宅建試験過去問題 平成14年試験 問44(改題)
問44
次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。- 営業保証金の供託は、金銭のみならず、一定の有価証券をもって行うこともできるが、営業保証金の不足額の供託は、金銭により行わなければならない。
- 宅地建物取引業者が廃業届を提出し、免許の効力を失った場合であっても、その者は、廃業前に締結した契約に基づく取引を結了する目的の範囲内においては、なお宅地建物取引業者とみなされる。
- 宅地建物取引業者(国土交通大臣免許)が、宅地建物取引業法第50条第2項の規定に基づき業務を行う場所の届出を行う場合、その所在地を管轄する都道府県知事を経由して国土交通大臣に届出書を提出しなければならない。
- 宅地建物取引業者(甲県知事免許)が、乙県内で宅地建物取引業を営んでいる場合、乙県知事は、取引の業務について必要な報告を求めることができるが、当該宅地建物取引業者の事務所に立ち入り、帳簿の検査をすることはできない。
広告
正解 2
問題難易度
肢18.3%
肢279.2%
肢35.2%
肢47.3%
肢279.2%
肢35.2%
肢47.3%
分野
科目:5 - 宅地建物取引業法等細目:5 - 業務上の規制
解説
- 誤り。本支店を設置したときの供託も、還付に伴う不足額の供託も、金銭のみならず一定の有価証券をもって行うことができます(宅建業法25条3項宅建業法28条3項)。ただし、有価証券を用いる場合、必ずしも額面価額そのまま供託額となるわけではなく、所定の掛目の乗じた額で評価されます。
第一項の営業保証金は、国土交通省令の定めるところにより、国債証券、地方債証券その他の国土交通省令で定める有価証券(社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二百七十八条第一項に規定する振替債を含む。)をもつて、これに充てることができる。
第二十五条第三項の規定は、第一項の規定により供託する場合に準用する。
- [正しい]。免許の有効期間が満了したときは、宅地建物取引業を営むことはできませんが、相手方の保護のため当該宅地建物取引業者が締結した契約に基づく取引を結了する目的の範囲内においては、なお宅地建物取引業者とみなされます(宅建業法76条)。
第三条第二項の有効期間が満了したとき、第十一条第二項の規定により免許が効力を失つたとき、又は宅地建物取引業者が第十一条第一項第一号若しくは第二号に該当したとき、若しくは第二十五条第七項、第六十六条若しくは第六十七条第一項の規定により免許を取り消されたときは、当該宅地建物取引業者であつた者又はその一般承継人は、当該宅地建物取引業者が締結した契約に基づく取引を結了する目的の範囲内においては、なお宅地建物取引業者とみなす。
Aは、免許を受けた都道府県知事から宅地建物取引業の免許の取消しを受けたものの、当該免許の取消し前に建物の売買の広告をしていた場合、当該建物の売買契約を締結する目的の範囲内においては、なお宅地建物取引業者とみなされる。(R3⑫-30-4)宅地建物取引業者である個人Bが死亡した場合、その相続人Cは、Bが締結した契約に基づく取引を結了する目的の範囲内において宅地建物取引業者とみなされ、Bが売主として締結していた売買契約の目的物を買主に引き渡すことができる。(R2⑩-43-2)宅地建物取引業者である法人Dが、宅地建物取引業者でない法人Eに吸収合併されたことにより消滅した場合、一般承継人であるEは、Dが締結した宅地又は建物の契約に基づく取引を結了する目的の範囲内において宅地建物取引業者とみなされる。(H29-36-4)個人である宅地建物取引業者E(丙県知事免許)が死亡した場合、Eの一般承継人Fがその旨を丙県知事に届け出た後であっても、Fは、Eが生前締結した売買契約に基づく取引を結了する目的の範囲内においては、なお宅地建物取引業者とみなされる。(H28-35-4)宅地建物取引業者Bが自ら売主として宅地の売買契約を成立させた後、当該宅地の引渡しの前に免許の有効期間が満了したときは、Bは、当該契約に基づく取引を結了する目的の範囲内においては、宅地建物取引業者として当該取引に係る業務を行うことができる。(H28-37-イ)宅地建物取引業の免許を取り消された者は、免許の取消し前に建物の売買の広告をしていれば、当該建物の売買契約を締結する目的の範囲内においては、なお宅地建物取引業者とみなされる。(H23-36-4)宅地建物取引業者であるE(個人)が死亡し、その相続人FがEの所有していた土地を20区画に区画割りし、不特定多数の者に宅地として分譲する場合、Fは免許を受ける必要はない。(H17-30-4) - 誤り。国土交通大臣免許の者が行う、①変更の届出、②廃業等の届出、③供託した旨の届出、④案内所設置の届出、のいずれも免許権者である国土交通大臣に対して直接届け出ることができます。従来は①②④について都道府県知事を経由して行う必要がありましたが、現在はこの手続きは廃止されています。
- 誤り。都道府県知事は、その都道府県内で業務を営む宅地建物取引業者に対して、必要な報告を求めること、立入り検査をすることができます。この立入り検査では、帳簿、書類その他業務に関係のある物件を検査できるとしています(宅建業法72条1項)。よって、乙県知事は、乙県内で業務を営む宅地建物取引業者に対し、報告を求めることのみならず、事務所に立ち入って帳簿を検査することもできます。
国土交通大臣は、宅地建物取引業を営むすべての者に対して、都道府県知事は、当該都道府県の区域内で宅地建物取引業を営む者に対して、宅地建物取引業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、その業務について必要な報告を求め、又はその職員に事務所その他その業務を行なう場所に立ち入り、帳簿、書類その他業務に関係のある物件を検査させることができる。
広告
広告