業務上の規制(全85問中82問目)
No.82
次の行為のうち、宅地建物取引業者がしてはならないこととして、宅地建物取引業法の規定により禁止されているものは、いくつあるか。- 正当な理由なしに、業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らすこと
- 自己の所有に属しない宅地又は建物について、宅地建物取引業法で定める一定の場合を除いて、自ら売主となる売買の予約を締結すること
- 宅地又は建物の貸借の媒介にあたって、その媒介に係る取引の当事者の双方と媒介契約を締結すること
- 宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関して、国土交通大臣の定める額をこえて報酬を受けること
平成13年試験 問45
- 一つ
- 二つ
- 三つ
- 四つ
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正解 3
問題難易度
肢12.0%
肢231.0%
肢358.4%
肢48.6%
肢231.0%
肢358.4%
肢48.6%
分野
科目:5 - 宅地建物取引業法等細目:5 - 業務上の規制
解説
- 禁止されている。宅地建物取引業者には守秘義務がありますので、正当な理由がある場合を除き、業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らすことはできません(宅建業法45条)。
宅地建物取引業者は、正当な理由がある場合でなければ、その業務上取り扱つたことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。宅地建物取引業を営まなくなつた後であつても、また同様とする。
宅地建物取引業者は、業務上取り扱ったことについて知り得た秘密に関し、税務署の職員から質問検査権の規定に基づき質問を受けたときであっても、回答してはならない。(R3⑩-40-4)宅地建物取引業者が、宅地建物取引業を営まなくなった後は、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしても、法に違反しない。(R2⑫-36-2)宅地建物取引業者は、いかなる理由があっても、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。(R1-27-ウ)宅地建物取引業者は、個人情報の保護に関する法律第2条第3項に規定する個人情報取扱事業者に該当しない場合、業務上取り扱った個人情報について、正当な理由なく他に漏らしても、秘密を守る義務(法第45条)に違反しない。(H24-40-イ)Aが、正当な理由なく、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他人に漏らした場合、Aは、甲県知事から業務停止処分を受けることがあるほか、罰則の適用を受けることもある。(H19-36-3)A社は、業務上知り得た秘密について、正当な理由がある場合でなければ他にこれを漏らしてはならないが、A社の従業者aについても、aが専任の宅地建物取引士であるか否かにかかわらず同様に秘密を守る義務を負う。(H16-45-2) - 禁止されている。宅地建物取引業者は、自ら売主として自己の所有に属しない宅地建物の売買契約を締結することは原則としてできません(宅建業法33条の2)。例外的に許されるのは以下の3つのケースなので、こちらもあわせて覚えておきましょう。
- 買主が宅地建物取引業者であるとき
- 他人所有の宅地建物について取得する契約(予約はOK、停止条件付は×)を締結しているなど、取得できることが明らかであるとき
- 未完成物件の売買で保全措置が講じられているとき
宅地建物取引業者は、自己の所有に属しない宅地又は建物について、自ら売主となる売買契約(予約を含む。)を締結してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
宅地建物取引業者Fは、自己の所有に属しない宅地について、自ら売主として、宅地建物取引業者Gと売買契約の予約を締結した。(R3⑫-38-ウ)宅地建物取引業者Hは、農地の所有者Iと建物の敷地に供するため農地法第5条の許可を条件とする売買契約を締結したので、自ら売主として宅地建物取引業者ではない個人JとI所有の農地の売買契約を締結した。(R3⑫-38-エ)宅地建物取引業者は、自己の所有に属しない宅地又は建物についての自ら売主となる売買契約を締結してはならないが、当該売買契約の予約を行うことはできる。(R1-27-ア)Aは、宅地建物取引業者ではないBが所有する宅地について、Bとの間で確定測量図の交付を停止条件とする売買契約を締結した。その後、停止条件が成就する前に、Aは自ら売主として、宅地建物取引業者ではないCとの間で当該宅地の売買契約を締結した。(R1-35-1)Aは、宅地建物取引業者でないCが所有する宅地について、自らを売主、宅地建物取引業者Dを買主とする売買契約を締結することができる。(H28-41-3)Cが建物の所有権を有している場合、AはBとの間で当該建物の売買契約を締結してはならない。ただし、AがCとの間で、すでに当該建物を取得する契約(当該建物を取得する契約の効力の発生に一定の条件が付されている。)を締結している場合は、この限りではない。(H27-34-1)当該宅地が、Aの所有に属しない場合、Aは、当該宅地を取得する契約を締結し、その効力が発生している場合においても、当該宅地の引渡しを受けるまでは、Bとの間で売買契約を締結することができない。(H22-40-4)Aは、自己の所有に属しない建物を売買する場合、Aが当該建物を取得する契約を締結している場合であっても、その契約が停止条件付きであるときは、当該建物の売買契約を締結してはならない。(H19-41-1)宅地建物取引業者Eは、Fの所有する宅地を取得することを停止条件として、宅地建物取引業者Gとの間で自ら売主として当該宅地の売買契約を締結した。(H15-35-4)競売開始決定がなされた自己の所有に属しない宅地について、裁判所による競売の公告がなされた後、入札前に、自ら売主として宅地建物取引業者でない者と当該宅地の売買契約を締結すること(H13-34-エ) - 禁止されていない。貸主借主または売主買主の双方と媒介契約を結ぶこと(「両手媒介」と言われたりします)は禁止されていません。双方の代理人になることは民法108条の双方代理の規定に抵触しますが、媒介は民法上の準委任であり代理ではないからです。
この点について不動産流通推進センターのQ&A事例では以下の見解が掲載されています(一部抜粋)。両手媒介は、「双方代理」の禁止規定に抵触するか。
媒介業務におけるいわゆる両手媒介は、たとえば売主からの依頼により、物件の元付業者となった媒介業者が、みずから買主を見つけ、買主からも媒介の依頼を受けた場合に成り立ち得る。
しかし、この場合の媒介業者は、売主の代理人として行動したり、買主の代理人として行動するわけではなく、また、契約の一方の当事者になるわけでもないので、何ら民法第108条の双方代理や自己契約の禁止規定に抵触するものではない。単に、媒介の受託者として、売主・買主双方に対し、それぞれ公正中立な媒介業務を行うべく「善管注意義務」と「報告義務」などの受託者としての義務を負うに過ぎない(民法第656条、第644条、第645条等)。
https://www.retpc.jp/archives/1613/ - 禁止されている。宅地建物取引業者の報酬額は、国土交通大臣の報酬告示によって定められており、法定の上限額を超えて報酬を受け取ることは禁止されています(宅建業法46条1項・2項)。
宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関して受けることのできる報酬の額は、国土交通大臣の定めるところによる。
2 宅地建物取引業者は、前項の額をこえて報酬を受けてはならない。
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