宅建試験過去問題 平成20年試験 問16
問16
不動産の登記の申請に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。- 所有権に関する仮登記に基づく本登記は、登記上の利害関係を有する第三者がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。
- 仮登記の登記義務者の承諾がある場合であっても、仮登記権利者は単独で当該仮登記の申請をすることができない。
- 二筆の土地の表題部所有者又は所有権の登記名義人が同じであっても、持分が相互に異なる土地の合筆の登記は、申請することができない。
- 二筆の土地の表題部所有者又は所有権の登記名義人が同じであっても、地目が相互に異なる土地の合筆の登記は、申請することができない。
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正解 2
問題難易度
肢18.9%
肢268.2%
肢314.4%
肢48.5%
肢268.2%
肢314.4%
肢48.5%
分野
科目:1 - 権利関係細目:17 - 不動産登記法
解説
- 正しい。所有権に関する仮登記に基づく本登記は、登記上の利害関係を有する第三者がある場合は、その承諾があるときに限って※申請することができます(不動産登記法109条1項)。例えば、A→Bに所有権移転の仮登記がなされ、その後、A→Cへ譲渡と所有権移転登記があった場合、仮登記に基づく本登記により権利を失うCの承諾が必要となります。所有権に関するものに限り利害関係者の承諾が必要であり、抵当権その他所有権以外の権利の本登記については、利害関係を有する第三者がいても承諾は不要です。
【※参考】
確定裁判があった場合、第三者が承諾の意思表示をしたとみなされるので、やはり承諾の上で申請していることになります。所有権に関する仮登記に基づく本登記は、登記上の利害関係を有する第三者(本登記につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。
- [誤り]。仮登記は、予備的な登記ということで、共同申請の原則が一部緩和されており、①仮登記の登記義務者の承諾があるとき、②裁判所から仮登記を命ずる処分がでたときは、仮登記の登記権利者が単独で申請することができます(不動産登記法107条1項)
仮登記は、仮登記の登記義務者の承諾があるとき及び次条に規定する仮登記を命ずる処分があるときは、第六十条の規定にかかわらず、当該仮登記の登記権利者が単独で申請することができる。
- 正しい。次に挙げる6つの土地について、合筆の登記をすることはできません(不動産登記法41条)。持分が相互に異なる土地の合筆を認めると、面積での按分計算などの結果、合筆後の土地の持分が非常に複雑になってしまいます。合筆後の権利関係が複雑になることを避けるため、持分が異なる土地同士の合筆は認められていません。
- 相互に接続していない土地
- 地目又は地番区域が相互に異なる土地
- 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に異なる土地
- 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に持分を異にする土地
- 所有権の登記がない土地と所有権の登記がある土地
- 所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地
- 正しい。地目は一筆の土地につき1つが登記されるので、一筆の土地に複数の地目の土地が存在することは許されません。したがって、地目が相互に異なる土地の合筆の登記は申請することができません(不動産登記法41条2号)。土地の一部が異なる地目に変わった場合には、分筆の対象となります。
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