宅地建物取引士(全36問中29問目)

No.29

甲県知事の宅地建物取引士登録(以下この問において「登録」という。)を受けている宅地建物取引士Aに関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
平成15年試験 問33
  1. Aが破産手続開始の決定を受けて復権を得ないものに該当することとなったときは、破産手続開始の決定を受けた日から30日以内にAの破産管財人が甲県知事にその旨を届け出なければならない。
  2. Aは、乙県知事から事務の禁止処分を受けたが、乙県内に所在する宅地建物取引業者Bの事務所の業務に従事しているため、その禁止の期間が満了すれば、甲県知事を経由して、乙県知事に登録の移転の申請をすることができる。
  3. Aが無免許営業等の禁止に関する宅地建物取引業法に違反して宅地建物取引業を営み、懲役1年、執行猶予3年及び罰金10万円の刑に処せられ、登録を消除されたとき、執行猶予期間が満了すれば、その翌日から登録を受けることができる。
  4. Aが役員をしているC社が宅地建物取引業の免許を受けたにもかかわらず、営業保証金を供託せず免許が取り消された場合には、Aの登録は消除される。

正解 2

問題難易度
肢121.4%
肢249.0%
肢318.1%
肢411.5%

解説

  1. 誤り。宅地建物取引士が破産手続開始の決定を受けて復権を得ないものになったときは、本人が、登録を受けている都道府県知事に対して届け出ます(宅建業法21条2号宅建業法18条1項2号)。本肢は「破産管財人が」としているので誤りです。
    第十八条第一項の登録を受けている者が次の各号のいずれかに該当することとなつた場合においては、当該各号に定める者は、その日(第一号の場合にあつては、その事実を知つた日)から三十日以内に、その旨を当該登録をしている都道府県知事に届け出なければならない。

    二 第十八条第一項第一号から第八号までのいずれかに該当するに至つた場合 本人
    破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
  2. [正しい]。事務禁止期間が満了すれば、甲県知事を経由して、乙県知事に登録の移転の申請をすることができます。なお、事務禁止期間中は登録の移転の申請をすることができません(宅建業法19条の2)。
    第十八条第一項の登録を受けている者は、当該登録をしている都道府県知事の管轄する都道府県以外の都道府県に所在する宅地建物取引業者の事務所の業務に従事し、又は従事しようとするときは、当該事務所の所在地を管轄する都道府県知事に対し、当該登録をしている都道府県知事を経由して、登録の移転の申請をすることができる。ただし、その者が第六十八条第二項又は第四項の規定による禁止の処分を受け、その禁止の期間が満了していないときは、この限りでない。
  3. 誤り。禁錮以上の刑、宅建業法違反での罰金刑はどちらも欠格事由です。懲役刑については執行猶予期間満了と同時に欠格事由ではなくなりますが、罰金刑には実質的に執行猶予の概念がありません。よって、罰金刑から5年を経過するまでは登録を受けることができません(宅建業法18条1項7号
    この法律若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反したことにより、又は刑法第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者
  4. 誤り。法人が免許取消し処分になった場合に、その法人の役員である(または聴聞の公示前60日以内に役員であった)宅地建物取引士の登録が消除されるのは、免許取消し事由が以下の3つのときに限られます(宅建業法18条1項3号)。
    1. 不正な手段で免許を受けた
    2. 業務停止処分に違反した
    3. 業務停止処分に該当し、情状が特に重い
    本肢は、営業保証金の供託をしなかったことによる免許取消しですから、役員の登録が消除されることはありません。
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したがって正しい記述は[2]です。