宅建試験過去問題 平成23年試験 問46

問46

独立行政法人住宅金融支援機構(以下この問において「機構」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. 機構は、バリアフリー性、省エネルギー性、耐震性、耐久性・可変性に優れた住宅において、優良住宅取得支援制度を設けている。
  2. 機構は、証券化支援事業(保証型)において、高齢者が自ら居住する住宅に対してバリアフリー工事又は耐震改修工事を行う場合に、債務者本人の死亡時に一括して借入金の元金を返済する制度を設けている。
  3. 機構は、証券化支援事業(買取型)において、民間金融機関が貸付ける長期・固定金利の住宅ローン債権を買取りの対象としている。
  4. 機構は、経済情勢の著しい変動に伴い、住宅ローンの元利金の支払いが著しく困難となった場合に、償還期間の延長等の貸付条件の変更を行っている。

正解 2

問題難易度
肢110.7%
肢265.1%
肢315.4%
肢48.8%

解説

  1. 正しい。機構は、証券化支援事業(買取型)において、バリアフリー性、省エネルギー性、耐震性、耐久性・可変性のいずれかについて優れた性能を有する住宅を取得する場合に、貸付金の利率を一定期間引き下げる制度を実施しています。「フラット35S」という制度です(機構法令6条)。
    機構は、証券化支援事業(買取型)において、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)及び省エネルギー性、耐震性、バリアフリー性、耐久性・可変性に優れた住宅を取得する場合に、貸付金の利率を一定期間引き下げる制度を実施している。R5-46-3
    機構は、証券化支援事業(買取型)において、省エネルギー性に優れた住宅を取得する場合について、貸付金の利率を一定期間引き下げる制度を設けている。R3⑩-46-3
    機構は、証券化支援事業(買取型)において、バリアフリー性、省エネルギー性、耐震性又は耐久性・可変性に優れた住宅を取得する場合に、貸付金の利率を一定期間引き下げる制度を実施している。R1-46-2
    機構は、証券化支援事業(買取型)において、バリアフリー性、省エネルギー性、耐震性、耐久性・可変性に優れた住宅を取得する場合に、貸付金の利率を一定期間引き下げる制度を実施している。H28-46-3
  2. [誤り]。機構は、直接融資業務の一つとして、高齢者の方がバリアフリー工事を行う場合やマンションの建替え事業の住宅を購入する場合などに、亡くなるまでは利息のみの支払いで毎月の返済負担を抑え、死亡時に一括して借入金の元金を返済する制度を設けています。これを「高齢者向け返済特例制度」といいます。しかし、証券化支援事業(買取型・保証型)においては、このような制度を設けていません。
  3. 正しい。証券化支援事業(買取型)で債権買取りの対象となるのは、民間金融機関が貸し付ける長期・固定金利の住宅ローン債権のうち一定の要件を満たしたものです(機構業務方法書3条)。
    証券化支援事業(買取型)において、機構による譲受けの対象となる貸付債権の償還方法には、元利均等の方法であるものに加え、元金均等の方法であるものもある。R4-46-3
    機構が証券化支援事業(買取型)により譲り受ける貸付債権は、自ら居住する住宅又は自ら居住する住宅以外の親族の居住の用に供する住宅を建設し、又は購入する者に対する貸付けに係るものでなければならない。R3⑫-46-3
    機構は、証券化支援事業(買取型)において、賃貸住宅の購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権を譲受けの対象としている。R3⑩-46-1
    証券化支援事業(買取型)における民間金融機関の住宅ローン金利は、金融機関によって異なる場合がある。R2⑫-46-2
    機構は、証券化支援事業(買取型)において、賃貸住宅の建設又は購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権については譲受けの対象としていない。R2⑩-46-3
    機構は、証券化支援事業(買取型)において、債務者又は債務者の親族が居住する住宅のみならず、賃貸住宅の建設又は購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権についても譲受けの対象としている。H28-46-2
    証券化支援事業(買取型)において、機構による譲受けの対象となる貸付債権は、償還方法が毎月払いの元利均等の方法であるものに加え、毎月払いの元金均等の方法であるものもある。H27-46-2
    機構が証券化支援事業(買取型)により譲り受ける貸付債権は、自ら居住する住宅又は自ら居住する住宅以外の親族の居住の用に供する住宅を建設し、又は購入する者に対する貸付けに係るものでなければならない。H25-46-4
    証券化支援事業(買取型)における民間金融機関の住宅ローン金利は、金融機関によって異なる場合がある。H24-46-2
    証券化支援事業(買取型)の住宅ローン金利は全期間固定金利が適用され、どの取扱金融機関に申し込んでも必ず同一の金利になる。H22-46-3
  4. 正しい。機構は、経済情勢の著しい変動に伴い、住宅ローンの元利金の支払いが著しく困難となった場合においては、償還期間の延長等の貸付条件の変更を行っています(機構業務方法書26条)。
    財形住宅貸付けを受けた者が、第19条第2項第1号イに規定する災害その他特殊な事由として機構が定める事由により、元利金の支払が著しく困難となった場合においては、機構が定めるところにより貸付けの条件の変更又は延滞元利金の支払方法の変更をすることができる。
    2 前項に定めるもののほか、貸付けを受けた者に係る貸付けの条件の変更及び延滞元利金の支払方法の変更については、機構が別に定める。
    機構は、経済事情の変動に伴い、貸付けを受けた者の住宅ローンの元利金の支払が著しく困難になった場合に、償還期間の延長等の貸付条件の変更を行っている。R3⑩-46-4
    機構は、貸付けを受けた者が経済事情の著しい変動に伴い、元利金の支払いが著しく困難となった場合には、一定の貸付条件の変更又は支払方法の変更をすることができる。H21-46-3
    機構は、貸付けを受けた者が景況の悪化や消費者物価の上昇により元利金の支払が困難になった場合には、元利金の支払の免除をすることができる。H20-46-4
したがって誤っている記述は[2]です。