宅建試験過去問題 平成20年試験 問30

問30

次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しい内容のものはどれか。
  1. Xは、甲県で行われた宅地建物取引士資格試験に合格した後、乙県に転居した。その後、登録実務講習を修了したので、乙県知事に対し法第18条第1項の登録を申請した。
  2. Yは、甲県知事から宅地建物取引士証(以下「取引士証」という。)の交付を受けている。Yは、乙県での勤務を契機に乙県に宅地建物取引士の登録の移転をしたが、甲県知事の取引士証の有効期間が満了していなかったので、その取引士証を用いて宅地建物取引士としてすべき事務を行った。
  3. A社(国土交通大臣免許)は、甲県に本店、乙県に支店を設置しているが、乙県の支店を廃止し、本店を含むすべての事務所を甲県内にのみ設置して事業を営むこととし、甲県知事へ免許換えの申請を行った。
  4. B社(甲県知事免許)は、甲県の事務所を廃止し、乙県内で新たに事務所を設置して宅地建物取引業を営むため、甲県知事へ廃業の届けを行うとともに、乙県知事へ免許換えの申請を行った。

正解 3

問題難易度
肢15.9%
肢210.3%
肢370.1%
肢413.7%

解説

  1. 誤り。宅地建物取引士として登録ができるのは、宅地建物取引士試験に合格した都道府県でのみとなっています(宅建業法18条1項)。
    よって、他県へ転居した場合であっても、他県で登録することはできません。
    試験に合格した者で、宅地若しくは建物の取引に関し国土交通省令で定める期間以上の実務の経験を有するもの又は国土交通大臣がその実務の経験を有するものと同等以上の能力を有すると認めたものは、国土交通省令の定めるところにより、当該試験を行つた都道府県知事の登録を受けることができる。ただし、次の各号のいずれかに該当する者については、この限りでない。
  2. 誤り。登録の移転があった場合、移転前の取引士証は効力を失います(宅建業法22条の2第4項)。よって、移転前の甲県知事の取引士証を用いたYは宅建業法違反となります。
    宅地建物取引士証が交付された後第十九条の二の規定により登録の移転があつたときは、当該宅地建物取引士証は、その効力を失う。
  3. [正しい]。本肢のケースでは、国土交通大臣の免許を受けた者が一つの都道府県の区域内にのみ事務所を有することになるので、免許換えが必要です(宅建業法7条1項1号)。
    宅地建物取引業者が第三条第一項の免許を受けた後次の各号の一に該当して引き続き宅地建物取引業を営もうとする場合において同項の規定により国土交通大臣又は都道府県知事の免許を受けたときは、その者に係る従前の国土交通大臣又は都道府県知事の免許は、その効力を失う。
    一 国土交通大臣の免許を受けた者が一の都道府県の区域内にのみ事務所を有することとなつたとき。
  4. 誤り。廃業届が必要となるのは個人の死亡、法人の合併、破産、解散、廃業等の場合です。本肢のように主たる事務所の移転の場合、廃業届は不要で免許換え申請のみ必要となります(宅建業法7条1項2号)。
    宅地建物取引業者が第三条第一項の免許を受けた後次の各号の一に該当して引き続き宅地建物取引業を営もうとする場合において同項の規定により国土交通大臣又は都道府県知事の免許を受けたときは、その者に係る従前の国土交通大臣又は都道府県知事の免許は、その効力を失う。

    二 都道府県知事の免許を受けた者が当該都道府県の区域内における事務所を廃止して、他の一の都道府県の区域内に事務所を設置することとなつたとき。
したがって正しい記述は[3]です。