宅建試験過去問題 令和3年12月試験 問21
問21
農地に関する次の記述のうち、農地法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。- 自己所有の農地に住宅を建設する資金を借り入れるため、当該農地に抵当権の設定をする場合には、法第3条第1項の許可を受ける必要がある。
- 農地の賃貸借の解除については、農地の所有者が、賃借人に対して一方的に解約の申入れを行う場合には、法第18条第1項の許可を受ける必要がない。
- 登記簿の地目が宅地となっている場合には、現況が農地であっても法の規制の対象とはならない。
- 市街化区域内の自己所有の農地を駐車場に転用するため、あらかじめ農業委員会に届け出た場合には、法第4条第1項の許可を受ける必要がない。
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正解 4
問題難易度
肢18.3%
肢212.7%
肢37.8%
肢471.2%
肢212.7%
肢37.8%
肢471.2%
分野
科目:2 - 法令上の制限細目:4 - 農地法
解説
- 誤り。農地法に定める権利移動とは、所有権の移転のほか、地上権、永小作権、質権、使用貸借、賃借権等の使用収益権の設定です。使用収益権が抵当権設定者に残る抵当権の設定は、権利移動に該当しないので3条許可は不要です(農地法3条1項)。
農地又は採草放牧地について所有権を移転し、又は地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移転する場合には、政令で定めるところにより、当事者が農業委員会の許可を受けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合及び第五条第一項本文に規定する場合は、この限りでない。
遺産分割によって農地を取得する場合には、法第3条第1項の許可は不要であるが、農業委員会への届出が必要である。(R3⑩-21-1)親から子に対して、所有するすべての農地を一括して贈与する場合には、法第3条第1項の許可を受ける必要はない。(R2⑫-21-2)相続により農地を取得することとなった場合には、法第3条第1項の許可を受ける必要がある。(R2⑩-21-3)農地に抵当権を設定する場合には、法第3条第1項の許可を受ける必要がある。(R2⑩-21-4)金融機関からの資金借入れのために農地に抵当権を設定する場合、法第3条第1項の許可が必要である。(R1-21-2)遺産分割により農地を取得することとなった場合、法第3条第1項の許可を受ける必要がある。(H30-22-2)銀行から500万円を借り入れるために農地に抵当権を設定する場合、法第3条第1項又は第5条第1項の許可を受ける必要がある。(H29-15-3)農業者が住宅の改築に必要な資金を銀行から借りるために、自己所有の農地に抵当権を設定する場合には、法第3条第1項の許可を受ける必要はない。(H26-21-3)砂利採取法による認可を受けた砂利採取計画に従って砂利を採取するために農地を一時的に貸し付ける場合には、法第5条第1項の許可を受ける必要はない。(H24-22-4)相続により農地を取得する場合は、法第3条第1項の許可を要しないが、遺産の分割により農地を取得する場合は、同項の許可を受ける必要がある。(H23-22-1)農地を相続した場合、その相続人は、法第3条第1項の許可を受ける必要はないが、遅滞なく、農業委員会にその旨を届け出なければならない。(H22-22-1)農業者が住宅の改築に必要な資金を銀行から借りるため、自己所有の農地に抵当権を設定する場合には、法第3条第1項の許可を受けなければならない。(H21-22-2)建設業者が、農地に復元して返還する条件で、市街化調整区域内の農地を一時的に資材置場として借りる場合は、法第5条第1項の許可を受ける必要がある。(H20-24-2)農業者が自ら居住している住宅の改築に必要な資金を銀行から借りるため、自己所有の農地に抵当権を設定する場合、農地法第3条第1項の許可を受ける必要はない。(H17-25-4)民事調停法による農事調停により農地の所有権を取得する場合には、農地法第3条の許可を受ける必要はない。(H16-24-4)遺産の分割により農地の所有権を取得する場合、農地法第3条の許可を得る必要はない。(H15-23-4)都道府県が、農林水産省令で定める農業振興上の必要性が高いと認められる施設の用に供するために農地を取得する場合には、農地法の許可を受ける必要はない。(H12-25-3) - 誤り。農地の賃貸借契約は、一定の場合を除き、都道府県知事の許可を受けなければ解除することができないというのが法第18条第1項の許可の内容です。解除のみならず、解約の申入れ、合意解約、更新しない旨の通知がこの許可を受ける対象となるので、解約申入れでも都道府県知事の許可が必要です(農地法18条1項)。
農地又は採草放牧地の賃貸借の当事者は、政令で定めるところにより都道府県知事の許可を受けなければ、賃貸借の解除をし、解約の申入れをし、合意による解約をし、又は賃貸借の更新をしない旨の通知をしてはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
- 誤り。農地法上の農地であるかどうかは、登記簿上の地目ではなく、現況で判断します。よって、現に農地として耕作している土地であれば、法の規制対象となる農地となります(農地法2条1項)。山林を開墾し、農地として耕作している土地であっても、土地登記簿上の地目が山林であれば、法の適用を受ける農地に該当しない。(R2⑫-21-1)雑種地を開墾し耕作している土地でも、登記簿上の地目が雑種地である場合は、法の適用を受ける農地に当たらない。(H30-22-4)雑種地を開墾し、現に畑として耕作されている土地であっても、土地登記簿上の地目が雑種地である限り、法の適用を受ける農地には当たらない。(H25-21-2)現況は農地であるが、土地登記簿上の地目が原野である市街化調整区域内の土地を駐車場にするために取得する場合は、法第5条第1項の許可を受ける必要はない。(H20-24-1)山林を開墾し現に水田として耕作している土地であっても、土地登記簿上の地目が山林である限り、法の適用を受ける農地には当たらない。(H18-25-1)現況は農地であるが、土地登記簿上の地目が「山林」である土地を住宅建設の目的で取得する場合には、農地法第5条の許可を要しない。(H13-23-1)
- [正しい]。市街化区域内の農地を農地以外に転用する際には、あらかじめ農業委員会へ届出をすることで、都道府県知事の許可は不要となります(農地法4条1項8号)。市街化区域内の自己の農地を駐車場に転用する場合には、農地転用した後に農業委員会に届け出ればよい。(R2⑩-21-2)耕作目的で原野を農地に転用しようとする場合、法第4条第1項の許可は不要である。(R1-21-1)市街化区域内の農地を自家用駐車場に転用する場合、法第4条第1項の許可が必要である。(R1-21-3)農業者が、市街化調整区域内の耕作しておらず遊休化している自己の農地を、自己の住宅用地に転用する場合、あらかじめ農業委員会へ届出をすれば、法第4条第1項の許可を受ける必要がない。(H28-22-4)市街化区域内の農地を耕作目的で取得する場合には、あらかじめ農業委員会に届け出れば、法第3条1項の許可を受ける必要はない。(H27-22-1)農業者が相続により取得した市街化調整区域内の農地を自己の住宅用地として転用する場合でも、法第4条第1項の許可を受ける必要がある。(H25-21-4)市街化区域内の農地について、あらかじめ農業委員会に届け出てその所有者が自ら駐車場に転用する場合には、法第4条第1項の許可を受ける必要はない。(H24-22-3)市街化調整区域内の農地を宅地に転用する場合は、あらかじめ農業委員会へ届出をすれば、法第4条第1項の許可を受ける必要はない。(H20-24-3)農地の所有者がその土地に住宅を建設する場合で、その土地が市街化区域内にあるとき、必ず農地法第4条の許可を受けなければならない。(H14-23-1)採草放牧地の所有者がその土地に500㎡の農業用施設を建設する場合、農地法第4条の許可を受けなければならない。(H14-23-2)
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