宅建試験過去問題 令和7年試験 問47

問47

宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば、正しいものはどれか。
  1. 団地(一団の宅地又は建物をいう。)と駅との間の道路距離は、取引する区画のうち駅から最も近い区画(マンション及びアパートにあっては、駅から最も近い建物の出入口)を起点として算出した数値又は駅から最も遠い区画(マンション及びアパートにあっては、駅から最も遠い建物の出入口)を起点として算出した数値のいずれかを表示しなければならない。
  2. 新築分譲マンションを販売するに当たり、住戸により管理費の額が異なる場合であって、その全ての住宅の管理費を表示することが困難であるときは、最高額のみで表示することができる。
  3. 物件の近くに新設される予定の駅等又はバスの停留所については、当該路線の運行主体が公表していれば、現に利用できるものではなくても新設予定時期を明示して表示することができる。
  4. 道路距離80mにつき1分間を要するものとして、賃貸物件から最寄りの駅までの徒歩による所要時間を算出したところ15分50秒であった。この場合、当該所要時間を15分と表示してよい。

正解 3

問題難易度
肢111.7%
肢210.7%
肢369.8%
肢47.8%

解説

  1. 誤り。団地は通常の物件と比べて敷地が広いため、駅その他の施設との間の道路距離又は所要時間の表示に当たっては、次の2つを併記しなければなりません。いずれか一つの表示では足りません。
    • その施設から団地内で最も近い地点(マンション・アパートなら出入口)を起点とした数値
    • その施設から団地内で最も遠い地点(マンション・アパートなら出入口)を起点とした数値
    団地が複数の区画に分かれるときは、取引する区画ごとに距離を表示する必要があります(表示規約規則9条(8))。
    団地(一団の宅地又は建物をいう。以下同じ。)と駅その他の施設との間の道路距離又は所要時間は、取引する区画のうちそれぞれの施設ごとにその施設から最も近い区画(マンション及びアパートにあっては、その施設から最も近い建物の出入口)を起点として算出した数値とともに、その施設から最も遠い区画(マンション及びアパートにあっては、その施設から最も遠い建物の出入口)を起点として算出した数値も表示すること。
  2. 誤り。管理費については1戸当たりの月額を表示するのが原則です。ただし、住戸により管理費の額が異なる場合であって、全ての住戸の管理費を示すことが広告スペースの関係で困難なときは、最低額及び最高額のみで表示することができます(表示規約規則9条(41))。最高額だけでは不当表示になります。
    管理費(マンションの事務を処理し、設備その他共用部分の維持及び管理をするために必要とされる費用をいい、共用部分の公租公課等を含み、修繕積立金を含まない。)については、1戸当たりの月額(予定額であるときは、その旨)を表示すること。ただし、住戸により管理費の額が異なる場合において、その全ての住宅の管理費を示すことが困難であるときは、最低額及び最高額のみで表示することができる。
  3. [正しい]。新設予定の鉄道の駅は、当該路線の運行主体が公表したものであれば、その新設予定時期を明示して広告に表示することができます(表示規約規則9条(6))。
    新設予定の駅等又はバスの停留所は、当該路線の運行主体が公表したものに限り、その新設予定時期を明示して表示することができる。
  4. 誤り。人によって歩く速度は異なるので、徒歩による所要時間については「道路距離80mにつき1分」で換算して時間表示しなければなりません。このとき1分未満の端数は切り上げて1分とします表示規約規則9条(9))。15分50秒だった場合には16分と表示しなければなりません。
    徒歩による所要時間は、道路距離80メートルにつき1分間を要するものとして算出した数値を表示すること。この場合において、1分未満の端数が生じたときは、1分として算出すること。
したがって正しい記述は[3]です。