宅建試験過去問題 平成21年試験 問46
問46
独立行政法人住宅金融支援機構(以下この問において「機構」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 機構は、民間金融機関が貸し付けた住宅ローンについて、住宅融資保険を引き受けることにより、民間金融機関による住宅資金の供給を支援している。
- 機構は、民間金融機関が貸し付けた長期・固定金利の住宅ローンについて、民間保証会社の保証を付すことを条件に、その住宅ローンを担保として発行された債権等の元利払いを保証する証券化支援事業(保証型)を行っている。
- 機構は、貸付けを受けた者が経済事情の著しい変動に伴い、元利金の支払いが著しく困難となった場合には、一定の貸付条件の変更又は支払方法の変更をすることができる。
- 機構は、高齢者が自ら居住する住宅に対して行うバリアフリー工事又は耐震改修工事に係る貸付けについて、毎月の返済を利息のみの支払いとし、借入金の元金は債務者本人の死亡時に一括して返済する制度を設けている。
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正解 2
問題難易度
肢114.9%
肢254.5%
肢310.2%
肢420.4%
肢254.5%
肢310.2%
肢420.4%
分野
科目:6 - 土地と建物及びその需給細目:1 - 住宅金融支援機構法
解説
- 正しい。住宅融資保険を引き受けることは機構の業務の一つです(機構法13条1項3号)。住宅融資保険とは、機構と金融機関の間で締結する公的な信用保険で、金融機関が貸し付けた住宅ローンが貸倒れとなった場合に、金融機関に対して保険金が支払われるものです。機構はこの保険制度により、住宅の建築等に必要な資金が円滑に融通されるよう支援しています。
住宅融資保険法による保険を行うこと。
- [誤り]。民間保証会社の保証ではありません。証券化支援事業(保証型)の対象となるのは、機構と金融機関との間で住宅融資保険の保険関係が成立した貸付に係るものを担保とする有価証券です(機構法13条1項2号)。
【補足】
証券化支援事業(保証型)は、民間金融機関が住宅ローン債権を信託又は特定目的会社に譲渡し、それを担保に特定社債等を発行する証券化について、機構が、住宅ローン債務者の返済不能を補填する住宅融資保険を引受けるとともに、投資家に対し期日どおりの元利支払いを保証する制度です。 - 正しい。機構は、経済情勢の著しい変動や債務者の収入等の変化に伴い、住宅ローンの元利金の支払いが著しく困難となった場合に、①償還期間の延長、②一定期間の返済額の軽減、③ボーナス返済の見直しなどの変更を受け付けています。他にも債務者の希望に応じて、返済期間の延長・短縮、毎月払いとボーナス払いの組合せ、元利均等返済と元金均等返済の別といった条件面を変更することができます(機構業務方法書26条)。
財形住宅貸付けを受けた者が、第19条第2項第1号イに規定する災害その他特殊な事由として機構が定める事由により、元利金の支払が著しく困難となった場合においては、機構が定めるところにより貸付けの条件の変更又は延滞元利金の支払方法の変更をすることができる。
2 前項に定めるもののほか、貸付けを受けた者に係る貸付けの条件の変更及び延滞元利金の支払方法の変更については、機構が別に定める。 - 正しい。機構は、高齢者に対する直接融資に関して「高齢者向け返済特例制度」を設けています。これは、亡くなるまでは月々の支払いは利息のみで、死亡時に融資住宅や敷地の売却等により借入金の元金を一括返済する制度です(機構業務方法書24条4項)。
次の各号に掲げる貸付金の償還は、前3項の規定にかかわらず、高齢者(機構が主務大臣と協議して定める年齢以上の者をいう。以下この項において同じ。)の死亡時に一括償還をする方法によることができる。
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