宅建試験過去問題 平成27年試験 問13(改題)

問13

建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 管理者が選任されていない場合、集会においては、規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合を除いて、集会を招集した区分所有者の1人が議長となる。
  2. 集会の招集の通知は、会日より少なくとも2週間前に発しなければならないが、この期間は規約で伸縮することができる。
  3. 集会の議事録が書面で作成されているときは、議長及び集会に出席した区分所有者の1人がこれに署名しなければならない。
  4. 区分所有者は、規約に別段の定めがない限り集会の決議によって、管理者を選任することができる。この場合、任期は2年以内としなければならない。

正解 1

問題難易度
肢171.1%
肢213.2%
肢37.4%
肢48.3%

解説

  1. [正しい]。集会においては、規約に別段の定めがある場合および別段の決議をした場合を除いて、管理者または集会を招集した区分所有者の1人が議長となります(区分所有法41条)。
    したがって、本肢のように管理者が選任されていない場合、必然的に集会を招集した区分所有者のうち1人が議長となります。
    集会においては、規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合を除いて、管理者又は集会を招集した区分所有者の一人が議長となる。
    集会においては、規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合を除いて、管理者又は集会を招集した区分所有者の1人が議長となる。R1-13-3
  2. 誤り。集会の招集の通知は、原則として、会日より少なくとも1週間前に発しなければなりませんが、この期間は規約で変更することが認められています(区分所有法35条1項)。
    したがって、本肢の「2週間前」の部分が誤りです。
    集会の招集の通知は、会日より少なくとも一週間前に、会議の目的たる事項を示して、各区分所有者に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸縮することができる。
    集会の招集の通知は、会日より少なくとも2週間前に発しなければならないが、この期間は規約で伸縮することができる。H18-16-1
  3. 誤り。集会の議事録が書面で作成されているときは、議長および集会に出席した区分所有者の2人(合計3人)がこれに署名しなければなりません(区分所有法42条3項)。
    したがって、署名するのが1人では足りません。また、令和3年9月1日に行政手続きの押印廃止を盛り込んだデジタル社会形成関係整備法案に伴う改正区分所有法が施行され、押印は不要になっています。
    前項の場合において、議事録が書面で作成されているときは、議長及び集会に出席した区分所有者の二人がこれに署名しなければならない。
    集会の議事録が書面で作成されているときは、議長及び集会に出席した区分所有者の2人がこれに署名押印しなければならない。H18-16-3
  4. 誤り。区分所有者は、規約に別段の定めがない限り集会の決議によって、管理者を選任し、または解任することができます(区分所有法25条1項)。
    法令上、管理者の任期についての定めはありませんので、本肢の「任期は2年以内としなければならない」は誤りです。
    区分所有者は、規約に別段の定めがない限り集会の決議によつて、管理者を選任し、又は解任することができる。
    区分所有者は、規約に別段の定めがない限り集会の決議によって、管理者を解任することができる。R2⑫-13-4
    集会において、管理者の選任を行う場合、規約に別段の定めがない限り、区分所有者及び議決権の各過半数で決する。H22-13-4
    区分所有者は、規約に別段の定めがない限り集会の決議によって、管理者を選任し、又は解任することができる。H20-15-3
    区分所有者が管理者を選任する場合は、集会の決議の方法で決することが必要で、規約によっても、それ以外の方法による旨定めることはできない。H12-13-1
したがって正しい記述は[1]です。