媒介契約(全29問中28問目)

No.28

宅地建物取引業者Aが、B所有建物の売買の媒介の依頼を受け、Bと一般媒介契約(専任媒介契約でない媒介契約)を締結した場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、書面の交付には、依頼者の承諾を得て行う電磁的方法による提供を含むものとする。
平成12年試験 問36
  1. Aは、遅滞なく、宅地建物取引業法第34条の2の規定により依頼者に交付すべき書面を作成し、宅地建物取引士をして記名押印させ、Bに交付しなければならない。
  2. 「Bが、A以外の宅地建物取引業者に重ねて売買の媒介の依頼をする際は、Aに通知しなければならない」旨の定めをしたときは、その定めは無効である。
  3. Aが、建物を売買すべき価額について意見を述べる場合に、その根拠を明らかにしなかったとき、Aは、そのことを理由に業務停止の処分を受けることがある。
  4. BがAに対して支払う報酬に関する事項については、必ずしも宅地建物取引業法第34条の2の規定により依頼者に交付すべき書面に記載する必要はない。

正解 3

問題難易度
肢113.4%
肢212.3%
肢367.3%
肢47.0%

解説

  1. 誤り。媒介契約書に必要なのは宅地建物取引業者の記名押印であり、宅地建物取引士の記名押印は必要ありません(宅建業法34条の2第1項)。なお、売買・交換の媒介契約を締結したときは、遅滞なく、第34条の2の規定により依頼者に交付すべき書面(以下、媒介契約書)を作成する必要があるという前半の記述は適切です。
    宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買又は交換の媒介の契約(以下この条において「媒介契約」という。)を締結したときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を作成して記名押印し、依頼者にこれを交付しなければならない。
  2. 誤り。一般媒介契約では、他の業者に重ねて媒介を依頼することのできる契約です。標準媒介契約約款でも規定されているように、一般媒介契約において、他業者への依頼したときに通知する義務を特約で定めることはできます。この特約がある場合、明示型の一般媒介契約という括りになります。
  3. [正しい]。媒介契約で物件の売買価格について宅地建物取引業者が意見を述べる場合は、公的な価格査定マニュアルや同種の取引事例などの合理的根拠を明確に示す必要があります(宅建業法34条の2第2項)。明らかな根拠がなしに意見を述べた場合、宅建業法違反となり、業務停止処分を受けることがあります(宅建業法65条2項2号)。
    宅地建物取引業者は、前項第二号の価額又は評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない。
  4. 誤り。宅地建物取引業者に支払う報酬に関する事項は、媒介契約書に必ず記載しなければならない事項です(宅建業法34条の2第1項7号)。本肢は「記載する必要はない」としているので誤りです。
したがって正しい記述は[3]です。