営業保証金(全23問中13問目)

No.13

宅地建物取引業者A社(甲県知事免許)の営業保証金に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
平成23年試験 問30
  1. A社は、甲県の区域内に新たに支店を設置し宅地建物取引業を営もうとする場合、甲県知事にその旨の届出を行うことにより事業を開始することができるが、当該支店を設置してから3月以内に、営業保証金を供託した旨を甲県知事に届け出なければならない。
  2. 甲県知事は、A社が宅地建物取引業の免許を受けた日から3月以内に営業保証金を供託した旨の届出をしないときは、その届出をすべき旨の催告をしなければならず、その催告が到達した日から1月以内にA社が届出をしないときは、A社の免許を取り消すことができる。
  3. A社は、宅地建物取引業の廃業により営業保証金を取り戻すときは、営業保証金の還付を請求する権利を有する者(以下この問において「還付請求権者」という。)に対して公告しなければならないが、支店の廃止により営業保証金を取り戻すときは、還付請求権者に対して公告する必要はない。
  4. A社は、宅地建物取引業の廃業によりその免許が効力を失い、その後に自らを売主とする取引が結了した場合、廃業の日から10年経過していれば、還付請求権者に対して公告することなく営業保証金を取り戻すことができる。

正解 2

問題難易度
肢16.1%
肢264.3%
肢310.7%
肢418.9%

解説

  1. 誤り。宅地建物取引業者が、事業開始後に新たに事務所を設置した場合は、法定の営業保証金を供託し、免許権者に供託した旨の届出をした後でなければ、その事務所での事業を開始することはできません(宅建業法26条)。本肢は、支店の営業開始後に供託の届出を行うとしているので誤りです。
    宅地建物取引業者は、事業の開始後新たに事務所を設置したとき(第七条第一項各号の一に該当する場合において事務所の増設があつたときを含むものとする。)は、当該事務所につき前条第二項の政令で定める額の営業保証金を供託しなければならない。
  2. [正しい]。免許権者は、宅地建物取引業の免許をした日から3月以内に営業保証金を供託した旨の届出がない場合、届出をすべき旨の催告をしなければなりません(宅建業法25条6項)。その催告が到達した日から1月以内に当該宅地建物取引業者からの届出がない場合には、免許権者はその免許を取り消すことができます(宅建業法25条7項)。
    国土交通大臣又は都道府県知事は、第三条第一項の免許をした日から三月以内に宅地建物取引業者が第四項の規定による届出をしないときは、その届出をすべき旨の催告をしなければならない。
    国土交通大臣又は都道府県知事は、前項の催告が到達した日から一月以内に宅地建物取引業者が第四項の規定による届出をしないときは、その免許を取り消すことができる。
  3. 誤り。営業保証金の還付公告をしなくてもよいのは、①供託所を移転した、②保証協会の社員になったという2つのケースのみです。廃業により営業保証金を取り戻すときだけでなく、支店の廃止により営業保証金を取り戻すときも、還付請求権者に対して6月以上の公告をしなければなりません(宅建業法30条2項)。
    前項の営業保証金の取りもどし(前条第一項の規定により供託した場合における移転前の主たる事務所のもよりの供託所に供託した営業保証金の取りもどしを除く。)は、当該営業保証金につき第二十七条第一項の権利を有する者に対し、六月を下らない一定期間内に申し出るべき旨を公告し、その期間内にその申出がなかつた場合でなければ、これをすることができない。ただし、営業保証金を取りもどすことができる事由が発生した時から十年を経過したときは、この限りでない。
  4. 誤り。営業保証金は、取戻事由の発生時から10年を経過すれば、還付請求者に対する公告をすることなく取り戻すことできます。このような取扱いとなっているのは、債権者が権利を行使できる時から10年が経過すれば、宅地建物取引業者に対する債権が消滅時効にかかるからです(宅建業法30条2項)。
    本肢では廃業により免許の効力が失われていますが、宅地建物取引業者であった者は、廃業等した後も、既に契約していた取引を結了する目的の範囲内においては、引き続き宅地建物取引業者であるとみなされます(宅建業法76条)。営業保証金の取戻事由の一つに「免許の有効期間が満了したとき」がありますが、前述の規定によるみなし宅地建物取引業者の場合は、みなし期間が終了したときが免許の有効期間満了時となります(宅建業法30条1項)。
    したがって、本肢のケースでは「取引が結了したとき」が営業保証金の取戻事由の発生時となり、そこから10年を経過しなければ公告なしで営業保証金を取り戻すことはできません。廃業時から10年だと上記より短くなるので宅建業法違反となります。
    第三条第二項の有効期間(同条第四項に規定する場合にあつては、同項の規定によりなお効力を有することとされる期間を含む。第七十六条において同じ。)が満了したとき、…、宅地建物取引業者であつた者又はその承継人(第七十六条の規定により宅地建物取引業者とみなされる者を除く。)は、当該宅地建物取引業者であつた者が供託した営業保証金を取り戻すことができる。…
したがって正しい記述は[2]です。