宅建試験過去問題 令和3年10月試験 問45
問45
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者ではない買主Bに新築住宅を販売する場合における次の記述のうち、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律の規定によれば、正しいものはどれか。
- Bが建設業者である場合、Aは、Bに引き渡した新築住宅について、住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結を行う義務を負わない。
- Aが住宅販売瑕疵担保責任保険契約を締結する場合、当該契約は、BがAから当該新築住宅の引渡しを受けた時から2年以上の期間にわたって有効なものでなければならない。
- Aが住宅販売瑕疵担保責任保険契約を締結した場合、A及びBは、指定住宅紛争処理機関に特別住宅紛争処理の申請をすることにより、当該新築住宅の瑕疵に関するAとBとの間の紛争について、あっせん、調停又は仲裁を受けることができる。
- AB間の新築住宅の売買契約において、当該新築住宅の構造耐力上主要な部分に瑕疵があってもAが瑕疵担保責任を負わない旨の特約があった場合、住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結を行う義務はない。
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正解 3
問題難易度
肢17.3%
肢218.3%
肢370.4%
肢44.0%
肢218.3%
肢370.4%
肢44.0%
分野
科目:5 - 宅地建物取引業法等細目:12 - 住宅瑕疵担保責任履行法
解説
- 誤り。買主が宅地建物取引業者である場合には、住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結(以下、資力確保措置という)の義務を負いません。しかし、本肢の買主は建設業者ですから履行確保措置の対象となります(履行確保法2条7項2号ロ)。宅地建物取引業者は、自ら売主として宅地建物取引業者である買主との間で新築住宅の売買契約を締結し、その住宅を引き渡す場合、住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結を行う義務を負う。(R4-45-1)Aが媒介を依頼した宅地建物取引業者又はBが住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結をしていれば、Aは住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結を行う必要はない。(R2⑩-45-1)Bが宅地建物取引業者である場合であっても、Aは、Bに引き渡した新築住宅について、住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結を行う義務を負う。(R2⑩-45-4)宅地建物取引業者は、自ら売主として宅地建物取引業者である買主との間で新築住宅の売買契約を締結し、その住宅を引き渡す場合、住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結を行う義務を負う。(H27-45-1)Bが建設業者である場合、Aは、Bに引き渡した新築住宅について、住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結を行う義務を負わない。(H25-45-1)宅地建物取引業者は、自ら売主として建設業者である買主との間で新築住宅の売買契約を締結し、当該住宅を引き渡す場合、資力確保措置を講じる必要はない。(H23-45-1)宅地建物取引業者は、自ら売主として宅地建物取引業者である買主との間で新築住宅の売買契約を締結し、当該住宅を引渡す場合、資力確保措置を講ずる義務を負う。(H22-45-1)
- 誤り。2年ではありません。住宅販売瑕疵担保責任保険契約は、建物の引渡しから10年以上の期間にわたって有効なものでなければなりません(履行確保法2条7項4号)。
新築住宅の買主が当該新築住宅の売主である宅地建物取引業者から当該新築住宅の引渡しを受けた時から十年以上の期間にわたって有効であること。
保険契約を締結している宅地建物取引業者は、新築住宅を引き渡した時から10年間、構造耐力上主要な部分の瑕疵によって生じた損害についてのみ当該保険契約に係る保険金を請求することができる。(R7-45-3)保険契約は、新築住宅の引渡し時から有効でなければならないが、買主が当該住宅の引渡し時から10年以内に当該住宅を転売した場合、当該保険契約は解除される。(R6-45-3)住宅販売瑕疵担保責任保険契約は、新築住宅の引渡し時から10年以上有効でなければならないが、当該新築住宅の買主の承諾があれば、当該保険契約に係る保険期間を5年間に短縮することができる。(R4-45-2)Aが住宅販売瑕疵担保責任保険契約を締結する場合、保険金額は2,000万円以上でなければならないが、Bの承諾を得た場合には、保険金額を500万円以上の任意の額とすることができる。(R3⑫-45-3)Aが住宅販売瑕疵担保責任保険契約を締結した場合、住宅の構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分の瑕疵があり、Aが相当の期間を経過してもなお特定住宅販売瑕疵担保責任を履行しないときは、Bは住宅販売瑕疵担保責任保険契約の有効期間内であれば、その瑕疵によって生じた損害について保険金を請求することができる。(R3⑫-45-4)Aは、住宅瑕疵担保責任保険法人と住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結をした場合、Bが住宅の引渡しを受けた時から10年以内に当該住宅を転売したときは、当該住宅瑕疵担保責任保険法人にその旨を申し出て、当該保険契約の解除をしなければならない。(R2⑫-45-2)Aは、住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結をした場合、当該住宅を引き渡した時から10年間、当該住宅の構造耐力上主要な部分、雨水の浸入を防止する部分、給水設備又はガス設備の隠れた瑕疵によって生じた損害について保険金の支払を受けることができる。(R2⑫-45-3)住宅販売瑕疵担保責任保険契約は、新築住宅を引き渡したAが住宅瑕疵担保責任保険法人と締結する必要があり、Bが保険料を支払うものではない。(R2⑫-45-4)住宅販売瑕疵担保責任保険契約を締結している宅地建物取引業者は、当該保険に係る新築住宅に、構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分の隠れた瑕疵(構造耐力又は雨水の浸入に影響のないものを除く。)がある場合に、特定住宅販売瑕疵担保責任の履行によって生じた損害について保険金を請求することができる。(R1-45-4)住宅販売瑕疵担保責任保険契約を締結している宅地建物取引業者は、当該住宅を引き渡した時から10年間、住宅の構造耐力上主要な部分の瑕疵によって生じた損害についてのみ保険金を請求することができる。(H30-45-4)Aは、住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結をした場合、当該住宅を引き渡した時から10年間、当該住宅の給水設備又はガス設備の瑕疵によって生じた損害について保険金の支払を受けることができる。(H29-45-4)住宅瑕疵担保責任保険契約を締結している宅地建物取引業者は、当該保険に係る新築住宅に、構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分の瑕疵(構造耐力又は雨水の浸入に影響のないものを除く。)がある場合に、特定住宅販売瑕疵担保責任の履行によって生じた損害について保険金を請求することができる。(H27-45-4)住宅販売瑕疵担保責任保険契約は、新築住宅の買主が保険料を支払うことを約し、住宅瑕疵担保責任保険法人と締結する保険契約である。(H26-45-3)住宅販売瑕疵担保責任保険契約は、新築住宅の買主が保険料を支払うことを約し、住宅瑕疵担保責任保険法人と締結する保険契約であり、当該住宅の引渡しを受けた時から10年間、当該住宅の瑕疵によって生じた損害について保険金が支払われる。(H23-45-4) - [正しい]。指定住宅紛争処理機関は、住宅品質確保法に基づき設置されているADR機関です。住宅瑕疵担保責任保険契約に係る売買契約に関する紛争の当事者双方または一方は、指定住宅紛争処理機関に対し、住宅紛争処理を申請することにより、裁判外で当該紛争のあっせん・調停・仲裁サービスを受けることができます(履行確保法33条1項)。
住宅品質確保法第六十六条第二項に規定する指定住宅紛争処理機関(以下単に「指定住宅紛争処理機関」という。)は、住宅品質確保法第六十七条第一項に規定する業務のほか、住宅瑕疵担保責任保険契約に係る新築住宅(同項に規定する評価住宅を除く。)の建設工事の請負契約又は売買契約に関する紛争の当事者の双方又は一方からの申請により、当該紛争のあっせん、調停及び仲裁の業務を行うことができる。
保険契約を締結している宅地建物取引業者及び当該業者が売主となっている新築住宅の買主は、指定住宅紛争処理機関に特別住宅紛争処理の申請をすることにより、当該新築住宅の売買契約に関する宅地建物取引業者と買主との間の紛争について、あっせん、調停又は仲裁を受けることができる。(R7-45-4) - 誤り。新築住宅の売主は、買主に引き渡したときから10年間、新築住宅の構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分について瑕疵担保責任を負います。これに反する特約で買主に不利なものは無効となります(住宅品質確保法95条)。したがって、本肢の特約をした場合でも、宅地建物取引業者は10年の瑕疵担保責任を負うことになり、その履行を確保するために資力確保措置をする義務があります。
新築住宅の売買契約においては、売主は、買主に引き渡した時(当該新築住宅が住宅新築請負契約に基づき請負人から当該売主に引き渡されたものである場合にあっては、その引渡しの時)から十年間、住宅の構造耐力上主要な部分等の瑕疵について、民法第四百十五条、第五百四十一条、第五百四十二条、第五百六十二条及び第五百六十三条に規定する担保の責任を負う。
2 前項の規定に反する特約で買主に不利なものは、無効とする。Aは、Bの承諾を得た場合には、Bに引き渡した新築住宅について、住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結を行わなくてもよい。(R3⑫-45-1)
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