宅建試験過去問題 平成23年試験 問47

問47

宅地建物取引業者が行う広告等に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法（不動産の表示に関する公正競争規約を含む。）の規定によれば、正しいものはどれか。
  1. 分譲宅地（50区画）の販売広告を新聞折込チラシに掲載する場合、広告スペースの関係ですべての区画の価格を表示することが困難なときは、1区画当たりの最低価格、最高価格及び最多価格帯並びにその価格帯に属する販売区画数を表示すれば足りる。
  2. 新築分譲マンションの販売において、モデル・ルームは、不当景品類及び不当表示防止法の規制対象となる「表示」には当たらないため、実際の居室には付属しない豪華な設備や家具等を設置した場合であっても、当該家具等は実際の居室には付属しない旨を明示する必要はない。
  3. 建売住宅の販売広告において、実際に当該物件から最寄駅まで歩いたときの所要時間が15分であれば、物件から最寄駅までの道路距離にかかわらず、広告中に「最寄駅まで徒歩15分」と表示することができる。
  4. 分譲住宅の販売広告において、当該物件周辺の地元住民が鉄道会社に駅の新設を要請している事実が報道されていれば、広告中に地元住民が要請している新設予定時期を明示して、新駅として表示することができる。
1234
広告

正解　1

問題難易度
肢183.5%
肢23.8%
肢33.0%
肢49.7%

分野

科目：6 - 土地と建物及びその需給
細目：2 - 不当景品類及び不当表示防止法

解説

  1. [正しい]。販売する土地の価格について、全ての区画の価格を表示することが困難であるときは、パンフレット等の媒体を除き、1区画当たりの①最低価格、②最高価格、③最多価格帯、④その価格帯に属する販売区画数を表示すれば足ります。なお、④については販売区画数が10未満であるときは省略することができます（表示規約規則9条(36)）。
    本肢は50区画なので、①～④の全てを表示しなければなりません。
    前号の場合において、取引する全ての区画の価格を表示すること。ただし、分譲宅地の価格については、パンフレット等の媒体を除き、１区画当たりの最低価格、最高価格及び最多価格帯並びにその価格帯に属する販売区画数のみで表示することができる。また、この場合において、販売区画数が10未満であるときは、最多価格帯の表示を省略することができる。
  2. 誤り。モデルルームは物件の宣伝をする目的の建物なので、不当景品類及び不当表示防止法の規制対象となる広告表示に該当します（表示規約4条5項(5)）。モデルルームに実際の居室には付属しない豪華な設備や家具等を設置した場合は、実際より優良であると誤認されることを避けるためにその旨を表示する必要があります（表示規約23条(32)）。
    物件自体による表示及びモデル・ルームその他これらに類似する物による表示
    建物に付属する設備について、実際のものよりも優良であると誤認されるおそれのある表示
  3. 誤り。徒歩による所要時間は、道路距離80メートルにつき1分間（1分未満の端数は切り上げ）に換算してを表示しなければなりません（表示規約規則9条(9)）。人によって歩く速度は異なるため、実際に歩いた所要時間で表示することはできません。
    徒歩による所要時間は、道路距離80メートルにつき１分間を要するものとして算出した数値を表示すること。この場合において、１分未満の端数が生じたときは、１分として算出すること。
    物件からスーパーマーケット等の商業施設までの徒歩所要時間は、道路距離80ｍにつき1分間を要するものとして算出し、1分未満の端数が生じたときは、端数を切り捨てて表示しなければならない。（R4-47-1）
    新築住宅を販売するに当たり、当該物件から最寄駅まで実際に歩いたときの所要時間が15分であれば、物件から最寄駅までの道路距離にかかわらず、広告中に「最寄駅まで徒歩15分」と表示することができる。（R2⑩-47-2）
    取引しようとする賃貸物件から最寄りの甲駅までの徒歩所要時間を表示するため、当該物件から甲駅までの道路距離を80ｍで除して算出したところ5.25分であったので、1分未満を四捨五入して「甲駅から5分」と表示した。この広告表示が不当表示に問われることはない。（H29-47-3）
    各種施設までの徒歩による所要時間を表示する場合は、直線距離80ｍにつき1分間を要するものとして算出した数値を表示し、また、1分未満の端数が生じたときは1分間として計算して表示しなければならない。（H15-47-2）
  4. 誤り。新設予定の鉄道の駅やバスの停留所については、当該路線の運行主体が公表したものに限り、その新設予定時期を明示して表示することができます（表示規約規則9条(6)）。よって、地元住民が鉄道会社に駅の新設を要請している事実の報道を基に、新駅の表示をすることはできません。
    新設予定の駅等又はバスの停留所は、当該路線の運行主体が公表したものに限り、その新設予定時期を明示して表示することができる。
    近くに新駅の設置が予定されている分譲住宅の販売広告を行うに当たり、当該鉄道事業者が新駅設置及びその予定時期を公表している場合、広告の中に新駅設置の予定時期を明示して表示してもよい。（H28-47-4）
    現在の最寄駅よりも近くに新駅の設置が予定されている分譲住宅の販売広告を行うに当たり、当該鉄道事業者が新駅設置及びその予定時期を公表している場合、広告の中に新駅設置の予定時期を明示して、新駅を表示してもよい。（H14-47-2）
したがって正しい記述は[1]です。
広告
広告