宅地建物取引業・免許(全58問中18問目)

No.18

宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
平成30年試験 問36
  1. 宅地建物取引業者Aが免許の更新の申請を行った場合において、免許の有効期間の満了の日までにその申請について処分がなされないときは、Aの従前の免許は、有効期間の満了によりその効力を失う。
  2. 甲県に事務所を設置する宅地建物取引業者B(甲県知事免許)が、乙県所在の宅地の売買の媒介をする場合、Bは国土交通大臣に免許換えの申請をしなければならない。
  3. 宅地建物取引業を営もうとする個人Cが、懲役の刑に処せられ、その刑の執行を終えた日から5年を経過しない場合、Cは免許を受けることができない。
  4. いずれも宅地建物取引士ではないDとEが宅地建物取引業者F社の取締役に就任した。Dが常勤、Eが非常勤である場合、F社はDについてのみ役員の変更を免許権者に届け出る必要がある。

正解 3

問題難易度
肢16.9%
肢25.2%
肢382.9%
肢45.0%

解説

  1. 誤り。適法に免許更新の申請をしたにもかかわらず有効期間満了日までに更新可否の処分がなされないときは、従前の免許は、有効期間満了後もその処分がなされるまでは効力を有します(宅建業法3条4項)。
    例えば、9月30日が有効期間満了日の免許の更新申請をしていて、事務手続きの遅れ等により9月30日までに更新可否の決定がされない場合、10月1日以降も処分が行われるまでは免許は引き続き有効となります。
    前項の免許の更新の申請があつた場合において、第二項の有効期間の満了の日までにその申請について処分がなされないときは、従前の免許は、同項の有効期間の満了後もその処分がなされるまでの間は、なお効力を有する。
    宅地建物取引業者Aが、免許の更新の申請をした場合において、従前の免許の有効期間の満了の日までに、その申請について処分がなされないときは、従前の免許は、有効期間の満了後その効力を失う。R6-38-1
    宅地建物取引業者から免許の更新の申請があった場合において、有効期間の満了の日までにその申請について処分がなされないときは、従前の免許は、有効期間の満了後もその処分がなされるまでの間は、なお効力を有する。R3⑫-29-2
    宅地建物取引業者Aは、免許の更新を申請したが、免許権者である甲県知事の申請に対する処分がなされないまま、免許の有効期間が満了した。この場合、Aは、当該処分がなされるまで、宅地建物取引業を営むことができない。H29-36-1
    宅地建物取引業者Cが、免許の更新の申請をしたにもかかわらず、従前の免許の有効期間の満了の日までに、その申請について処分がなされないときは、従前の免許は、有効期間の満了後もその処分がなされるまでの間は、なおその効力を有する。H21-26-3
  2. 誤り。免許の効力は全国に及びます。よって、甲県知事免許の宅地建物取引業者でも、乙県所在の宅地の売買の媒介をすることができます。
  3. [正しい]。どの法律違反であるかにかかわらず、禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者は、免許を受けることができません(宅建業法5条1項5号)。懲役は禁固より重い刑罰ですから、Cは免許を受けることはできません。
    禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者
    免許を受けようとするE社の役員に、宅地建物取引業法の規定に違反したことにより罰金の刑に処せられた者がいる場合、その刑の執行が終わって5年を経過しなければ、E社は免許を受けることができない。R3⑩-27-4
    免許を受けようとするA社の取締役が刑法第204条(傷害)の罪により懲役1年執行猶予2年の刑に処せられた場合、刑の執行猶予の言渡しを取り消されることなく猶予期間を満了し、その日から5年を経過しなければ、A社は免許を受けることができない。R2⑩-43-1
    C社の政令で定める使用人Dは、刑法第234条(威力業務妨害)の罪により、懲役1年、執行猶予2年の刑に処せられた後、C社を退任し、新たにE社の政令で定める使用人に就任した。この場合においてE社が免許を申請しても、Dの執行猶予期間が満了していなければ、E社は免許を受けることができない。H27-27-2
    免許を受けようとする法人の政令で定める使用人が、覚せい剤取締法違反により懲役刑に処せられ、その刑の執行を終わった日から5年を経過していない場合、当該使用人が取締役に就任していなければ当該法人は免許を受けることができる。H25-43-3
    A社の役員Bは、宅地建物取引業者C社の役員として在籍していたが、その当時、C社の役員Dがかつて禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行が終わった日から5年を経過していないとしてC社は免許を取り消されている。この場合、A社は、C社が免許を取り消されてから5年を経過していなくても、免許を受けることができる。H23-27-1
    法人Cの役員のうちに、刑法第204条(傷害)の罪を犯し懲役1年の刑に処せられ、その刑の執行猶予期間を経過したが、その経過した日から5年を経過しない者がいる場合、Cは、免許を受けることができない。H22-27-3
    免許を受けようとするD社に、刑法第204条(傷害)の罪により懲役1年執行猶予2年の刑に処せられ、その猶予期間が満了している役員がいる場合、その満了の日から5年を経過しなければ、D社は免許を受けることができない。H20-31-4
    A社の取締役が、刑法第211条(業務上過失致死傷等)の罪を犯し、懲役1年執行猶予2年の刑に処せられ、執行猶予期間は満了した。その満了の日から5年を経過していない場合、A社は免許を受けることができない。H18-30-1
    B社の取締役が、刑法第204条(傷害)の罪で懲役1年執行猶予2年の刑に処せられ、猶予期間を満了したが、その満了の日から5年を経過していないので、B社は免許を受けることができない。H16-31-2
  4. 誤り。法人である場合、役員の氏名は宅建業者名簿の記載事項です。DとEはいずれも取締役であるため、Eについても届け出る必要があります(宅建業法8条2項3号)。
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    法人である場合においては、その役員の氏名及び政令で定める使用人があるときは、その者の氏名
    宅地建物取引業者A(甲県知事免許)が、新たに宅地建物取引業を営む支店を甲県内に設置した場合、Aはその日から30日以内にその旨を甲県知事に届け出なければならない。R5-32-1
    宅地建物取引業者D(丙県知事免許)が、本店における専任の宅地建物取引士Eの退職に伴い、新たに専任の宅地建物取引士Fを本店に置いた場合、Dはその日から30日以内にその旨を丙県知事に届け出なければならない。R5-32-3
    宅地建物取引士の氏名等が登載されている宅地建物取引士資格登録簿は一般の閲覧に供されることとはされていないが、専任の宅地建物取引士は、その氏名が宅地建物取引業者名簿に登載され、当該名簿が一般の閲覧に供される。R3⑫-37-2
    宅地建物取引業者の役員の住所に変更があったときは、30日以内に免許権者に変更を届け出なければならない。R2⑫-31-4
    宅地建物取引業者C社(甲県知事免許)の主たる事務所の専任の宅地建物取引士Dが死亡した場合、当該事務所に従事する者17名に対し、専任の宅地建物取引士4名が設置されていれば、C社が甲県知事に届出をする事項はない。H24-36-3
    法人である宅地建物取引業者A(甲県知事免許)は、役員の住所について変更があった場合、その日から30日以内に、その旨を甲県知事に届け出なければならない。H21-28-1
    宅地建物取引士ではないCがA社の非常勤の取締役に就任したとき、A社はその旨を甲県知事に届け出る必要はない。H18-31-2
    宅地建物取引業者B社(乙県知事免許)の政令で定める使用人Cが本籍地を変更した場合、B社は、その旨を乙県知事に届け出る必要はない。H16-32-2
    A社の専任の宅地建物取引士がBからCに交代した場合、A社は2週間以内に甲県知事に対して、宅地建物取引業者名簿の変更の届出を行わなければならない。H16-33-3
    a支店に専任の宅地建物取引士Cを置き、宅地建物取引業を行う場合、Aは、Cを置いた日から2週間以内に専任の宅地建物取引士の変更の届出を行う必要がある。H15-32-2
したがって正しい記述は[3]です。