宅建試験過去問題 平成25年試験 問29(改題)

問29

宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 宅地建物取引業者でない売主と宅地建物取引業者である買主が、媒介業者を介さず宅地の売買契約を締結する場合、法第35条の規定に基づく重要事項の説明義務を負うのは買主の宅地建物取引業者である。
  2. 建物の管理が管理会社に委託されている当該建物の賃貸借契約の媒介をする宅地建物取引業者は、当該建物が区分所有建物であるか否かにかかわらず、その管理会社の商号又は名称及びその主たる事務所の所在地を、借主に説明しなければならない。
  3. 区分所有建物の売買において、売主及び買主が宅地建物取引業者である場合、法第35条の規定により当該売主が当該買主に対して交付すべき書面には、当該一棟の建物に係る計画的な維持修繕のための修繕積立金積立総額及び売買の対象となる専有部分に係る修繕積立金額の記載をすれば、滞納があることについては記載をしなくてもよい。
  4. 区分所有建物の売買において、売主及び買主が宅地建物取引業者である場合、当該売主は当該買主に対し、法第35条の2に規定する供託所等の説明をしなければならない。

正解 2

問題難易度
肢111.5%
肢274.7%
肢36.9%
肢46.9%

解説

  1. 誤り。重要事項説明は取得しようとしている人、借りようとしている人に対して行うものなので、売主に対して重要事項説明をする必要はありません。本肢のように売主が一般人、買主が宅地建物取引業者のケースでは重要事項の説明義務を負う人はいません(宅建業法35条1項)。
  2. [正しい]。建物の管理が委託されている場合、委託を受けている者の氏名及び住所は、当該建物が区分所有建物であるか否かにかかわらず、重要事項の説明の対象となります(宅建業法規則16条の2第8号)。
    当該一棟の建物及びその敷地の管理が委託されているときは、その委託を受けている者の氏名(法人にあつては、その商号又は名称)及び住所(法人にあつては、その主たる事務所の所在地)
  3. 誤り。修繕積立金の内容および既に積み立てられた額は重要説明の項目に含まれるので、重要事項説明書に記載する必要があります。また、修繕積立金等について滞納があるときは滞納額(滞納なしであれば0円)も記載しなければなりません(宅建業法規則第16条の2第6号解釈運用-修繕積立金等について)。宅地建物取引業者間の取引であっても記載事項の省略はできません。
    当該一棟の建物の計画的な維持修繕のための費用の積立てを行う旨の規約の定めがあるときは、その内容及び既に積み立てられている額
    当該区分所有建物に関し修繕積立金等についての滞納があるときはその額を告げることとする。
  4. 誤り。宅地建物取引業者は、売買・交換・貸借の契約が成立するまでに、営業保証金を供託しているときは供託所の名称と所在地、保証協会の社員であるときはその旨と保証協会及び供託所の名称・所在地について相手方(宅地建物取引業者を除く)説明しなくてはなりません。本肢のように相手方が宅地建物取引業者である場合、供託所についての説明は不要です(宅建業法35条の2)。
    宅地建物取引業者は、宅地建物取引業者の相手方等(宅地建物取引業者に該当する者を除く。)に対して、当該売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、当該宅地建物取引業者が第六十四条の二第一項の規定により指定を受けた一般社団法人の社員でないときは第一号に掲げる事項について、当該宅地建物取引業者が同項の規定により指定を受けた一般社団法人の社員であるときは、第六十四条の八第一項の規定により国土交通大臣の指定する弁済業務開始日前においては第一号及び第二号に掲げる事項について、当該弁済業務開始日以後においては第二号に掲げる事項について説明をするようにしなければならない。
したがって正しい記述は[2]です。