令和元年問32選択肢4

宅建士の学習をしている皆様へ
サニさん
(No.1)
令和元年問32の選択肢4について
https://takken-siken.com/kakomon/2019/32.html

解説文
誤り]。低廉な空家等の特例は、該媒介に要する費用を勘案して本来の報酬額を超えることができるものです。ここでいう「費用を勘案して」とは、取引の態様や難易度等に応じて当該媒介業務に要すると見込まれる費用の水準や多寡を考慮するものとされています(解釈運用-告示第7関係③)。
したがって、通常の売買の媒介と比較して費用を多く要しない場合は、合意があっても報酬額の加算はできず、本則どおり「200万円x5%x1.10=11万円」が報酬額の上限となります。

解説中にもあるとおり、改正後の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」では、

「当該媒介に要する費用」とは、人件費等を含むものであり、「費用を勘案して」とは、報酬額の算出に当たって、取引の態様や難易度等に応じて当該媒介業務に要すると見込まれる費用の水準や多寡を考慮することを求めるものであって、当該費用に相当する金額を上回る報酬を受けることを禁ずる趣旨のものではない

とされています。

この記載からすると、当該媒介に要する費用の額と、特例によって受領できる報酬額とは必ずしも一致しないものと解されます。

したがって、

「通常の媒介より費用を多く要しない」
=「当該媒介に要する費用を勘案していない」
=「特例を利用できない」

とは、直ちには導けないのではないでしょうか。

また、本問を「通常の媒介に比べて費用を多く要しないこと」を理由に誤りとするのであれば、極論になりますが次のような場合との整合性も問題になると思われます。

通常の媒介に要する費用が15万円、当該媒介に要すると見込まれる費用が13万円である場合、当該媒介は「通常の媒介より費用を多く要しない」ことになります。
しかし、代金200万円の物件における通常の報酬上限は11万円であるため、当該媒介については、なお通常報酬の上限を超える費用が見込まれることになります。

この例からも、特例の適用可否を「通常の媒介より費用を多く要するか」という相対比較によって判断するのではなく、当該媒介自体に要すると見込まれる費用の水準や多寡を勘案して判断すべきであると考えます。

したがって、通常の媒介との費用比較だけでは、特例適用の可否を判断できない場合があると考えます。

さらに、現行の解釈・運用では、当該媒介に要する費用相当額を上回る報酬を受けること自体も禁止されていません。

以上から、本問を「通常の売買の媒介と比較して費用を多く要しないこと」を理由として誤りとする解説については、現行の報酬告示第7及びその解釈・運用との整合性に疑義があります。

本問が「当該媒介に要する費用を勘案していないこと」を理由に誤りとなるのであれば、現行の問題文からその事実を読み取ることができるのか、また、その根拠をご確認いただけますでしょうか。

必要に応じて、問題文を「当該媒介に要する費用を勘案することなく」等と修正するか、正誤又は解説内容の再検討をお願いいたします。
2026.07.13 23:31
ヤスさん
(No.2)
サニさん

管理人さんからの返答でなくて申し訳ありません。
去年の掲示板に同じように、この『低廉な空き屋特例』に関して何度も質問があり、そのたびに私をはじめ多くの方がコメントした事があり、その後試験前の9月に管理人さんがこの令和元年問32をはじめとした関連過去問を再度改題した経緯があります。

ただ、その改題後に挙がった過去スレで、私はこの問題は『小手先の改題では無理で没問にすべき』と意見を述べました。
下記スレです。よろしかったら、参照下さい。

https://takken-siken.com/bbs/4953.html

その後、去年の試験で、この『費用を勘案して』に関して何か具体的な進展あるかなと見守っていましたが、試験では『低廉な空き屋特例』が出るには出ましたが、この『費用を勘案して』に具体的に踏み込んだような問題は出ませんでした。
なので、今回管理人さんがどういう回答をされるのか、サニさん共々、注意深く見守っている次第です。

私の考えは過去スレの回答と変わっていません。
この『費用を勘案して』に具体的に踏み込んだ問題は、宅建試験で出して良い問題ではないと思っています。
この低廉な空き屋特例は、『あらかじめ報酬額について依頼者に説明、合意を受ける』事に主眼を置いていると考えています。

そもそも具体的費用を依頼者に明示する必要がないため、『費用を勘案した』かどうかを調べる術がありません。
これは、国土交通省が令和6年5月にこの報酬告示改正のために意見募集を行い、それに対する回答の中でも述べています。
下記にその『令和6年6月21日国土交通省不動産・建設経済局不動産業課「宅地建物取引−パブリックコメント』の一部を紹介します。

(意見)
「当該媒介に要する費用を勘案して」の解釈について伺いたい。現地調査費等の実費を上乗せできるという現行制度の取扱いに変更はないか。
(回答)
「当該媒介に要する費用」とは、人件費等を含むものであり、「費用を勘案して」とは、報酬額の算出に当たって、取引の態様や難易度等に応じて当該媒介業務に要すると見込まれる費用の水準や多寡を考慮することを求めるものであって、当該費用に相当する金額を上回る報 酬を受けることを禁ずる趣旨のものではありません。また、費用の算出の基準となる「当該媒介に要する費用」は、現行の告示第七における「(通常…と比較して)現地調査等に要する費用」と異なり、宅地建物取引業者において当該媒介業務に要すると見込まれる費用の全てが対象となります。
なお、現行制度においては、媒介報酬のほか、依頼者の特別の依頼により行う遠隔地における現地調査等に要する実費の費用に相当する金銭を受領することが可能であるところ、この取扱いについては、変更ありません

(意見)
「当該媒介に要する費用を勘案して」について、具体的に媒介
に要した調査費用(人件費、交通費、WEB サイトへの掲載費
等)を依頼者に明示する必要があるか。
(回答)
「低廉な空家等」又は「長期の空家等」に係る特例に基づき報酬を受ける際は、具体的に媒介に要した調査費用を依頼者に明示する必要はありませんが、宅地建物取引業者は、媒介契約の締結に際しあらかじめ、この規定に定める上限の範囲内で、報酬額について依頼者に対して説明し、合意する必要があります。

長文、失礼しました。
私も管理人さんからの返答を楽しみに待ちます。
2026.07.14 23:25
サニさん
(No.3)
ありがとうございます!
2026.07.15 06:59
管理人
(No.4)
ご意見ありがとうございます。
本問の肢4について、疑義があるというご意見はごもっともかと思います。改めて内容を確認したところ、私としても必要な修正を行う必要があると感じました。

修正案としては次の3つです。少し検討させていただき、疑義がなくなるような方向性で調整を行いたいと思います。

① 報酬額の算出に当たって、取引の態様や難易度等に応じて当該媒介業務に要すると見込まれる費用の水準や多寡を考慮しなくても、あらかじめ報酬額について売主Dに説明し・・・

ガイドラインの「費用を勘案して」の具体的な内容を問う内容です。

② 媒介契約の締結時に報酬額について説明していない場合でも、当該媒介に係る売買契約の締結前に、報酬額について売主Dに説明し、合意していた場合には、・・・

特例計算を適用するには、媒介契約の締結に際しあらかじめ依頼者に説明し、合意を得る必要があるという要件を問うものです。

③ 当該媒介に要する費用を勘案した報酬額について、・・・AはDから●●円を上限として報酬を受領することができる。

単純に金額を変えるパターンです。
2026.07.15 21:20
ヤスさん
(No.5)
管理人さん

再度の検討、ありがとうございます。
①〜③の案、どれも拝見しました。
私個人の考えなので、参考までにしていただければと思います。

私としては②推しでしょうかね。
私が前レスで挙げたパブリックコメントでも何度も『媒介契約の締結に際しあらかじめ依頼者に説明し、合意を得る必要がある』が強調されていましたので、今後の試験で出る場合は、この部分を問うてくる可能性が高いのではと思います。

①は『費用を勘案して』の意味を宅建業法解釈・運用の考え方の記載通りに出題しているものです。
よく本試験では解釈・運用の考え方の記載をズバリ書いてきて、『この通達知ってるか』的な問題を出す事がありますので
その対策に良いと思います。
ただ実務で現実問題『費用を勘案しているのか(つまりその報酬額が取引の態様や難易度から見て本当に適正な水準なのか)』と言われたら、ここの部分はグレーではないかと思います。
国土交通省としては、深刻な空家対策を促進するためにこの改正を行ったと言う経緯があります。でも行き過ぎを防止するために『費用を勘案して』と言うガイドラインを一応設けたのが本音だろうなと思います。
費用を勘案してない事だけをもって宅建業法違反だと取り締まるのは、難しいのではと思います。それよりは『報酬額に関してあらかじめ依頼者に説明し、合意を得る』事を重視しているのではと思います。

最後に
スレ主のサニさんより、先にコメントして申し訳ないです。
2026.07.15 23:52
サニさん
(No.6)
ヤスさん、管理人さん お二人とも返信ありがとうございます!
このサイトで、宅建勉強していたので助かりました!
2026.07.17 09:37
管理人
(No.7)
改題案について意見を頂戴し、ありがとうございました。非常に参考になりました。

明確な誤りという部分、国交省が繰り返し強調しているという点では②が魅力的だと思ったのですが、原題とかなり変わってしまうということで、もう少し考え、以下の4つ目の案で調整しようと考えています(既にサイトには反映済ですが...)。

④ 宅地(代金200万円。消費税等相当額を含まない。)の売買の媒介について、通常の媒介と比較して現地調査等の費用を多く要しない場合には、当該媒介に要する費用を勘案した報酬額について、あらかじめ売主Dに説明し、合意していた場合でも、AはDから110,000円を超える報酬を受領することはできない。

語尾を「できる」→「できない」に変え、金額について、上限33万円から通常計算の11万円と対比する表現に調整しました。
原題は、現地調査等の費用を多く要しない場合には加算できない、ということで誤りでしたが、令和6年の報酬告示改正により、現地調査等の費用を多く要することは特例適用の要件ではなくなっています。この変更点を問うものです。これであれば改正点をおさえつつ、明確に×と言えると思います。
2026.07.20 00:26
ヤスさん
(No.8)
管理人さん

④の改題案、拝見しました。
とても良いと思います。
原題とできるだけ離れないような改題への配慮の視点、恥ずかしながら私には無かったです。
改めて管理人さんのご苦労のほどお察しします。

原題はどういう問題だったんだろうと思われる方のために、下記にこの令和元年問32肢4の原題を載せておきます。
当時は消費税率は8%でした。

【原題】
宅地(代金200万円。消費税等相当額を含まない。)の売買の媒介について、通常の売買の媒介と比較して現地調査等の費用を多く要しない場合でも、売主Dと合意していた場合には、AはDから194,400円を報酬として受領することができる。
2026.07.20 04:36
サニさん
(No.9)
解説も含めて、改正点についてしっかり抑えられているかどうかを問う難しくはあるがとてもいい問題だと思います!
ありがとうございました!!
2026.07.20 12:26

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