8種制限(全72問中24問目)
No.24
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bとの間で締結した売買契約に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。- Aは、Bとの間で建築工事完了後の建物に係る売買契約(代金3,000万円)において、「Aが契約の履行に着手するまでは、Bは、売買代金の1割を支払うことで契約の解除ができる。」とする特約を定め、Bから手付金10万円を受領した。この場合、この特約は有効である。
- Aは、Bとの間で建築工事完了前の建物に係る売買契約(代金3,000万円)を締結するに当たり、保険事業者との間において、手付金等について保証保険契約を締結して、手付金300万円を受領し、後日保険証券をBに交付した。
- Aは、Bとの間で建築工事完了前のマンションに係る売買契約(代金3,000万円)を締結し、その際に手付金150万円を、建築工事完了後、引渡し及び所有権の登記までの間に、中間金150万円を受領したが、合計額が代金の10分の1以下であるので保全措置を講じなかった。
平成27年試験 問40
- 一つ
- 二つ
- 三つ
- なし
広告
正解 4
問題難易度
肢129.1%
肢210.5%
肢34.2%
肢456.2%
肢210.5%
肢34.2%
肢456.2%
分野
科目:E - 宅地建物取引業法等細目:9 - 8種制限
解説
- 誤り。宅地建物取引業者が自ら売主となる売買契約で手付を受領したときは、いかなる名目で受け取ったとしても解約手付として使うことができます(宅建業法39条2項)。
つまり、買主Bが契約を解除する場合、手付金である10万円を放棄すればよいことになります。しかし、本肢では売買代金の1割(300万円)を支払わなければ解除できないとしており、宅建業法の規定より買主側に不利な特約となります。よって本特約は無効となります(宅建業法39条3項)。宅地建物取引業者が、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約の締結に際して手付を受領したときは、その手付がいかなる性質のものであつても、買主はその手付を放棄して、当該宅地建物取引業者はその倍額を現実に提供して、契約の解除をすることができる。ただし、その相手方が契約の履行に着手した後は、この限りでない。
前項の規定に反する特約で、買主に不利なものは、無効とする。
- 誤り。「工事完了前の建物」とあるので、対象物件は「未完成物件」に該当します。未完成物件に関する手付金等は、売買代金の5%または1,000万円を超えるとき保全措置が必要となります(宅建業法41条1項)。
売買代金が3,000万円ですので、その5%は150万円になります。よって、それを超える300万円の手付金の受領する本肢のケースでは保全措置が必要です。
本肢は、保険証券の交付時期に誤りがあります。手付金等の受領は「保証保険契約を締結し、かつ、保険証券又はこれに代わるべき書面を買主に交付」した後でなければなりませんが、本肢では受領後に交付しているため不適切です(宅建業法41条1項)。 - 誤り。本肢も未完成物件に関する記述です。そして、本肢における「中間金」は、建築工事完了後、引渡し及び所有権の登記までの間」に受領するものなので「手付金等」に該当します。
手付金と中間金を合計した金額(300万円)が売買代金の5%(150万円)を超えているので保全措置を講じる必要があります。

広告
広告