宅建試験過去問題 令和3年10月試験 問46

問46

独立行政法人住宅金融支援機構(以下この問において「機構」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. 機構は、証券化支援事業(買取型)において、賃貸住宅の購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権を譲受けの対象としている。
  2. 機構は、市街地の土地の合理的な利用に寄与する一定の建築物の建設に必要な資金の貸付けを業務として行っている。
  3. 機構は、証券化支援事業(買取型)において、省エネルギー性に優れた住宅を取得する場合について、貸付金の利率を一定期間引き下げる制度を設けている。
  4. 機構は、経済事情の変動に伴い、貸付けを受けた者の住宅ローンの元利金の支払が著しく困難になった場合に、償還期間の延長等の貸付条件の変更を行っている。

正解 1

問題難易度
肢160.1%
肢220.0%
肢311.1%
肢48.8%

解説

  1. [誤り]。証券化支援事業(買取型)において譲受けの対象となるには、次のいずれかを行う者に対する貸付債権です(機構法13条1項1号)。
    1. 自己又は親族が居住する住宅の建設・購入(それに付随する土地・借地権の取得、住宅の改良を含む)
    2. 高齢者が自ら所有する住宅の改良(居住性能又は居住環境の確保又は向上を主たる目的として行うものに限る)
    3. 登録を受けたサービス付き高齢者向け住宅への入居に係る家賃の全部又は一部の支払い(登録住宅前払金貸付け)
    建設又は購入する住宅は、自己又は親族が居住するものでなければなりません。すなわち、賃貸住宅の建設・購入に係る貸付債権は、証券化支援事業(買取型)の対象外となります(機構業務方法書3条1項1号)。
    住宅の建設若しくは購入又は改良(高齢者その他の居住の安定の確保を図ることが特に必要と認められる者として主務省令で定める者が居住性能又は居住環境の確保又は向上を主たる目的として行うものに限る。以下この号において同じ。)に必要な資金(当該住宅の建設若しくは購入又は改良に付随する行為で政令で定めるものに必要な資金を含む。)の貸付けに係る主務省令で定める金融機関の貸付債権の譲受けを行うこと。
    自ら居住する住宅又は自ら居住する住宅以外の親族の居住の用に供する住宅を建設し、又は購入する者に対する貸付けに係るものであること。
    証券化支援業務(買取型)において、機構による譲受けの対象となる住宅の購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権には、当該住宅の購入に付随する当該住宅の改良に必要な資金は含まれない。R6-46-1
    機構は、証券化支援事業(買取型)において、新築住宅に対する貸付債権のみを買取りの対象としている。R5-46-2
    機構は、住宅の建設又は購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権の譲受けを業務として行っているが、当該住宅の建設又は購入に付随する土地又は借地権の取得に必要な資金については、譲受けの対象としていない。R4-46-1
    機構が証券化支援事業(買取型)により譲り受ける住宅の建設若しくは購入に係る貸付債権は、自ら居住する住宅又は自ら居住する住宅以外の親族の居住の用に供する住宅を建設し、又は購入する者に対する貸付けに係るものでなければならない。R3⑫-46-3
    証券化支援業務(買取型)において、機構による譲受けの対象となる住宅の購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権には、当該住宅の購入に付随する改良に必要な資金は含まれない。R2⑫-46-4
    機構は、証券化支援事業(買取型)において、賃貸住宅の建設又は購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権については譲受けの対象としていない。R2⑩-46-3
    機構は、証券化支援事業(買取型)において、中古住宅を購入するための貸付債権を買取りの対象としていない。R1-46-1
    機構は、住宅の建設又は購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権の譲受けを業務として行っているが、当該住宅の建設又は購入に付随する土地又は借地権の取得に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権については、譲受けの対象としていない。H30-46-1
    証券化支援業務(買取型)において、機構による譲受けの対象となる住宅の購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権には、当該住宅の購入に付随する改良に必要な資金も含まれる。H29-46-4
    機構は、証券化支援事業(買取型)において、債務者又は債務者の親族が居住する住宅のみならず、賃貸住宅の建設又は購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権についても譲受けの対象としている。H28-46-2
    機構は、証券化支援事業(買取型)において、住宅の改良に必要な資金の貸付けに係る貸付債権について譲受けの対象としていない。H26-46-2
    機構は、住宅の建設又は購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権の譲受けを業務として行っているが、当該住宅の建設又は購入に付随する土地又は借地権の取得に必要な資金の貸付けに係る貸付債権については、譲受けの対象としていない。H25-46-1
    機構は、証券化支援事業(買取型)において、住宅の建設や新築住宅の購入に係る貸付債権のほか、中古住宅を購入するための貸付債権も買取りの対象としている。H24-46-4
    証券化支援事業(買取型)において、機構による買取りの対象となる貸付債権には、中古住宅の購入のための貸付債権も含まれる。H22-46-1
  2. 正しい。機構は、合理的土地利用建築物(市街地の土地の合理的な利用に寄与する一定の建築物で相当の住宅部分を有するもの)の建設若しくは新築の合理的土地利用建築物の取得の購入に必要な資金の貸付けを行っています(機構法13条1項7号)。まちづくり融資がこれに該当します。
    合理的土地利用建築物の建設若しくは合理的土地利用建築物で人の居住の用その他その本来の用途に供したことのないものの購入に必要な資金(当該合理的土地利用建築物の建設又は購入に付随する行為で政令で定めるものに必要な資金を含む。)又はマンションの共用部分の改良に必要な資金の貸付けを行うこと。
    機構は、マンション管理組合や区分所有者に対するマンション共用部分の改良に必要な資金の貸付けを業務として行っている。R5-46-4
    機構は、マンション管理組合や区分所有者に対するマンション共用部分の改良に必要な資金の貸付けを業務として行っている。R3⑫-46-4
    機構は、マンション管理組合や区分所有者に対するマンション共用部分の改良に必要な資金の貸付けを業務として行っている。R1-46-3
    機構は、マンション管理組合や区分所有者に対するマンション共用部分の改良に必要な資金の貸付けを業務として行っている。H28-46-4
    機構は、市街地の土地の合理的な利用に寄与する一定の建築物の建設に必要な資金の貸付けを業務として行っている。H26-46-4
  3. 正しい。機構は、証券化支援事業(買取型)において、バリアフリー性、省エネルギー性、耐震性、耐久性・可変性のいずれかについて優れた性能を有する住宅を取得する場合に、貸付金の利率を一定期間引き下げる制度を実施しています(機構法令6条)。「フラット35S」という制度です。
    機構は、証券化支援事業(買取型)において、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)及び省エネルギー性、耐震性、バリアフリー性、耐久性・可変性に優れた住宅を取得する場合に、貸付金の利率を一定期間引き下げる制度を実施している。R5-46-3
    機構は、証券化支援事業(買取型)において、バリアフリー性、省エネルギー性、耐震性又は耐久性・可変性に優れた住宅を取得する場合に、貸付金の利率を一定期間引き下げる制度を実施している。R1-46-2
    機構は、証券化支援事業(買取型)において、バリアフリー性、省エネルギー性、耐震性、耐久性・可変性に優れた住宅を取得する場合に、貸付金の利率を一定期間引き下げる制度を実施している。H28-46-3
    機構は、バリアフリー性、省エネルギー性、耐震性、耐久性・可変性に優れた住宅において、優良住宅取得支援制度を設けている。H23-46-1
  4. 正しい。機構は、経済情勢の著しい変動や債務者の収入等の変化に伴い、住宅ローンの元利金の支払いが著しく困難となった場合に、①償還期間の延長、②一定期間の返済額の軽減、③ボーナス返済の見直しなどの変更を受け付けています。他にも債務者の希望に応じて、返済期間の延長・短縮、毎月払いとボーナス払いの組合せ、元利均等返済と元金均等返済の別といった条件面を変更することができます(機構業務方法書26条)。
    財形住宅貸付けを受けた者が、第19条第2項第1号イに規定する災害その他特殊な事由として機構が定める事由により、元利金の支払が著しく困難となった場合においては、機構が定めるところにより貸付けの条件の変更又は延滞元利金の支払方法の変更をすることができる。
    2 前項に定めるもののほか、貸付けを受けた者に係る貸付けの条件の変更及び延滞元利金の支払方法の変更については、機構が別に定める。
    機構は、経済情勢の著しい変動に伴い、住宅ローンの元利金の支払いが著しく困難となった場合に、償還期間の延長等の貸付条件の変更を行っている。H23-46-4
    機構は、貸付けを受けた者が経済事情の著しい変動に伴い、元利金の支払いが著しく困難となった場合には、一定の貸付条件の変更又は支払方法の変更をすることができる。H21-46-3
    機構は、貸付けを受けた者が景況の悪化や消費者物価の上昇により元利金の支払が困難になった場合には、元利金の支払の免除をすることができる。H20-46-4
したがって誤っている記述は[1]です。