宅建試験過去問題 令和元年試験 問39

問39

宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。
  1. 既存住宅の貸借の媒介を行う場合、建物の建築及び維持保全の状況に関する書類の保存状況について説明しなければならない。
  2. 宅地の売買の媒介を行う場合、登記された抵当権について、引渡しまでに抹消される場合は説明しなくてよい。
  3. 宅地の貸借の媒介を行う場合、借地権の存続期間を50年とする賃貸借契約において、契約終了時における当該宅地の上の建物の取壊しに関する事項を定めようとするときは、その内容を説明しなければならない。
  4. 建物の売買又は貸借の媒介を行う場合、当該建物が津波防災地域づくりに関する法律第53条第1項により指定された津波災害警戒区域内にあるときは、その旨を、売買の場合は説明しなければならないが、貸借の場合は説明しなくてよい。

正解 3

問題難易度
肢110.4%
肢26.6%
肢375.4%
肢47.6%

解説

  1. 誤り。「既存住宅の建築及び維持保全の状況に関する書類の保存状況」は建物の売買・交換のみ説明する必要があります(宅建業法規則16条の2の3)。
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    既存の建物の売買の媒介を行う場合、当該建物の建築確認済証がなくなっているときは、その旨を説明すればよい。R2⑫-42-2
    当該建物が既存の建物であるときは、既存住宅に係る住宅の品質確保の促進等に関する法律第6条第3項に規定する建設住宅性能評価書の保存の状況について説明しなければならない。R1-28-2
  2. 誤り。抵当権などのように物件に登記された権利がある場合は、全ての取引態様においてその種類と内容を説明する必要があります。なお、引渡しまでに抹消される予定であっても省略できません(宅建業法35条1項1号)。
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    宅地建物取引業者は、中古マンションの売買を行う場合、抵当権が設定されているときは、契約日までにその登記が抹消される予定であっても、当該抵当権の内容について説明しなければならない。H26-35-2
    宅地建物取引業者は、抵当権に基づく差押えの登記がされている建物の貸借の媒介をするにあたり、貸主から当該登記について告げられなかった場合でも、35条書面及び37条書面に当該登記について記載しなければならない。H23-34-1
    宅地建物取引業者は、抵当権に基づく差押えの登記がされている建物の賃貸借を媒介するに当たり、貸主から当該建物の差押えを告げられなかった場合は、法第35条に基づき借主に対して当該建物の上に存する登記の内容を説明する義務はない。H15-37-4
    マンションの所有者についての登記名義人は説明したが、当該マンションに係る登記されている抵当権については説明しなかった。H13-36-1
  3. [正しい]。宅地の貸借で、契約終了時において当該宅地の上の建物の取壊しに関する事項を定めるときは、その内容を説明する必要があります(宅建業法規則16条の4の3第13号)。
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  4. 誤り。原則として物件が危険区域として指定されている区域内に所在する場合には、全ての取引態様で説明が必要となります。当該建物が津波災害警戒区域内にあるときも、全ての取引態様で説明する必要があります(宅建業法規則16条の4の3第3号)。
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    宅地建物取引業者は、重要事項説明において、取引の対象となる宅地又は建物が、津波防災地域づくりに関する法律の規定により指定された津波災害警戒区域内にあるときは、その旨を説明しなければならない。H25-30-4
    建物の売買を行う場合、当該建物について石綿の使用の有無の調査の結果が記録されていないときは、Aは、自ら石綿の使用の有無の調査を行った上で、その結果の内容を説明しなければならない。H21-33-2
    建物の貸借の媒介において、当該建物について石綿が使用されていない旨の調査結果が記録されているときは、その旨を借主に説明しなくてもよい。H19-35-1
したがって正しい記述は[3]です。