ニ)までの場合には、追加した条項をアンダーライン等で明示することとする。
3電磁的方法による提供の場合の承諾について(令第2条の6第1項及び第2項関係)
電磁的方法により本条第1項の書面を提供しようとする場合は、依頼者がこれを確実に受け取ることができるように、用いる電磁的方法(電子メールによる方法、WEBでのダウンロードによる方法、CD-ROMの交付等)やファイルへの記録の方式(使用ソフトウェアの形式やバージョン等)を示した上で、依頼者が承諾したことが記録に残るよう、書面への出力が可能な方法(電子メールによる方法、WEB上で承諾を得る方法、CD-ROMの交付等)又は書面(以下この項において「書面等」という。)で承諾を得るものとする。なお、承諾を得た場合であっても、依頼者から書面等で電磁的方法による提供を受けない旨の申出があった場合には、電磁的方法による提供をしてはならない。ただし、依頼者から再び書面等で承諾を得た場合には、この限りでない。
4電磁的方法による提供の場合に満たすべき基準について(施行規則第15条の14関係)
電磁的方法により本条第1項の書面を提供する場合は、依頼者が書面の状態で確認できるよう、書面に出力可能な形式で提供するとともに、依頼者において、記載事項が改変されていないことを将来において確認できるよう、電子署名等の方法により、記載事項が交付された時点と、将来のある時点において、記載事項が同一であることを確認することができる措置を講じることが必要である。さらに、WEBでのダウンロードによる方法でファイルを提供する場合には、依頼者がこれを確実に受け取ることができるよう、ダウンロードが可能となった後に依頼者にその旨を通知するか、ダウンロードが可能となる前にその旨を予め通知する必要がある。ただし、依頼者においてすでにダウンロードを行っていることが確認できた場合はこの限りではない。
5その他書面の電磁的方法による提供において留意すべき事項
その他、電磁的方法により本条第1項の書面を提供する場合は、以下の事項に留意するものとする。
  1. 電磁的方法により本条第1項の書面を提供しようとすることについて、あらかじめ依頼者から承諾を得る際に、併せて、宅地建物取引業者が利用を予定するソフトウェア等に依頼者のIT環境が対応可能であることを確認すること。
  2. 電磁的方法による提供後、依頼者に到達しているかを確認すること。
  3. 依頼者の端末において、電磁的方法により提供した書面の内容に文字化けや文字欠け、改変などが生じていないかについて、電子書面の提供前に依頼者に確認方法を伝えた上で、確認をするよう依頼すること。
  4. 依頼者に電子書面の保存の必要性や保存方法を説明すること。
6標準媒介契約約款について
  1. 標準媒介契約約款の普及について媒介契約制度の的確な運用を図るため、宅地建物取引業者間の大量取引における販売提携、販売受託等の特殊な事情のあるものを除き、標準媒介契約約款を使用することとする。
  2. 標準媒介契約約款の書式について
    1. 活字日本産業規格Z8305に規定する8ポイント以上の大きさの文字及び数字を用いることとする。ただし、フリガナ等は8ポイント以下でも差し支えない。
    2. フリガナ等その他必要に応じフリガナを付するなど依頼者にとって読みやすいものとすることとする。
  3. 標準媒介契約約款の運用について
    1. 宅地建物取引業者の成約に向けての義務について専属専任媒介契約及び専任媒介契約の依頼を受けた場合には、成約へ向けて積極的に努力するに当たって、具体的に行う措置(指定流通機構への登録のほか、広告、他の宅地建物取引業者との連携等)を依頼者に明示することとする。イ 業務処理状況の報告について報告すべき事項は、宅地建物取引業者が契約の相手方を探索するために行った措置(指定流通機構への依頼物件の登録、広告等)、引き合いの状況等とする。ロ 売買又は交換の申込みがあったときの報告について購入申込書等の売買又は交換の意思が明確に示された文書等による申込みがあったときは、依頼者に対して遅滞なく、その旨を報告することとする。依頼者の希望条件を満たさない申込みの場合等であっても、その都度報告する必要がある。ハ 指定流通機構への依頼物件の登録について「媒介契約締結の日」とは、媒介の契約締結の意思の合致のあった日であって、同日以後に遅滞なく交付することとされている媒介契約に係る書面の交付の日でないことに留意することが必要である。また、契約を締結した当日そのものについては民法上の原則(初日不算入)により、登録期間には含まれない。
    2. 報酬返還請求の理由について標準媒介契約約款においては、代金についてのローンが不成立の場合に購入者に売買契約等の解除権が留保されている例が多いことにかんがみ、この場合で、ローンの不成立が確定し、これを理由として依頼者が売買契約等を解除したときも、宅地建物取引業者は、受領した約定報酬額を返還しなくてはならない。また、買い換えのための売却及び購入の媒介の依頼を受ける宅地建物取引業者は、依頼物件の売却が行われない場合の措置として、売却の媒介契約による売買契約の不成立が確定した際、購入の媒介契約による売買契約の成立により受領した約定報酬があるときは、その全額を依頼者に遅滞なく返還する旨の特約をし、書面化等することが望ましい。
    3. 直接取引について媒介契約の有効期間終了後2年以内に、依頼者が宅地建物取引業者の紹介によって知った相手方と直接取引をした場合には、宅地建物取引業者は契約の成立に寄与した割合に応じた相当額の報酬請求権が認められるものである。
    4. 有効期間について有効期間は、法第34条の2第3項の制限があり、専属専任媒介契約、専任媒介契約についてはそれを確認的に規定したものである。一般媒介契約については、法律上の規制はないが、実情にかんがみ、専任媒介契約等と同じく3月以内で定めている。
    5. 特別の依頼に係る費用について指定流通機構への情報登録はもちろんのこと、通常の広告、物件の調査等のための費用は、宅地建物取引業者の負担となる。また、宅地建物取引業者は依頼者から特別に広告の依頼や遠隔地への出張の依頼を受けたときは、あらかじめ、依頼者に標準媒介契約約款の定めに基づき請求する費用の見積りを説明してから実行すべきである。なお、費用の請求は、成約の有無に関わらずできるものである。
    6. 違約金について違約金は、成約した場合に当該依頼者に請求し得る約定報酬額に相当する額であり、他の顧客からも報酬を受領できる見込みがあったとしても、その分を含めて請求することはできない。
    7. 履行に要した費用について宅地建物取引業者が契約の履行に要した費用を請求するに当たっては、現地調査に要する費用として、交通費、写真代、権利関係等調査に要する費用として、交通費、謄本代、販売活動に要する費用として、新聞・雑誌等の広告費、通信費、現地案内交通費、契約交渉に要する費用として、交通費、その他当該媒介契約の履行のために要した費用として明細書を作成し、領収書等で金額を立証して請求するものとする。
    8. 更新手続について契約の更新には依頼者の申出が必要であるが、この申出は後日の紛争を避けるため文書によって確認することが望ましい(標準媒介契約約款では文書等による申出を更新の要件としている。)。また、更新の申出は、有効期間満了の都度行われるべきもので、あらかじめ更新することを約定することは許されない。なお、依頼者の申出はあっても、宅地建物取引業者が更新に同意しないときは契約は更新されない。
    9. 媒介契約の解除について媒介契約が当事者間の信頼関係によって成立するものであることにかんがみ、宅地建物取引業者に背信行為があった場合は、依頼者による解除が認められているが、特に宅地建物取引業者が宅地建物取引業に関して不正又は著しく不当な行為をしたときは、その行為の相手方が当該依頼者でなくとも解除が認められている。
    10. 特約について約定報酬額を超える違約金を請求する旨の特約等、依頼者に不利な特約は標準媒介契約約款による契約としては認められない。なお、一定の期間中に目的物件の売却ができなかったときは、宅地建物取引業者が媒介価額を下回る価額で買い取る旨の特約は、売主が宅地建物取引業者に安く売ることを義務付けず、売主の希望があれば宅地建物取引業者が買い取るべきことを定めたのみであれば差し支えない。一般媒介契約は、依頼者が重ねて依頼をする他の宅地建物取引業者を明示する義務を負う明示型となっているので、その義務を負わない非明示型とする場合には、その旨特約しなければならない。特約をするに当たっては、「10 特約事項」の欄に「本契約では、約款第4条及び第14条は適用せず、依頼者が乙以外の宅地建物取引業者に重ねて依頼する場合でも、その宅地建物取引業者を明示する義務を負わないものとします。」と記載し、「1 依頼する当社以外の宅地建物取引業者」の欄と「2甲の通知義務」の第1号の箇所を斜線で抹消する等の方法によることとする。
7建物状況調査を実施する者のあっせんについて
宅地建物取引業者は、媒介契約を締結するときは、媒介契約書に「建物状況調査を実施する者のあっせんの有無」について記載することとする。標準媒介契約約款では、媒介契約の目的物件が既存の住宅である場合において、あっせん「無」とするときは、その理由を記入することとしているが、例えば次のような理由を記入することが考えられる。・甲が、建物状況調査を実施する者のあっせんを希望しないため・目的物件の所有者から、建物状況調査の実施の同意が得られないため・既に建物状況調査が実施されているためまた、依頼者が建物状況調査について認識した上で既存住宅の取引を行えるよう、宅地建物取引業者は依頼者に対して、建物状況調査に関して説明を行うことが望ましい。建物状況調査を実施する者のあっせんを行う場合には、あっせん先が既存住宅状況調査技術者講習登録規程(平成29年国土交通省告示第81号)第2条第5項の既存住宅状況調査技術者であることを同規程第5条第2項第2号の既存住宅状況調査技術者講習実施機関のホームページ等において確認した上で行うよう留意すること。また、建物状況調査を実施する者に関する単なる情報提供ではなく、依頼者と建物状況調査を実施する者の間で建物状況調査の実施に向けた具体的なやりとりが行われるように手配することとする。その際、建物状況調査を実施する者は建築士であることから、報酬を得て建物状況調査を行うには、建築士法第23条第1項の規定に基づく建築士事務所登録を受けている必要があることに留意すること。なお、建物状況調査の結果に関する客観性を確保する観点から、売却希望の依頼者及び購入希望の依頼者(交換希望の依頼者を含む。)の同意がある場合を除き、宅地建物取引業者は、自らが取引の媒介を行う場合にあっては、建物状況調査の実施主体となることは適当でない。また、宅地建物取引業者は、購入希望の依頼者(交換により既存住宅を取得しようとする依頼者を含む。)が建物状況調査を実施する場合には、あらかじめ物件所有者の同意が必要であることに留意すること。建物状況調査を実施する者のあっせんは、媒介業務の一環であるため、宅地建物取引業者は、依頼者に対し建物状況調査を実施する者をあっせんした場合において、報酬とは別にあっせんに係る料金を受領することはできない。
8媒介価額に関する意見の根拠の明示義務について
  1. 意見の根拠について意見の根拠としては、価格査定マニュアル(公益財団法人不動産流通推進センターが作成した価格査定マニュアル又はこれに準じた価格査定マニュアル)や、同種の取引事例等他に合理的な説明がつくものであることとする。なお、その他次の点にも留意することとする。
    1. 依頼者に示すべき根拠は、宅地建物取引業者の意見を説明するものであるので、必ずしも依頼者の納得を得ることは要さないが、合理的なものでなければならないこと。
    2. 根拠の明示は、口頭でも書面を用いてもよいが、書面を用いるときは、不動産の鑑定評価に関する法律に基づく鑑定評価書でないことを明記するとともに、みだりに他の目的に利用することのないよう依頼者に要請すること。
    3. 根拠の明示は、法律上の義務であるので、そのために行った価額の査定等に要した費用は、依頼者に請求できないものであること。
  2. 取引事例の取扱いについて媒介価額の評価を行うには豊富な取引事例の収集を行い同種、類似の取引事例を使用することが必要であるが、その場合には取引事例の中に顧客の秘密に関わるものが含まれていることを考慮し、収集及び管理は、次の点に留意し、特に慎重を期することとする。
    1. 取引事例を顧客や他の宅地建物取引業者に提示したり、その収集及び管理を行う指定流通機構に報告する行為は、宅地建物取引業者が法第34条の2第2項の規定による義務を果たすため必要な限度において法第45条及び第75条の3の「正当な理由」があると解されるものであること。
    2. 収集する情報は、価額の査定を行うために必要な成約価額、成約の時期、物件に関する情報とし、取引の当事者の氏名等の情報については、収集をしないこと。
    3. 営利を目的として取引事例の伝達の事業を営むこと及びこれを行う者に取引事例を漏らすことは、「正当な理由」があるとはいえないので、許されないこと。
    4. 宅地建物取引業者は、媒介価額に関する意見の根拠として適当な取引事例について説明する場合には、依頼者にその取引事例をみだりに口外しないよう要請すること。また価格査定マニュアルの評価内容を書面で渡すときはその旨を説明すること。
    5. 売り急ぎ、買い急ぎなど特殊な事情のある取引事例は、収集等の対象としないこと。
9指定流通機構への登録等について
  1. 登録証明書の交付時における説明等について宅地建物取引業者は、指定流通機構に物件を登録したときは、登録証明書を交付する際に、レインズのステータス管理機能を通じて当該物件に係る取引の申込みの受付に関する状況等の最新の登録内容が確認できることに関し、依頼者に対して分かりやすく説明を行うことが望ましい。なお、宅地建物取引業者が専属専任媒介契約及び専任媒介契約に基づき指定流通機構に登録した物件について、当該物件に係る取引の申込みの受付に関する状況等の登録内容が事実と異なるときは、法第65条第1項の指示処分の対象となる。
  2. 成約情報の通知について宅地建物取引業者は、専属専任媒介契約又は専任媒介契約に基づき指定流通機構に登録した物件について契約が成立したときは、法第34条の2第7項及び規則第15条の13の規定により、当該指定流通機構に取引価格を含む成約情報を通知しなければならないこととされているところ、成約情報は、媒介価額の評価を行う際の参考として宅地建物取引業者に提供され、さらに指定流通機構が公表している平均取引価格等の市況情報の基になるものであり、不動産流通の円滑化に極めて重要な役割を果たしている。宅地建物取引業者は、こうした成約情報の通知の重要性や、通知を怠った場合には法第34条の2第7項に違反することとなるという点を10分に認識し、通知義務の履行を徹底すること。また、一般媒介契約の場合も、指定流通機構に登録した物件については、契約が成立した場合において、当該指定流通機構の定める規程等に従い、成約情報を通知すること。
10代理契約について
宅地建物取引業者に宅地又は建物の売買又は交換の代理を依頼する契約については、媒介契約に関する規定が準用されるが、通常の取引の代理契約の場合は、契約の相手方、対象物件、取引価額等が確定した後に、売買契約等の締結に係る代理権の授与を受けることとする。また、代理権の範囲については、具体的に列挙することが望ましい。
11媒介業務以外の不動産取引に関連する業務との関係について
宅地建物取引業者に対しては、媒介業務のみならず、金融機関、司法書士、土壌汚染調査機関等の不動産取引に関連する他の多くの専門家と協働する中で、消費者の意向を踏まえながら、不動産取引について全体的な流れを分かりやすく説明し、適切な助言を行い、総合的に調整する役割が期待されている。また、宅地建物取引業者自らも積極的に媒介業務以外の不動産取引に関連する業務(以下「媒介以外の関連業務」という。)の提供に努めることが期待されている。特に、近年では空き家・空き室等の増加が大きな課題となっているところであり、不動産取引や不動産の利活用の専門家である宅地建物取引業者や宅地建物取引士に対しては、その有するノウハウを活かして、空き家・空き室等の所有者等のニーズに対応し、媒介業務にとどまらない役割を発揮することが強く期待されている。具体的には、次のような業務について、宅地建物取引業者自らが積極的に取り組むことが考えられる。・空き家・空き室等の利活用等に係る課題の整理や、空き家・空き室等の相続等の権利関係への助言、空き家・空き室等の利活用の方針の提案など、媒介業務に先立って、又は媒介業務とは別に、空き家・空き室等の所有者等に対して行われる助言、総合調整等の業務・空き家・空き室等の遠隔地に居住していること等により自ら適切に空き家・空き室等の管理を行うことが困難である等のニーズに対応して、所有者等から受託して行う空き家・空き室等の管理業務そのうえで、宅地建物取引業者自らが媒介以外の関連業務を行う場合には、上記のような業務又はいわゆる不動産コンサルティング業務を行う場合を含め、媒介業務との区分を明確化するため、あらかじめ契約内容を10分に説明して依頼者の理解を得た上で、媒介契約とは別に、業務内容、報酬額等を明らかにした書面等により契約を締結し、成果物がある場合には書面で交付等すること。なお、これらの媒介以外の関連業務について、媒介契約との区分を明確にし、媒介契約とは別に、書面等により締結した契約に基づいて報酬を受けることは、「法第46条第1項関係6」に定めるとおり、法第46条第2項の規定による報酬の制限に違反するものではない。
第34条へ第34条の3へ