農地法(全25問中6問目)

No.6

農地に関する次の記述のうち、農地法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
令和元年試験 問21
  1. 耕作目的で原野を農地に転用しようとする場合、法第4条第1項の許可は不要である。
  2. 金融機関からの資金借入れのために農地に抵当権を設定する場合、法第3条第1項の許可が必要である。
  3. 市街化区域内の農地を自家用駐車場に転用する場合、法第4条第1項の許可が必要である。
  4. 砂利採取法による認可を受けた採取計画に従って砂利採取のために農地を一時的に貸し付ける場合、法第5条第1項の許可は不要である。

正解 1

問題難易度
肢159.8%
肢26.5%
肢321.4%
肢412.3%

解説

  1. [正しい]。農地を農地以外にする場合、農地法の許可が必要となってきますが、本肢の場合その逆(農地以外を農地に)であるため4条許可は不要です(農地法4条1項)。
    農地を農地以外のものにする者は、都道府県知事(農地又は採草放牧地の農業上の効率的かつ総合的な利用の確保に関する施策の実施状況を考慮して農林水産大臣が指定する市町村(以下「指定市町村」という。)の区域内にあつては、指定市町村の長。以下「都道府県知事等」という。)の許可を受けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
  2. 誤り。農地法に定める権利移動とは、所有権の移転のほか、地上権、永小作権、質権、使用貸借、賃借権等の使用収益権の設定です。抵当権設定の場合、権利移動には該当しないため3条許可は不要です(農地法3条1項)。
    農地又は採草放牧地について所有権を移転し、又は地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移転する場合には、政令で定めるところにより、当事者が農業委員会の許可を受けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合及び第五条第一項本文に規定する場合は、この限りでない。
  3. 誤り。市街化区域内に所在する農地の転用については、都道府県知事の許可を受けなくてもあらかじめ農業委員会に届け出ることで足ります(農地法4条1項8号)。必ずしも都道府県知事の4条許可を受ける必要はないので、「必要である」としている本肢は誤りです。
    市街化区域(都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第七条第一項の市街化区域と定められた区域(同法第二十三条第一項の規定による協議を要する場合にあつては、当該協議が調つたものに限る。)をいう。)内にある農地を、政令で定めるところによりあらかじめ農業委員会に届け出て、農地以外のものにする場合
  4. 誤り。賃借権の設定と転用なので5条許可の対象となります。一時的な貸付であっても許可は必要であり、砂利採取法による認可を受けた採取計画は法に定める除外要件となっていないので許可が必要です。
したがって正しい記述は[1]です。