宅建試験過去問題 平成17年試験 問34(改題)

問34

宅地建物取引業者Aが行う広告に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
  1. Aは、宅地又は建物の売買、交換又は貸借に関する広告をするときは、取引態様の別を明示しなければならないが、取引の相手方に対し、取引態様の別が明らかである場合は明示する必要はない。
  2. Aは、宅地造成工事規制区域内における宅地造成工事の許可が必要とされる場合において、当該宅地の売買に関する広告は、宅地造成等規制法第13条に規定する宅地造成工事の完了検査を受けた後でなければしてはならない。
  3. Aは、建物の売買の広告に当たり、当該建物の形質について、実際のものよりも著しく優良であると人を誤認させる表示をした。当該建物に関する注文はなく、取引が成立しなかった場合であっても、Aは監督処分及び罰則の対象となる。
  4. Aは、建物の貸借の媒介に当たり、依頼者の依頼に基づいて広告をした。Aは報酬とは別に、依頼者に対しその広告料金を請求することができない。

正解 3

問題難易度
肢14.4%
肢213.1%
肢378.1%
肢44.4%

解説

  1. 誤り。取引態様の別は、広告に明示するとともに、注文を受けたときに取引の相手方に対して明らかにしなければなりません(宅建業法34条2項)。取引態様の別が明らかである場合であっても省略することはできません。
    宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借に関する注文を受けたときは、遅滞なく、その注文をした者に対し、取引態様の別を明らかにしなければならない。
  2. 誤り。宅地建物取引業者は、工事完了前に宅地・建物の広告を行う場合、建築基準法、都市計画法、その法令に基づく許可があった後でなければ広告をしてはいけません(宅建業法33条)。宅地造成工事については宅地造成等規制法の8条(宅地造成に関する工事の許可)及び12条(変更の許可等)の許可を受けた後と定められています(宅建業法令2条の5第16号)。
    本肢は「完了検査を受けた後」としているので誤りです。
    宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、当該工事に関し必要とされる都市計画法第二十九条第一項又は第二項の許可、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第六条第一項の確認その他法令に基づく許可等の処分で政令で定めるものがあつた後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物の売買その他の業務に関する広告をしてはならない。
    宅地造成等規制法(昭和三十六年法律第百九十一号)第八条第一項本文及び第十二条第一項の許可
  3. [正しい]。宅地建物の広告に当たり、実際のものよりも著しく優良であるような誤認表示を行った場合、監督処分及び罰則の対象となります(宅建業法32条)。そのような広告をした時点で宅建業法違反となるため、実際に取引が成立したかどうかにかかわらず処分対象となります。
    宅地建物取引業者は、その業務に関して広告をするときは、当該広告に係る宅地又は建物の所在、規模、形質若しくは現在若しくは将来の利用の制限、環境若しくは交通その他の利便又は代金、借賃等の対価の額若しくはその支払方法若しくは代金若しくは交換差金に関する金銭の貸借のあつせんについて、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。
  4. 誤り。依頼者の依頼によって行う広告の料金に相当する額については、法定の報酬限度額とは別に料金を受領することができます(報酬告示第9)。
したがって正しい記述は[3]です。