35条書面(全64問中19問目)
No.19
宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。令和2年10月試験 問31
- 建物の売買の媒介だけでなく建物の貸借の媒介を行う場合においても、損害賠償額の予定又は違約金に関する事項について、説明しなければならない。
- 建物の売買の媒介を行う場合、当該建物について、石綿の使用の有無の調査の結果が記録されているか照会を行ったにもかかわらず、その存在の有無が分からないときは、宅地建物取引業者自らが石綿の使用の有無の調査を実施し、その結果を説明しなければならない。
- 建物の売買の媒介を行う場合、当該建物が既存の住宅であるときは、建物状況調査を実施しているかどうかを説明しなければならないが、実施している場合その結果の概要を説明する必要はない。
- 区分所有建物の売買の媒介を行う場合、建物の区分所有等に関する法律第2条第3項に規定する専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定めがあるときは、その内容を説明しなければならないが、区分所有建物の貸借の媒介を行う場合は、説明しなくてよい。
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正解 1
問題難易度
肢170.2%
肢26.9%
肢38.9%
肢414.0%
肢26.9%
肢38.9%
肢414.0%
分野
科目:5 - 宅地建物取引業法等細目:7 - 35条書面
解説
- [正しい]。「損害賠償額の予定又は違約金に関する事項」は、土地・建物および売買・交換・貸借を問わず、必要的記載事項です(宅建業法35条1項9号)。宅地建物取引業者ではない売主から依頼されて建物の売買の媒介を行うに当たり、損害賠償額の予定は説明しなくてもよいが、売主が当該建物の種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任を負わないことについては説明しなければならない。(H16-38-3)
- 誤り。建物の取引では、石綿の使用有無について調査結果が記録されている場合にその内容を説明する必要があります(宅建業法規則16条の4の3第4号)。ただし、この説明義務は当該調査の実施自体を宅地建物取引業者に義務付けるものではないので、宅地建物取引業者自らが調査を実施する必要はありません。
売主や所有者、管理業者、施行業者等に照会しても調査記録の存在が判明しない場合には、その旨を説明すれば説明義務は果たされます(解釈運用-第35条第1項第14号関係)。本説明義務については、売主及び所有者に当該調査の記録の有無を照会し、必要に応じて管理組合、管理業者及び施工会社にも問い合わせた上、存在しないことが確認された場合又はその存在が判明しない場合は、その照会をもって調査義務を果たしたことになる。
なお、本説明義務については、石綿の使用の有無の調査の実施自体を宅地建物取引業者に義務付けるものではないことに留意すること。当該建物について、石綿の使用の有無の調査の結果が記録されているときは、その内容を説明しなければならない。(R4-34-3)当該建物(昭和56年5月31日以前に新築の工事に着手したもの)が指定確認検査機関、建築士、登録住宅性能評価機関又は地方公共団体による耐震診断を受けたものであるときは、その旨を説明しなければならない。(R4-34-4)建物の貸借の媒介を行う場合における、「当該建物について、石綿の使用の有無の調査の結果が記録されているときは、その内容」(R3⑩-36-2)当該建物が既存の建物である場合、石綿使用の有無の調査結果の記録がないときは、石綿使用の有無の調査を自ら実施し、その結果について説明しなければならない。(R1-28-3)建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物について、石綿の使用の有無の調査の結果が記録されているときは、その旨について説明しなければならないが、当該記録の内容までを説明する必要はない。(H24-30-3) - 誤り。既存建物の取引では、その建物が過去1年(鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の共同住宅等は2年)以内に建物状況調査を実施しているかどうか、実施している場合にはその結果の概要(劣化事象等の有無)を説明しなければなりません(宅建業法35条1項6号の2イ)。なお、過去の所定期間内に複数回の建物状況調査を実施している場合には、原則として直近のものが説明の対象となります。
肢2と同じく、売主等に照会しても実施の有無が判明しない場合は、その旨を説明すれば説明義務を果たしたことになります(解釈運用-第35条第1項第6号の2関係)。建物状況調査(実施後国土交通省令で定める期間を経過していないものに限る。)を実施しているかどうか、及びこれを実施している場合におけるその結果の概要
本説明義務については、売主等に建物状況調査の実施の有無を照会し、必要に応じて管理組合及び管理業者にも問い合わせた上、実施の有無が判明しない場合は、その照会をもって調査義務を果たしたことになる。
- 誤り。区分所有建物の貸借では、区分所有建物に固有の重要事項説明事項のうち「専有部分の利用制限の定め」と「管理委託先の氏名又は商号・住所」のみ重要説明事項となります(宅建業法規則16条の2第3号)。利用制限の定めの例としては、事業用としての利用の禁止、フローリングへの貼替工事、ペット飼育、ピアノ使用等の禁止又は制限などが該当します(解釈運用-第35条第1項第6号関係)。借主にも区分所有建物の使用ルールを順守する義務があるため、重要事項として説明事項となっています。
「専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定め」には、例えば、居住用に限り事業用としての利用の禁止、フローリングへの貼替工事、ペット飼育、ピアノ使用等の禁止又は制限に関する規約上の定めが該当する。
宅地建物取引業者は、媒介により区分所有建物の賃貸借契約を成立させた場合、専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約においてペットの飼育が禁止されているときは、その旨を重要事項説明書に記載して説明し、37条書面にも記載しなければならない。(R3⑩-37-1)当該建物が建物の区分所有等に関する法律第2条第1項に規定する区分所有権の目的であるものであって、同条第3項に規定する専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定めがあるときは、その内容を説明しなければならない。(R1-28-4)専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約において、ペットの飼育が禁止されている場合は、重要事項説明書にその旨記載し内容を説明したときも、37条書面に記載しなければならない。(H28-39-1)区分所有権の目的である建物の貸借の媒介を行う場合、その専有部分の用途その他の利用制限に関する規約の定めがあるときはその内容を説明する必要があるが、1棟の建物又はその敷地の専用使用権に関する規約の定めについては説明する必要がない。(H26-34-4)建物の貸借の媒介において、建物の区分所有等に関する法律に規定する専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定め(その案を含む。)がなかったので、そのことについては説明しなかった。(H18-35-4)建物の区分所有等に関する法律第2条第3項に規定する専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定めがあるときは、その内容を説明しなければならない。(H17-38-3)Aは、マンションの一室の賃貸借を媒介するに当たり、建物の区分所有等に関する法律第2条第3項に規定する専有部分の用途について、管理規約で「ペット飼育禁止」の制限があったが、借主に対し、そのことに関して法第35条の重要事項の説明を行わなかった。(H15-45-1)建物の区分所有等に関する法律に規定する専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定め(その案を含む。)がなかったので、そのことについては説明しなかった。(H13-36-3)
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