宅建試験過去問題 令和6年試験 問26

問26

宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。
  1. ガス配管設備等に関して、住宅の売買後においても宅地内のガスの配管設備等の所有権が家庭用プロパンガス販売会社にあるものとする場合には、その旨を説明しなければならない。
  2. 重要事項の説明を行う宅地建物取引士は専任の宅地建物取引士でなくてもよいが、書面に記名する宅地建物取引士は専任の宅地建物取引士でなければならない。
  3. 区分所有建物である事務所ビルの一室の売買の媒介を行う場合、当該1棟の建物及びその敷地の管理が委託されているときは、その委託を受けている者の氏名(法人にあっては、その商号又は名称)及び住所(法人にあっては、その主たる事務所の所在地)を説明しなければならない。
  4. 区分所有建物である中古マンションの一室の売買の媒介を行う場合、当該1棟の建物の計画的な維持修繕のための費用の積立てを行う旨の規約の定めがあるときは、その内容及び既に積み立てられている額について説明しなければならない。
  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. 四つ

正解 3

問題難易度
肢14.5%
肢219.8%
肢369.3%
肢46.4%

解説

  1. 正しい。重要事項説明の内容として、飲用水、電気、ガス、排水等のための施設の整備の状況(未整備である場合は、整備の見通しと整備に関する特別の負担)を説明する必要があります(宅建業法35条1項4号)。この説明の一環として、宅地内にガスの配管設備等があり、その所有権が住宅の売買後もプロパンガス販売業者にある場合には、その旨の説明をすることになっています(解釈運用-第35条第1項第4号関係)。
    【参考】
    住宅に新たにプロパンガスを供給する場合、プロパンガス業者が無償でガスの配管工事を行う商慣習が広くあります。プロパンガス業者は配管工事の費用をガス料金に上乗せする形で回収しますが、途中でガス会社を変更しようとする場合、プロパンガス業者が配管の所有権を主張し、買取りを請求することがあります。買主にこのような特別の費用負担が生じる可能性があるため、重要説明の内容とされています。
    飲用水、電気及びガスの供給並びに排水のための施設の整備の状況(これらの施設が整備されていない場合においては、その整備の見通し及びその整備についての特別の負担に関する事項)
    ガス配管設備等に関して、住宅の売買後においても宅地内のガスの配管設備等の所有権が家庭用プロパンガス販売業者にあるものとする場合には、その旨の説明をすることとする。
  2. 誤り。専任の宅地建物取引士でなければ行えない業務はありません。35条書面への記名と説明、37条書面への記名のいずれも、その業務を行うべき宅地建物取引業者に勤務する宅地建物取引士であれば誰でも行うことができます。例えば、パートやアルバイトの宅地建物取引士であっても35条書面への記名は可能です。
  3. 正しい。区分所有建物の売買・貸借において、1棟の建物と敷地の管理が管理業者に委託されている場合、その委託を受けている者の氏名住所(法人は商号・名称と事務所の所在地)が重要事項説明の内容となります(宅建業法規則16条の2第8号)。建物が適正に管理されるかどうかは、物件の資産価値や快適な居住環境の維持に大きく関わるためです。なお、管理業者が登録を受けたマンション管理業者である場合にはその登録番号を記載することとされています。
    当該一棟の建物及びその敷地の管理が委託されているときは、その委託を受けている者の氏名(法人にあつては、その商号又は名称)及び住所(法人にあつては、その主たる事務所の所在地)
  4. 正しい。区分所有建物の売買において、1棟の建物の修繕積立金の積立てを行う規約の定めがあるときは、その内容と既に積み立てられた額が重要事項説明の内容となります(宅建業法規則16条の2第6号)。修繕積立金の総額と売買対象となる専有部分に分けて説明し、滞納がある場合にはその額を告げなければなりません。
    当該一棟の建物の計画的な維持修繕のための費用の積立てを行う旨の規約の定めがあるときは、その内容及び既に積み立てられている額
したがって正しいものは「三つ」です。