宅建試験過去問題 平成28年試験 問22
問22
農地に関する次の記述のうち、農地法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。- 相続により農地を取得する場合は、法第3条第1項の許可を要しないが、相続人に該当しない者に対する特定遺贈により農地を取得する場合も、同項の許可を受ける必要はない。
- 法第2条第3項の農地所有適格法人の要件を満たしていない株式会社は、耕作目的で農地を借り入れることはできない。
- 法第3条第1項又は法第5条第1項の許可が必要な農地の売買について、これらの許可を受けずに売買契約を締結しても、その所有権の移転の効力は生じない。
- 農業者が、市街化調整区域内の耕作しておらず遊休化している自己の農地を、自己の住宅用地に転用する場合、あらかじめ農業委員会へ届出をすれば、法第4条第1項の許可を受ける必要がない。
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正解 3
問題難易度
肢110.9%
肢25.9%
肢375.7%
肢47.5%
肢25.9%
肢375.7%
肢47.5%
分野
科目:2 - 法令上の制限細目:4 - 農地法
解説
- 誤り。相続により農地を取得した場合には3条許可は不要となりますが、遺贈の場合には、①包括遺贈又は②相続人に対する特定遺贈で取得したときに限り、3条許可が不要となります。本肢は、相続人以外に対する特定遺贈なので許可が必要です(農地法規則15条5号)。相続により農地を取得する場合は、法第3条第1項の許可を要しないが、相続人に該当しない者が特定遺贈により農地を取得する場合は、同項の許可を受ける必要がある。(R5-21-1)
- 誤り。農地所有適格法人以外の法人は、原則として、所有権や地上権など農地を使用収益する権利を取得することはできません。ただし、耕作目的であり、一定の条件を満たせば農地を借り入れることはできます(農地法3条3項)。
- [正しい]。3条許可または5条許可が必要な農地の権利移動について、これらの許可を受けずに契約を締結した場合、その契約の効力は生じません(農地法3条6項農地法5条3項)。売買契約は成立していますが、所有権移転の効力が生じるのは許可を受けた時点になるということです。
第一項の許可を受けないでした行為は、その効力を生じない。
- 誤り。市街化調整区域内の農地を転用する際には都道府県知事の許可が必要です。農業委員会への事前届出により許可不要となるのは、市街化区域内にある農地を農地以外に転用する場合です(農地法4条1項8号)。市街化区域内の自己所有の農地を駐車場に転用するため、あらかじめ農業委員会に届け出た場合には、法第4条第1項の許可を受ける必要がない。(R3⑫-21-4)市街化区域内の自己の農地を駐車場に転用する場合には、農地転用した後に農業委員会に届け出ればよい。(R2⑩-21-2)耕作目的で原野を農地に転用しようとする場合、法第4条第1項の許可は不要である。(R1-21-1)市街化区域内の農地を自家用駐車場に転用する場合、法第4条第1項の許可が必要である。(R1-21-3)市街化区域内の農地を耕作目的で取得する場合には、あらかじめ農業委員会に届け出れば、法第3条1項の許可を受ける必要はない。(H27-22-1)農業者が相続により取得した市街化調整区域内の農地を自己の住宅用地として転用する場合でも、法第4条第1項の許可を受ける必要がある。(H25-21-4)市街化区域内の農地について、あらかじめ農業委員会に届け出てその所有者が自ら駐車場に転用する場合には、法第4条第1項の許可を受ける必要はない。(H24-22-3)市街化調整区域内の農地を宅地に転用する場合は、あらかじめ農業委員会へ届出をすれば、法第4条第1項の許可を受ける必要はない。(H20-24-3)農地の所有者がその土地に住宅を建設する場合で、その土地が市街化区域内にあるとき、必ず農地法第4条の許可を受けなければならない。(H14-23-1)採草放牧地の所有者がその土地に500㎡の農業用施設を建設する場合、農地法第4条の許可を受けなければならない。(H14-23-2)
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