業務上の規制(全77問中64問目)
No.64
宅地建物取引業者A社の行う業務について、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。平成16年試験 問44
- A社は、自ら建築工事完了前のマンションの売主となるときは、代金の一部が当該物件の売買価格の1/10以下で、かつ、1,000万円以下であれば、保全措置をしなくてもよい。
- A社は、その相手方等に対して契約の目的物である宅地又は建物の将来の環境等について誤解させるべき断定的判断を提供することは禁止されているが、過失によって当該断定的判断を提供してしまった場合でも免責されない。
- A社は、その事務所に従業者名簿を備えることとされているが、取引の関係者から請求があった場合、当該名簿をその者に閲覧させなければならない。
- A社は、その相手方等に対して契約に係る重要な事項について故意に事実を告げない行為は禁止されているが、法人たるA社の代表者が当該禁止行為を行った場合、当該代表者については懲役刑が科されることがあり、またA社に対しても罰金刑が科されることがある。
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正解 1
問題難易度
肢166.8%
肢214.8%
肢39.5%
肢48.9%
肢214.8%
肢39.5%
肢48.9%
分野
科目:E - 宅地建物取引業法等細目:5 - 業務上の規制
解説
- [誤り]。宅地建物取引業者が自ら売主となって未完成物件を売る場合で、保全措置が不要となる手付金等の金額は「売買価格の5%以下かつ1,000万円以下」です。本肢は「1/10=10%以下」としているので誤りです。
- 正しい。本肢のように、取引の相手方等に対して契約の目的物である宅地建物について誤解を生む断定的判断を提供することは禁止されています(宅建業法47条の2第1項)。宅建業法の通達に当たる"解釈運用の考え方"では、「本規定は故意であることを要しない」としており、過失によって当該断定的判断を提供してしまった場合も免責されません(解釈運用-第47条の2第1項関係)。
宅地建物取引業者又はその代理人、使用人その他の従業者(以下この条において「宅地建物取引業者等」という。)は、宅地建物取引業に係る契約の締結の勧誘をするに際し、宅地建物取引業者の相手方等に対し、利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供する行為をしてはならない。
- 正しい。宅地建物取引業者は、事務所ごとに従業者名簿を備える必要があります。また、取引関係者から閲覧の請求があった場合は応じる義務があります(宅建業法48条3項宅建業法48条4項)。
宅地建物取引業者は、国土交通省令で定めるところにより、その事務所ごとに、従業者名簿を備え、従業者の氏名、第一項の証明書の番号その他国土交通省令で定める事項を記載しなければならない。
宅地建物取引業者は、取引の関係者から請求があつたときは、前項の従業者名簿をその者の閲覧に供しなければならない。
- 正しい。重要な事項と知っていながら、その事実を故意に相手方に告げない行為は禁止されています(宅建業法47条1号)。
この規定に違反した者は、2年以下の懲役または300万円以下の罰金に処されます(宅建業法79条の2)。違反した者が所属する法人も1億円以下の罰金刑に処されます(宅建業法84条1号)。宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の契約の締結について勧誘をするに際し、又はその契約の申込みの撤回若しくは解除若しくは宅地建物取引業に関する取引により生じた債権の行使を妨げるため、次のいずれかに該当する事項について、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為
第四十七条の規定に違反して同条第一号に掲げる行為をした者は、二年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
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