業務上の規制(全77問中43問目)

No.43

宅地建物取引業者A社(国土交通大臣免許)が行う宅地建物取引業者B社(甲県知事免許)を売主とする分譲マンション(100戸)に係る販売代理について、A社が単独で当該マンションの所在する場所の隣地に案内所を設けて売買契約の締結をしようとする場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものの組合せはどれか。なお、当該マンション及び案内所は甲県内に所在するものとする。
  1. A社は、マンションの所在する場所に法第50条第1項の規定に基づく標識を掲げなければならないが、B社は、その必要がない。
  2. A社が設置した案内所について、売主であるB社が法第50条第2項の規定に基づく届出を行う場合、A社は当該届出をする必要がないが、B社による届出書については、A社の商号又は名称及び免許証番号も記載しなければならない。
  3. A社は、成年者である専任の宅地建物取引士を当該案内所に置かなければならないが、B社は、当該案内所に成年者である専任の宅地建物取引士を置く必要がない。
  4. A社は、当該案内所に法第50条第1項の規定に基づく標識を掲げなければならないが、当該標識へは、B社の商号又は名称及び免許証番号も記載しなければならない。
平成24年試験 問42
  1. ア、イ
  2. イ、ウ
  3. ウ、エ
  4. ア、エ

正解 3

問題難易度
肢17.4%
肢218.4%
肢362.4%
肢411.8%

解説

  1. 誤り。マンション等の一団の宅地建物の分譲を行う宅地建物取引業者は、その物件の所在する場所に標識を掲げる必要があります(宅建業法規則19条1項2号)。分譲マンションに標識を掲示しなければならないのは、売主であるB社です。分譲を代理するA社にはその標識の掲示義務はありません。
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  2. 誤り。契約の締結をする案内所ですので、免許権者及び所在地の都道府県知事に届出の必要があります(宅建業法法50条2項)。このとき届出を行うのはB社ではなく案内所を設置するA社です。よって、本肢は誤りです。
    なお、届出書(様式第12号)には売主の宅地建物取引業者の情報を記載する欄があるので、A社はこの欄に売主であるB社の商号・免許証番号等を記載することになります。
    宅地建物取引業者は、国土交通省令の定めるところにより、あらかじめ、第三十一条の三第一項の国土交通省令で定める場所について所在地、業務内容、業務を行う期間及び専任の宅地建物取引士の氏名を免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事及びその所在地を管轄する都道府県知事に届け出なければならない。
  3. 正しい。契約締結・買受けの申込みを受ける案内所に、専任の宅地建物取引士を設置する義務があるのは、当該案内所の設置業者のみです。よって、A社が置くとする本肢は適切です。なお、複数の業者が同一物件を対象とする案内所を共同で設置する場合はどちらかの1人で足ります(解釈運用-第31条の3第1項関係)。
    複数の宅地建物取引業者が設置する案内所について同一の物件について、売主である宅地建物取引業者及び媒介又は代理を行う宅地建物取引業者が同一の場所において業務を行う場合には、いずれかの宅地建物取引業者が専任の宅地建物取引士を1人以上置けば法第31条の3第1項の要件を満たすものとする。
  4. 正しい。他の宅地建物取引業者が行う一団の宅地建物の分譲の代理・媒介を行う案内所には、(代理・媒介)と記載された標識を掲げることになります(宅建業法規則19条1項4号、様式第11号の2)。この標識には、売主(B)である宅地建物取引業者の商号・名称および免許証番号を記載する欄があります。
したがって正しいものの組合せは「ウ、エ」です。