業務上の規制(全77問中30問目)

No.30

宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)第47条及び第47条の2に規定されている業務に関する禁止事項に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、Aは宅地建物取引業者である。
平成28年試験 問34
  1. Aが、賃貸アパートの媒介に当たり、入居申込者が無収入であることを知っており、入居申込書の収入欄に「年収700万円」とあるのは虚偽の記載であることを認識したまま、その事実を告げずに貸主に提出した行為は法に違反する。
  2. Aが、分譲マンションの購入を勧誘するに際し、うわさをもとに「3年後には間違いなく徒歩5分の距離に新しく私鉄の駅ができる」と告げた場合、そのような計画はなかったとしても、故意にだましたわけではないので法には違反しない。
  3. Aは、建売住宅の売買の相手方である買主から手付放棄による契約の解除の通知を受けたとしても、すでに所有権の移転登記を行い引渡しも済んでいる場合は、そのことを理由に当該契約の解除を拒むことができる。
  4. Aが、宅地の売買契約締結の勧誘に当たり、相手方が手付金の手持ちがないため契約締結を迷っていることを知り、手付金の分割払いを持ちかけたことは、契約締結に至らなかったとしても法に違反する。

正解 2

問題難易度
肢15.9%
肢279.9%
肢39.0%
肢45.2%

解説

  1. 正しい。宅地建者取引業者は、賃借の契約の締結について勧誘をする時、取引の関係者の資力又は信用に関する事項であり、宅地建物取引業者の相手方等の判断に重要な影響を及ぼす事項について、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為は禁止されています(宅建業法47条1号)。
  2. [誤り]。宅地建者取引業者は、宅建業に係る契約の締結の勧誘をするとき、当該契約の目的物である宅地又は建物の交通その他の利便について誤解させるような断定的判断を提供することは禁止されています(宅建業法規則16条の12第1号イ)。
    なお、運行主体が公表したものについては、設置の時期を明示して新駅の情報を告げても問題ありません。
    当該契約の目的物である宅地又は建物の将来の環境又は交通その他の利便について誤解させるべき断定的判断を提供すること。
  3. 正しい。買主が手付を放棄して契約の解除を行うに際し、正当な理由なく当該契約の解除を拒んだり妨げたりすることは禁止されています(宅建業法規則16条の12第3号)。しかし、手付による契約解除は「相手方が履行に着手するまで」に行わなくてはならず、売主が履行に着手している場合は、買主からの手付放棄による契約の解除を拒否することができます。
    宅地建物取引業者の相手方等が手付を放棄して契約の解除を行うに際し、正当な理由なく、当該契約の解除を拒み、又は妨げること。
  4. 正しい。宅建業者が宅地の売買契約締結の勧誘に当たり、手付金の分割払いを持ちかけることは宅建業法に違反します(宅建業法47条3号)。これは、契約締結に至らない場合であっても同様です。
    手付について貸付けその他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する行為
したがって誤っている記述は[2]です。