8種制限(全72問中30問目)

No.30

宅地建物取引業者Aが、自ら売主として買主との間で締結する売買契約に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。なお、この問において「保全措置」とは、法第41条に規定する手付金等の保全措置をいうものとする。
平成25年試験 問40
  1. Aは、宅地建物取引業者でない買主Bとの間で建築工事完了前の建物を4,000万円で売却する契約を締結し300万円の手付金を受領する場合、銀行等による連帯保証、保険事業者による保証保険又は指定保管機関による保管により保全措置を講じなければならない。
  2. Aは、宅地建物取引業者Cに販売代理の依頼をし、宅地建物取引業者でない買主Dと建築工事完了前のマンションを3,500万円で売却する契約を締結した。この場合、A又はCのいずれかが保全措置を講ずることにより、Aは、代金の額の5%を超える手付金を受領することができる。
  3. Aは、宅地建物取引業者である買主Eとの間で建築工事完了前の建物を5,000万円で売却する契約を締結した場合、保全措置を講じずに、当該建物の引渡前に500万円を手付金として受領することができる。
  4. Aは、宅地建物取引業者でない買主Fと建築工事完了前のマンションを4,000万円で売却する契約を締結する際、100万円の手付金を受領し、さらに200万円の中間金を受領する場合であっても、手付金が代金の5%以内であれば保全措置を講ずる必要はない。

正解 3

問題難易度
肢117.9%
肢211.3%
肢363.9%
肢46.9%

解説

宅建業者が自ら売主となり、宅建業者でない買主から一定額以上の手付金や中間金等を受け取る場合には保全措置を講じる必要があります。なお、受領しようとする金額(受領済金額を含めた額)が次の表以下の場合には保全措置が不要になります。
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  1. 誤り。未完成物件にかかわる保全措置について認められている方法は、「銀行との保証委託契約」「保険会社との保証保険契約」のいずれかです。「指定保管機関による保管」による保全措置は、完成済物件のみに認められている方法です。
  2. 誤り。手付金等の保全措置は、自ら売主である宅地建物取引業者のみが講じる義務を負います。本肢の場合、保全措置の義務を負うのは売主である宅建業者Aになります。よって、代理業者として取引にかかわる宅建業者Cが保全措置を講じる必要はありません。
  3. [正しい]。宅建業者が自ら売主となる場合の制限は、宅建業者間の取引には適用されないので、買主が宅建業者である本肢では保全措置を講じる必要はありません(宅建業法78条2項)。
  4. 誤り。中間金200万円を受領すると、受領した手付金等の額が300万円になり、完成前物件の基準である代金の5%を超えます。このため、宅地建物取引業者は、手付金との合計300万円について保全措置を講じた後でなければ中間金を受領できません。
したがって正しい記述は[3]です。