宅建試験過去問題 令和3年10月試験 問47(改題)

問47

宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば、正しいものはどれか。
  1. 住宅の居室の広さを畳数で表示する場合には、畳1枚当たりの広さにかかわらず、実際に当該居室に敷かれている畳の数を表示しなければならない。
  2. 団地(一団の宅地又は建物をいう。)と駅との間の距離は、駅から最も近い当該団地内の地点を起点として算出した数値とともに駅から最も遠い当該団地内の地点を起点として算出した数値を表示しなければならず、当該団地を数区に区分して取引するときは各区分ごとに距離を算出して表示しなければならない。
  3. 新築分譲マンションを完成予想図により表示する場合、完成予想図である旨を表示すれば、緑豊かな環境であることを訴求するために周囲に存在しない公園等を表示することができる。
  4. 新築分譲住宅の販売に当たって行う二重価格表示は、実際に過去において販売価格として公表していた価格を比較対照価格として用いて行うのであれば、値下げの日から1年以内の期間は表示することができる。

正解 2

問題難易度
肢19.0%
肢263.6%
肢34.4%
肢423.0%

解説

  1. 誤り。部屋の面積を畳数で表示する場合には、実際の畳の数ではなく、畳1枚当たりの広さは1.62㎡(各室の壁心面積を畳数で除した数値)以上の広さがあるという意味で用いなければなりません(表示規約規則9条(16))。
    住宅の居室等の広さを畳数で表示する場合においては、畳1枚当たりの広さは1.62平方メートル(各室の壁心面積を畳数で除した数値)以上の広さがあるという意味で用いること。
  2. [正しい]。団地と駅その他の施設との間の距離または所要時間の表示に当たっては、その施設から最も近い団地内の地点(出入口)を起点とした数値と、最も遠い地点(出入口)を起点として数値を併記しなければなりません。団地が複数の区画に分かれるときは、取引する区画ごとに距離を表示しなければなりません(表示規約規則9条(8))。
    団地(一団の宅地又は建物をいう。以下同じ。)と駅その他の施設との間の道路距離又は所要時間は、取引する区画のうちそれぞれの施設ごとにその施設から最も近い区画(マンション及びアパートにあっては、その施設から最も近い建物の出入口)を起点として算出した数値とともに、その施設から最も遠い区画(マンション及びアパートにあっては、その施設から最も遠い建物の出入口)を起点として算出した数値も表示すること。
  3. 誤り。物件のコンピュータグラフィックス、見取図、完成図、完成予想図は、その旨を明らかにして用い、当該物件の周囲の状況について表示するときは、現況に反する表示をしてはなりません(表示規約規則9条(23))。よって、実際には存在しないにもかかわらず、公園が存在するように表示することは許されません。
    宅地又は建物のコンピュータグラフィックス、見取図、完成図又は完成予想図は、その旨を明示して用い、当該物件の周囲の状況について表示するときは、現況に反する表示をしないこと。
    新築分譲マンションの広告において、当該マンションの完成図を掲載する際に、敷地内にある電柱及び電線を消去する加工を施した場合であっても、当該マンションの外観を消費者に対し明確に示すためであれば、不当表示に問われることはない。H30-47-3
    新築分譲マンションの販売広告で完成予想図により周囲の状況を表示する場合、完成予想図である旨及び周囲の状況はイメージであり実際とは異なる旨を表示すれば、実際に所在しない箇所に商業施設を表示するなど現況と異なる表示をしてもよい。H25-47-1
    新築分譲マンションの完成予想図を販売広告に掲載するに当たり、実際には工場が所在する箇所に公園を記載するなど、周囲の状況について現況に反する表示を行う場合は、「周囲の状況はイメージであって、実際の状況とは異なる」旨を表示しなければならない。H16-47-4
  4. 誤り。過去の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示をするためには、下記の条件全てを満たさなくてはなりません(表示規約規則12条)。
    1. 過去の販売価格の公表日及び値下げした日を明示すること
    2. 比較対照価格に用いる過去の販売価格は、値下げの直前の価格であって、値下げ前2か月以上にわたり実際に販売のために公表していた価格であること
    3. 値下げの日から6か月以内に表示するものであること
    4. 過去の販売価格の公表日から二重価格表示を実施する日まで物件の価値に同一性が認められるものであること
    5. 土地又は建物について行う表示であること
    二重価格表示ができるのは、値下げの日から6カ月以内に限られます。本肢は「1年以内」としているの誤りです。
    新築分譲住宅について、価格Aで販売を開始してから2か月以上経過したため、価格Aから価格Bに値下げをすることとし、価格Aと価格Bを併記して、値下げをした旨を表示する場合、値下げ金額が明確になっていれば、価格Aの公表日や値下げの日を表示する必要はない。H30-47-1
    中古住宅を販売する場合、当該住宅が建築後1年未満のものであれば、実際に販売する価格よりも高い新築時の販売価格を、実際に販売する価格に併記して表示することができる。H15-47-3
したがって正しい記述は[2]です。