宅建試験過去問題 平成27年試験 問14(改題)

問14

不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。
  1. 登記事項証明書の交付の請求は、利害関係を有することを明らかにすることなく、することができる。
  2. 土地所在図、地積測量図、地役権図面、建物図面及び各階平面図を除く登記簿の附属書類の閲覧の請求は、請求人に正当な理由があると認められる部分に限り、することができる。
  3. 登記事項証明書の交付の請求は、請求情報を電子情報処理組織を使用して登記所に提供する方法によりすることができる。
  4. 筆界特定書の写しの交付の請求は、請求人が利害関係を有する部分に限り、することができる。

正解 4

問題難易度
肢112.0%
肢229.8%
肢311.5%
肢446.7%

解説

  1. 正しい。登記事項証明書は、登記されている内容を公的に証明する書類で、登記官による認証文、作成の年月日及び職氏名、職印が付されているものです。登記事項証明書は、利害関係の有無を問わず、誰でも手数料を納付することで交付を請求することができます(不動産登記法119条1項)。したがって、交付請求の際に利害関係を明らかにする必要はありません。
    何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面(以下「登記事項証明書」という。)の交付を請求することができる。
    登記事項証明書の交付を請求する場合は、書面をもって作成された登記事項証明書の交付のほか、電磁的記録をもって作成された登記事項証明書の交付を請求することもできる。H22-14-1
    登記事項証明書の交付を請求するに当たり、請求人は、利害関係を有することを明らかにする必要はない。H22-14-2
  2. 正しい。登記簿の附属書類は、土地所在図、地積測量図、地役権図面、建物図面及び各階平面図については、誰でも理由なく閲覧を請求することができますが、上記4つ以外の書類(例えば申請情報など)は、正当な理由があると認められなければ閲覧することができません(不動産登記法121条2項不動産登記令21条1項)。上記の4つの図面は、不動産の客観的状況を表示するものであり、登記簿の台帳的な機能を提供するものなので、誰でも交付請求することができ閲覧も制限されません。
    何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記簿の附属書類のうち前項の図面(電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの。次項において同じ。)の閲覧を請求することができる。
    法第百二十一条第一項の政令で定める図面は、土地所在図、地積測量図、地役権図面、建物図面及び各階平面図とする。
  3. 正しい。電子情報処理組織とは、コンピュータ同士をインターネット等の電気通信回線で接続したものです。登記事項証明書の交付の請求は、登記・供託オンライン申請システムを使用することでオンライン請求することができます。受取り方法は郵送か登記所窓口での受取りのどちらかを選択できます(不動産登記規則194条3項)。
    登記事項証明書の交付の請求は、前二項の方法のほか、法務大臣の定めるところにより、請求情報を電子情報処理組織を使用して登記所に提供する方法によりすることができる。この場合において、登記事項証明書を登記所で受領しようとするときは、その旨を請求情報の内容としなければならない。
  4. [誤り]。「筆界」とは、土地が登記された際にその土地の範囲を区画するものとして定められた登記上の境界線です。筆界特定登記官が現地で筆界を公的に特定する制度として筆界特定制度があり、筆界が特定されるとその結論や理由の要旨を記載した筆界特定書が作成されます。
    筆界特定書の写しは、隣地所有者などの利害関係を有する者であるかどうかを問わず、誰でも対象となった土地を管轄する登記所においてその交付を請求することができます(不動産登記法149条1項)。本肢は「請求人が利害関係を有する部分に限り」としているので誤りです。
    何人も、登記官に対し、手数料を納付して、筆界特定手続記録のうち筆界特定書又は政令で定める図面の全部又は一部(以下この条及び第百五十三条において「筆界特定書等」という。)の写し(筆界特定書等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付を請求することができる。
したがって誤っている記述は[4]です。