農地法(全27問中14問目)
No.14
農地法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。平成25年試験 問21
- 農地の賃貸借について法第3条第1項の許可を得て農地の引渡しを受けても、土地登記簿に登記をしなかった場合、その後、その農地について所有権を取得した第三者に対抗することができない。
- 雑種地を開墾し、現に畑として耕作されている土地であっても、土地登記簿上の地目が雑種地である限り、法の適用を受ける農地には当たらない。
- 国又は都道府県が市街化調整区域内の農地(1ヘクタール)を取得して学校を建設する場合、都道府県知事との協議が成立しても法第5条第1項の許可を受ける必要がある。
- 農業者が相続により取得した市街化調整区域内の農地を自己の住宅用地として転用する場合でも、法第4条第1項の許可を受ける必要がある。
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正解 4
問題難易度
肢115.3%
肢23.9%
肢311.7%
肢469.1%
肢23.9%
肢311.7%
肢469.1%
分野
科目:2 - 法令上の制限細目:4 - 農地法
解説
- 誤り。農地の賃貸借については、登記がなくても農地の引渡しがあれば、その後、その農地について所有権を取得した第三者に対抗することが可能です(農地法16条)。
農地又は採草放牧地の賃貸借は、その登記がなくても、農地又は採草放牧地の引渡があつたときは、これをもつてその後その農地又は採草放牧地について物権を取得した第三者に対抗することができる。
農地の賃貸借及び使用貸借は、その登記がなくても農地の引渡しがあったときは、これをもってその後にその農地について所有権を取得した第三者に対抗することができる。(R4-21-1) - 誤り。農地であるかどうかは現況により判断されます(農地法2条1項)。よって、現に畑として耕作されている土地であれば、登記簿上の地目にかかわらず農地として法の適用を受けます。
この法律で「農地」とは、耕作の目的に供される土地をいい、「採草放牧地」とは、農地以外の土地で、主として耕作又は養畜の事業のための採草又は家畜の放牧の目的に供されるものをいう。
登記簿の地目が宅地となっている場合には、現況が農地であっても法の規制の対象とはならない。(R3⑫-21-3)山林を開墾し、農地として耕作している土地であっても、土地登記簿上の地目が山林であれば、法の適用を受ける農地に該当しない。(R2⑫-21-1)雑種地を開墾し耕作している土地でも、登記簿上の地目が雑種地である場合は、法の適用を受ける農地に当たらない。(H30-22-4)山林を開墾し現に農地として耕作している土地であっても、土地登記簿上の地目が山林であれば、法の適用を受ける農地とはならない。(H26-21-4)現況は農地であるが、土地登記簿上の地目が原野である市街化調整区域内の土地を駐車場にするために取得する場合は、法第5条第1項の許可を受ける必要はない。(H20-24-1)山林を開墾し現に水田として耕作している土地であっても、土地登記簿上の地目が山林である限り、法の適用を受ける農地には当たらない。(H18-25-1)現況は農地であるが、土地登記簿上の地目が「山林」である土地を住宅建設の目的で取得する場合には、農地法第5条の許可を要しない。(H13-23-1) - 誤り。国または都道府県等が転用目的で農地を取得する場合、都道府県知事等との協議の成立をもって許可があったものとみなされます(農地法5条4項)。
国又は都道府県等が、農地を農地以外のものにするため又は採草放牧地を採草放牧地以外のものにするため、これらの土地について第三条第一項本文に掲げる権利を取得しようとする場合(第一項各号のいずれかに該当する場合を除く。)においては、国又は都道府県等と都道府県知事等との協議が成立することをもつて第一項の許可があつたものとみなす。
- [正しい]。相続により農地を取得した場合には、3条許可は必要ありません。しかし、本肢は取得した農地を住宅用地に転用しようとしているので、4条許可を受ける必要があります(農地法4条1項)。市街化区域内の自己所有の農地を駐車場に転用するため、あらかじめ農業委員会に届け出た場合には、法第4条第1項の許可を受ける必要がない。(R3⑫-21-4)市街化区域以外の区域に存する4haを超える農地を転用する場合には、農林水産大臣の許可を受ける必要がある。(R2⑫-21-4)市街化区域内の自己の農地を駐車場に転用する場合には、農地転用した後に農業委員会に届け出ればよい。(R2⑩-21-2)耕作目的で原野を農地に転用しようとする場合、法第4条第1項の許可は不要である。(R1-21-1)市街化区域内の農地を自家用駐車場に転用する場合、法第4条第1項の許可が必要である。(R1-21-3)市街化区域内の農地を耕作のために借り入れる場合、あらかじめ農業委員会に届出をすれば、法第3条第1項の許可を受ける必要はない。(H29-15-1)市街化調整区域内の4ヘクタールを超える農地について、これを転用するために所有権を取得する場合、農林水産大臣の許可を受ける必要がある。(H29-15-2)農業者が、市街化調整区域内の耕作しておらず遊休化している自己の農地を、自己の住宅用地に転用する場合、あらかじめ農業委員会へ届出をすれば、法第4条第1項の許可を受ける必要がない。(H28-22-4)市街化区域内の農地を耕作目的で取得する場合には、あらかじめ農業委員会に届け出れば、法第3条1項の許可を受ける必要はない。(H27-22-1)農業者が自己所有の市街化区域外の農地に賃貸住宅を建設するため転用する場合は、法第4条1項の許可を受ける必要はない。(H27-22-2)農業者が自己所有の市街化区域外の農地に自己の居住用の住宅を建設するため転用する場合は、法第4条1項の許可を受ける必要はない。(H27-22-3)市街化区域内の農地について、あらかじめ農業委員会に届け出てその所有者が自ら駐車場に転用する場合には、法第4条第1項の許可を受ける必要はない。(H24-22-3)市街化調整区域内の農地を宅地に転用する場合は、あらかじめ農業委員会へ届出をすれば、法第4条第1項の許可を受ける必要はない。(H20-24-3)市街化調整区域内の山林の所有者が、その土地を開墾し果樹園として利用した後に、その果樹園を山林に戻す目的で、杉の苗を楠える場合には、農地法第4条の許可を受ける必要がある。(H16-24-2)農地の所有者がその土地に住宅を建設する場合で、その土地が市街化区域内にあるとき、必ず農地法第4条の許可を受けなければならない。(H14-23-1)採草放牧地の所有者がその土地に500㎡の農業用施設を建設する場合、農地法第4条の許可を受けなければならない。(H14-23-2)
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