営業保証金(全23問中3問目)

No.3

宅地建物取引業法に規定する営業保証金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
令和2年12月試験 問33
  1. 宅地建物取引業者は、事業の開始後、新たに従たる事務所を設置したときは、その従たる事務所の最寄りの供託所に政令で定める額の営業保証金を供託し、その旨を免許権者に届け出なければならない。
  2. 宅地建物取引業者は、主たる事務所を移転したためその最寄りの供託所が変更した場合、国債証券をもって営業保証金を供託しているときは、遅滞なく、従前の主たる事務所の最寄りの供託所に対し、営業保証金の保管替えを請求しなければならない。
  3. 宅地建物取引業者は、免許の有効期間満了に伴い営業保証金を取り戻す場合は、還付請求権者に対する公告をすることなく、営業保証金を取り戻すことができる。
  4. 免許権者は、宅地建物取引業者が宅地建物取引業の免許を受けた日から3月以内に営業保証金を供託した旨の届出をしないときは、その届出をすべき旨の催告をしなければならず、その催告が到達した日から1月以内に届出がないときは、当該宅地建物取引業者の免許を取り消すことができる。

正解 4

問題難易度
肢17.2%
肢29.2%
肢39.5%
肢474.1%

解説

  1. 誤り。営業保証金の供託は、本店・支店の分をまとめて主たる事務所の最寄りの供託所にしなければなりません。新たに事務所を設置したとき、その事務所に係る営業保証金の供託先は主たる事務所の最寄りの供託所となります。本肢は「従たる事務所の最寄りの供託所に」としているので誤りです(宅建業法25条1項)。
    宅地建物取引業者は、営業保証金を主たる事務所のもよりの供託所に供託しなければならない。
  2. 誤り。営業保証金の保管替えを請求できるのは、供託が金銭のみで行われている場合に限られます。有価証券を充てている場合には保管替えできないので、移転後の供託所に全額を供託してから移転前の供託所から取り戻すことになります(宅建業法29条1項)。
    宅地建物取引業者は、その主たる事務所を移転したためその最寄りの供託所が変更した場合において、金銭のみをもつて営業保証金を供託しているときは、法務省令・国土交通省令の定めるところにより、遅滞なく、費用を予納して、営業保証金を供託している供託所に対し、移転後の主たる事務所の最寄りの供託所への営業保証金の保管替えを請求し、その他のときは、遅滞なく、営業保証金を移転後の主たる事務所の最寄りの供託所に新たに供託しなければならない。
  3. 誤り。下記の3つに該当する場合を除き、営業保証金を取り戻す際には6月以上の公告をしなければなりません(宅建業法30条2項)。
    1. 保証協会の社員となった
    2. 本店の移転により、最寄りの供託所が変更になった
    3. 営業保証金を取りもどすことができる事由発生から10年経過した
    免許の有効期間が満了した場合は、6月以上の公告をした後でなければ営業保証金を取り戻すことはできません。
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    前項の営業保証金の取りもどし(前条第一項の規定により供託した場合における移転前の主たる事務所のもよりの供託所に供託した営業保証金の取りもどしを除く。)は、当該営業保証金につき第二十七条第一項の権利を有する者に対し、六月を下らない一定期間内に申し出るべき旨を公告し、その期間内にその申出がなかつた場合でなければ、これをすることができない。ただし、営業保証金を取りもどすことができる事由が発生した時から十年を経過したときは、この限りでない。
  4. [正しい]。免許をした日から3月以内に供託した旨の届出がないときは、免許権者は当該業者に対してその届出をすべき旨の催告をしなければなりません(宅建業法25条6項)。この催告を受けた日から1月以内に供託した旨の届出がない場合、免許権者は当該業者の免許を取り消すことができます(宅建業法25条7項)。
    国土交通大臣又は都道府県知事は、第三条第一項の免許をした日から三月以内に宅地建物取引業者が第四項の規定による届出をしないときは、その届出をすべき旨の催告をしなければならない。
    国土交通大臣又は都道府県知事は、前項の催告が到達した日から一月以内に宅地建物取引業者が第四項の規定による届出をしないときは、その免許を取り消すことができる。
したがって正しい記述は[4]です。