【権利関係-意思表示】移転登記したもん勝ちではない?

豚こまさん
(No.1)
権利関係の意思表示についてです。
令和元年問2肢2
AがBに甲土地を売却し、Bが所有権移転登記を備えた場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
「AがBとの売買契約をBの詐欺を理由に取り消す前に、Bの詐欺について悪意のCが、Bから甲土地を買い受けて所有権移転登記を備えていた場合、AはCに対して、甲土地の返還を請求することができる。」
A.できる(誤りでは無い)
理屈はもちろん分かります。分かってて土地を買ったCを守る必要は無い、というのはその通りだと思います。
ですが私の中で、「移転登記されていたらその時点で対抗出来ない」という認識をしております。
これがまずよく分かっていません。なんか理不尽な気がする…
ですが一応「そういうもの」と認識していたところでこの問題にぶち当たってしまったのでとても混乱しています。
以下、家坂先生のサイトより引用です。
>この場合、売主Aは、契約の取消しを善意無過失の第三者に対抗することができません(民法96条3項)。逆にいえば、第三者が悪意である場合、取消しを対抗することが可能です。
>本肢のCはBの詐欺について悪意です。したがって、Aは、Cに対して甲土地の所有権を主張し、その返還を請求することができます。
>判断の基準になるのは、Cが善意無過失かどうかです。対抗問題ではありませんから、Cが所有権移転登記を受けているからといって、Cが保護されることはありません。
仰っていることは何となく分かるのですが、「え?AとCは対抗してないの?」となってしまって、ここで躓いてしまいました。
尚、権利関係は
・契約
・制限行為能力者
・意思表示
以外学んでおりません(宅建業法については一通り勉強済み)
今後出てくる民法を学ばないと理解を深めることは難しいでしょうか?
宜しくお願いいたします。
2025.05.27 16:30
豚こまさん
(No.2)
平成23年問1肢3
A所有の甲土地につき、AとBとの間で売買契約が締結された場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
「AがBにだまされたとして詐欺を理由にAB間の売買契約を取り消した後、Bが甲土地をAに返還せずにDに転売してDが所有権移転登記を備えても、AはDから甲土地を取り戻すことができる。」
A.出来ない(なぜなら既に登記されているから)
本文との違いが全く分かりません…
取り消し前か取り消し後かの違いですか?
何故取り消し前なら取り戻せるのに取り消し後なら取り戻せないのでしょうか?
本問におけるDが善意無過失だからですか?
仮に本文におけるCが善意無過失だったらどうなるんですか?返還の請求は出来ませんか?それは既に移転登記をしているからですか?善意無過失だからですか?
本当に混乱しています…
よろしくお願いいたします。
2025.05.27 16:50
勉強嫌いの行政書士さん
(No.3)
>取り消し前か取り消し後かの違いですか?
はい、簡単に言えばそうです。
対抗問題とは、「法律行為」によって、所有権がブッキングしている状態です。
例えば、AがBとCに売買が成立した場合などが当てはまります。
また、A→Bの売買し、解除後B→Cに売買した場合は、解除時点でBがAに所有権が戻ったにも関わらず、
Cにも所有権が移った状態になります。
これは、Bを起点としたAとCに売買した状態に酷似していませんか?
この状態を対抗問題といいます。
処理は、簡単です。
〇〇後(例:解除後や取消後)は、すべて177条で処理します。
解除前に関しては、94条2項、95条4項、96条3項(反対解釈)などで処理します。
この規定のことを、「第三者保護規定」と呼びます。
契約解除前は、545条但書で処理します。
よって、このような差異が生じています。
(虚偽表示)
第94条 略
2 前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。
(錯誤)
第95条 略
4 第1項の規定による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。
(詐欺又は強迫)
第96条 略
3 前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。
(不動産に関する物権の変動の対抗要件)
第177条 不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成16年法律第123号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
(解除の効果)
第545条 当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。ただし、第三者の権利を害することはできない。
2025.05.27 19:10
宅建太郎さん
(No.4)
①Aは相場が1,000万の土地を所有している
②詐欺師BがAを騙して800万で買った
③悪意の(Bが安く買い叩いた事を知っている)CがBから900万で買った
民法の考え方として、弱者救済と言うものがあります。
AもBに売る時に相場を確認しておけば良かったかも知れませんが、Aを騙したBとBが詐欺師である事を知っているCの方が悪いとなり、Cが登記を設定していようがAに対抗出来ない(所有権を主張出来ない)となります。
また、引用元の先生が仰ってるCが善意の場合の説明としては、元々の所有者Aが相場を調べていればそもそもBに売らなかったよね?なら相場の確認を怠ったA vs Bが詐欺師である事を知らないCは対抗要件(登記)を先に取得した方が権利を主張することが出来ます。
合わせて、平成23年の問題は取り消し後の所有権移転登記ですが、この場合は登記を戻さなかったAも落ち度があるという判断のため、(先に移転登記をした)Dの勝ちとなります。
2025.05.27 19:35
豚こまさん
(No.5)
宅建太郎様
まとめてのお礼で恐縮ですが本当に本当にありがとうございます。
ハテナが止まらず、通信講座の質問担当の先生に聞いても理解出来ず、YouTube等の解説動画を見ても求めている答えが見つからず…もうここは捨てるしか無いのかと頭を抱えていたので、大変分かりやすく教えていただけて本当に助かりました。
感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。
2025.05.27 20:40
あずきさん
(No.6)
豚こまさんの基本テキストにも以下のようにまとめの記述があると思います。
これを徹底的に頭に入れておきましょう。
・時効の完成・取消し・解除より「前」に第三者が登場
①時効の完成→ 時効取得者の勝ち
②取消し→取消権者の勝ち(ただし錯誤・詐欺による取消しは善意無過失の第三者に対抗できない)
③解除→先に登記したした人が勝ち
・時効の完成・取消し・解除より「後」に第三者が登場
①時効の完成→先に登記した人が勝ち
②取消し→先に登記したした人が勝ち
③解除→先に登記したした人が勝ち
最後に....権利関係の学習についてのコメントで少々、気になるところがありましたので私見を少々。(
講釈をたれるほどの立派な人間ではございませんが失礼覚悟な点はご容赦くださいね)
権利関係は広範な知識を問われます。
問題文では、いろんな登場人物がいて、様々な法的行為が繰り広げられています。
心情的な部分と時にはシビアに感じる法的な解釈とのギャップが頭の中の混乱を更に助長してる側面もあります。
ピンポイントでの学習だと法的解釈の思考力が十分、養われません。
必ず、テキスト全単元の基本事項は、みっちり学んでおいてほしいところです。
正直になところ、好き嫌いを選べるような程、本番の試験は甘くありません。
本番では権利関係は7割は目標にして頑張ってください。(基礎がしっかり出来ていれば十分、可能です!)
権利関係は民法、特別法など14問もの出題でウエイトも高い分野ですので捨て科目にもできません。
むしろ、権利関係の出来次第で合否が大きく左右されると言っても過言ではありません。
せっかく通信講座を受講されていますので、しつこいぐらいに質問し倒してもバチは当たりません。(^-^;
本番までの豚こまさんの頑張りを期待しております。
2025.05.27 21:28
勉強嫌いの行政書士さん
(No.7)
>豚こまさん
>あずきさん
結果を覚えるのは大事ですが、権利関係は思考過程が重要です。
全体で毎年10問くらいは、奇問、難問(正解数が50%以下)が出てきます。
そのときは、理論で正解に導かなくてはなりません。
では、あずきさんの内容について、なぜこの結論になるかが理解できれば大きな力になると思います。
>・時効の完成・取消し・解除より「前」に第三者が登場
>①時効の完成→ 時効取得者の勝ち
>②取消し→取消権者の勝ち(ただし錯誤・詐欺による取消しは善意無過失の第三者に対抗できない)
>③解除→先に登記したした人が勝ち
>・時効の完成・取消し・解除より「後」に第三者が登場
>①時効の完成→先に登記した人が勝ち
>②取消し→先に登記したした人が勝ち
>③解除→先に登記したした人が勝ち
※②取消前追記、「錯誤は、善意で足りる。」が抜けている
※②取消前追記、「強迫は、悪意でも対抗可能」が抜けている
では、民法は全体像が重要です。
たとえば、令和元年問2の肢2だけを見ても、様々な事象(条文)がかかわっています。
①.権利能力・意思能力・行為能力
②.法律行為
③.物権(所有権)
④.債権総則
⑤.契約総則
⑥.売買
さらに、肢2を一部書き換えると、いろいろな肢が作成できます。
1.Aが被成年後見人だった場合
2.Aが被保佐人だった場合
3.Aが被補助人だった場合
4.Aが未成年者だった場合
5.D(成年)がA(成年)の代理人だった場合
6.D(未成年)がA(成年)の代理人だった場合
7.Bが上記1~4だった場合
8.Cが上記1~4だった場合
9.甲土地(不動産)を甲時計(動産)にした場合の対抗問題
10.詐欺ではなく脅迫だった場合
11.当事者詐欺(B)ではなく、第三者詐欺(E)だった場合
さらに、相続が絡んだ対抗問題も実績があります。
遺産分割前の第三者や遺産分割後の第三者など問題のレパートリーはいくらでも作成可能です。
これらの問題に対応できる力を身につけてください。
10月の試験に、合格できることを願っています。
2025.05.28 17:11
あずきさん
(No.8)
どうもフォローコメントありがとうございます😊
2025.05.28 18:23
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