宅建試験過去問題 令和6年試験 問19
問19
宅地造成及び特定盛土等規制法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市及び中核市にあってはその長をいうものとし、地方自治法に基づく施行時特例市に係る経過措置については考慮しないものとする。- 都道府県知事は、基礎調査のために他人の占有する土地に立ち入って測量又は調査を行う必要があるときは、その必要の限度において、当該土地に、自ら立ち入り、又はその命じた者若しくは委任した者に立ち入らせることができ、当該土地の占有者は、正当な理由がない限り、その立入りを拒み、又は妨げてはならない。
- 都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内の土地について、宅地造成等に伴う災害を防止するために必要があると認める場合には、その土地の所有者に対して、擁壁等の設置等の措置をとることを勧告することができる。
- 工事主は、宅地造成等工事規制区域において行われる宅地造成等に関する工事について、工事着手後2週間以内に、宅地造成等に関する工事の施行に係る土地の周辺地域の住民に対し、説明会の開催その他の当該宅地造成等に関する工事の内容を周知させるため必要な措置を講じなければならない。
- 特定盛土等規制区域内において行われる特定盛土等又は土石の堆積に関する工事については、工事主は、当該工事に着手する日の30日前までに、主務省令で定めるところにより、当該工事の計画を都道府県知事に届け出なければならない。ただし、特定盛土等又は土石の堆積に伴う災害の発生のおそれがないと認められるものとして政令で定める工事については、この限りでない。
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正解 3
問題難易度
肢14.7%
肢24.6%
肢368.1%
肢422.6%
肢24.6%
肢368.1%
肢422.6%
分野
科目:2 - 法令上の制限細目:6 - 盛土規制法
解説
- 正しい。都道府県は、法が定める規制区域の指定や災害防止対策の前提として、区域内の土地について地形・地質の状況等に関する調査を行うことになっています。これが「基礎調査」です。都道府県知事やその命じた者や委任した者は基礎調査のために他人の土地に立ち入ることができます(盛土規制法5条1項)。土地の占有者は正当な事由がない限り、この立入りを拒むこと、妨げることができません(盛土規制法5条5項)。
都道府県知事(指定都市又は中核市の区域内の土地については、それぞれ指定都市又は中核市の長。第五十条を除き、以下同じ。)は、基礎調査のために他人の占有する土地に立ち入つて測量又は調査を行う必要があるときは、その必要の限度において、他人の占有する土地に、自ら立ち入り、又はその命じた者若しくは委任した者に立ち入らせることができる。
土地の占有者は、正当な理由がない限り、第一項の規定による立入りを拒み、又は妨げてはならない。
都道府県(地方自治法に基づく指定都市、中核市又は施行時特例市の区域にあっては、それぞれ指定都市、中核市又は施行時特例市)は、基礎調査のために行う測量又は調査のため他人の占有する土地に立ち入ったことにより他人に損失を与えたときは、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。(R2⑫-19-3)土地の占有者は、都道府県知事又はその命じた者若しくは委任した者が、基礎調査のために当該土地に立ち入って測量又は調査を行う場合、正当な理由がない限り、立入りを拒み、又は妨げてはならない。(R2⑩-19-1)土地の占有者は、都道府県知事又はその命じた者若しくは委任した者が、基礎調査のために当該土地に立ち入って測量又は調査を行う場合、正当な理由がない限り、立入りを拒み、又は妨げてはならない。(H26-19-3)都道府県は、基礎調査のために行う測量又は調査のため他人の占有する土地に立ち入ったことにより他人に損失を与えたときは、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。(H21-20-3)都道府県知事又はその命じた者若しくは委任した者は、基礎調査のため測量又は調査を行う必要があるときは、その必要の限度において、他人の占有する土地に立ち入ることができる。(H20-22-3) - 正しい。都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内の土地について、宅地造成等に伴う災害の防止のため必要がある場合は、その土地の所有者・管理者・占有者・工事主又は工事施行者に対し、擁壁の設置や改造を勧告することができます(盛土規制法22条2項)。
都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内の土地について、宅地造成等に伴う災害の防止のため必要があると認める場合においては、その土地の所有者、管理者、占有者、工事主又は工事施行者に対し、擁壁等の設置又は改造その他宅地造成等に伴う災害の防止のため必要な措置をとることを勧告することができる。
都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内の土地について、宅地造成等に伴う災害を防止するために必要があると認める場合には、その土地の所有者に対して、擁壁等の設置等の措置をとることを勧告することができる。(R5-19-3)都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内の土地について、宅地造成等に伴う災害を防止するために必要があると認める場合には、その土地の所有者に対して、擁壁等の設置等の措置をとることを勧告することができる。(H27-19-1)都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内の土地について、宅地造成等に伴う災害の防止のため必要があると認める場合においては、その土地の所有者、管理者、占有者、工事主又は工事施行者に対し、擁壁の設置等の措置をとることを勧告することができる。(H25-19-4)都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内の土地について、宅地造成等に伴う災害の防止のため必要があると認める場合においては、土地の所有者に対し、擁壁の設置等の措置をとることを勧告することができる。(H18-23-4) - [誤り]。着手後ではありません。宅地造成等工事規制区域内で宅地造成等に関する工事の許可を申請しようとする工事主は、あらかじめ、土地の周辺住民に対し、説明会の開催等を実施して工事の内容を周知させなければなりません(盛土規制法11条)。周知させる方法としては、①説明会の開催、②書面の配布、③掲示+インターネット上での情報提供、④都道府県が定める方法の4つが認められています(盛土規制法規則6条)。
工事主は、次条第一項の許可の申請をするときは、あらかじめ、主務省令で定めるところにより、宅地造成等に関する工事の施行に係る土地の周辺地域の住民に対し、説明会の開催その他の当該宅地造成等に関する工事の内容を周知させるため必要な措置を講じなければならない。
法第十一条の宅地造成等に関する工事の施行に係る土地の周辺地域の住民に周知させるための必要な措置は、次に掲げるいずれかの方法により行うものとする。ただし、令第七条第二項第二号に規定する土地において同号に規定する盛土をする場合又は都道府県(中略)の条例若しくは規則で定める場合にあつては、第一号に掲げる方法により行うものとする。
一 宅地造成等に関する工事の内容についての説明会を開催すること。
二 宅地造成等に関する工事の内容を記載した書面を、当該工事の施行に係る土地の周辺地域の住民に配布すること。
三 宅地造成等に関する工事の内容を当該工事の施行に係る土地又はその周辺の適当な場所に掲示するとともに、当該内容をインターネットを利用して住民の閲覧に供すること。
四 前三号に掲げるもののほか、都道府県の条例又は規則で定める方法 - 正しい。特定盛土等規制区域内で、一定規模以上の特定盛土等・土石の堆積に関する工事をしようとする工事主は、一定の場合を除き、工事着手日の30日前までに工事の計画を都道府県知事に届け出なければなりません(盛土規制法27条1項)。届出対象となるのは、宅地造成等規制区域で許可が必要となる工事の種類と同じですが、特定盛土等規制区域で許可制となる工事は除かれます。
- 切土で2m超の崖を生じるもの
- 盛土で1m超の崖を生じるもの
- 切土盛土を合わせて2m超の崖を生じるもの
- 盛土で高さが2m超
- 切土盛土をする土地面積が500㎡超
- 土石の堆積で、高さ2m超かつ面積300㎡以上、又は面積500㎡超
特定盛土等規制区域内において行われる特定盛土等又は土石の堆積に関する工事については、工事主は、当該工事に着手する日の三十日前までに、主務省令で定めるところにより、当該工事の計画を都道府県知事に届け出なければならない。ただし、特定盛土等又は土石の堆積に伴う災害の発生のおそれがないと認められるものとして政令で定める工事については、この限りでない。
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